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Q4 リフロー後チップコンデンサが割れましたはんだ付け技術に問題があるのでしょうか?

1.観察のポイント 写真のようなチップ割れははんだ付けとは関係なく、部品そのものに起因しています。チップを構成する材料の欠陥が主因になっています(写真a、b)。 この場合もアッセンブリ全体のはんだ付け性は良好で、他の部品にはんだ付け不良は発生していません。本はんだ付け部でもパッドの濡れ性は良好で、使用されたクリームはんだのはんだ付け性は良好でした。フィレットの肌も光沢があり、表面に残留しているフラックスの状態も透明で、オーバー加熱の様相はありません。はんだボールはありますがチップ割れとは関係はありません。 左右両パッドの位置のずれもなく、リフローの温度プロファイルもこのチップに関してはミスはありません。 チップ電極は酸化されていますが、チップコンデンサの酸化としては一般的なレベルと言えます。 しかし、電極表面には半球の突起が多数確認できます。これはチップのはんだめっき前の状態に欠陥があったことが想定できます。ただし、これが直接チップ割れには関係ありません。 割れを起こした箇所を観察すると、破面のはんだは鋭いエッジになっているので、凝固した後で割れが発生したことになります(チップ内部の水分による蒸気爆発で、しかもフィレットのはんだが溶融状態で発生すれば、はんだ付け部周辺に微小はんだボールが多数確認されるはずです)。 割れた箇所の樹脂がめくれるような形態(樹脂が膨張したからめくれるようになっている)をしているのは樹脂そのものの変形であって、単に水蒸気爆発を起こしただけではこのような変形はありません。樹脂の変形は樹脂そのものの組成に関係すると判断します。 部品の樹脂が原因の不具合は、樹脂に侵入した水分が原因の場合、樹脂を構成する成分の偏析が原因の場合、気泡(空洞)の介在が原因の場合、樹脂の内部応力が原因の場合、あるいは写真c、dに示したように製造工程で付加された外力が原因の場合があります。 〈参考〉マナー 母親の胎内から赤ちゃんはこの世に生命が授けられます。同じようにリフロー炉からフロー槽からあるいは電気コテからアッセンブリは生命を授けられます。チップ部品と言えども血の通った生き物です。私達は血の通った生き物を世の中に送り出しているのです。そして、私達の生活はその上で成り立っています。  

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Q3 セラミック基板ではんだ割れが発生しました。どのような因子が作用したのでしよう か?

1.観察のポイント ①写真aに示したように部品の傾きは大きい。 ②写真aに示したように、基板の隅に部品が配置されている。 ③写真bに示したように、フィレット側のはんだ破断面が鋭い。 ④写真bではリードの厚みの約1/2ははんだが濡れていない。 ⑤写真bに示したようにリードの上にもはんだは上がっている。 ⑥写真bに示したように、フィレットのかかとの部分の肌が粗れている。 ⑦写真cではフィレットとリードの相対的位置関係からすると、リードは右にずれている。 2.原因と発生のメカニズム セラミックは熱容量が大きいために温度が上がりにくく、温度が上がるとさめるのに時間がかかります。本はんだ付け部は基板の外側に位置しており、温度上昇は写真aに示したように右側のリードが早く、不具合を起こした側は遅れています。 写真bから分かることは、割れが発生する直前にはリードはすでに浮いている状態になっていたということです。 ここでセラミック基板の性質から、写真aの右側のリード側は先にはんだが溶けますが、普通のガラエポ基板のようにピーク温度領域に入って基板が急に温度が上がるのではなく、徐々に上がります。 そして、炉がピーク温度から冷却が開始されても、急激に温度が下がるのではなく徐々に下がるので、冷却過程に入ってもはんだの濡れは持続しています。そしてクリームの量は多く、当然フラックスの量も多かったので、はんだの濡れは持続することになります。 一方、写真aの左のリード側は温度上昇が遅れて到達温度も低くなるので、ピーク温度が過ぎると凝固の体勢に入ります。その時点では右側のリードはまだ濡れを続行しています。ここではピークゾーンを過ぎても、溶融はんだはリードの上部にさらに這い上がりながら、リードをパッド側に引きつけるので、部品は徐々に傾くようになります。反対側は凝固直後ですが、ほとんど強度はありません。 そして割れが発生したことになります。 この過程が分かったのは写真bのフィレットのかかとの部分が粗れていること、そして左側がこれほど派手に割れたにもかかわらず、右側のフィレットが何もない綺麗な肌をしていたことに気付いたからです。 左側のフィレット全体はリードの先端の温度が低く、かかとの部分が最後に固まっています。本来かかとの部分はフィレットの強度を確保すべき所でもあるのですが、凝固直後であったために強度がないことを証明しています。 最終的に右側のリードは凝固しますが、フィレットのはんだ量が多いことから、凝固時の体積変化で(収縮力で)、割れてからもさらに左側を持ち上げていることが想定できます。 3.対策 セラミック基板は熱容量が大きいために、温度上昇は遅れ、加熱時の温度差はガラエポ基板より顕著に出ます。それだけに均一加熱と均一冷却がより求められるから温度プロファイルを再検討しなければなりません。さらに治具を作って基板の外側の温度上昇を押さえます。例えば金属ブロックを配置することによって内側と同じ温度上昇にになるよう検討する、などです。 同時に、リードの酸化対策、クリームはんだの合金成分の見直しなど、1つひとつの因子を潰すことを実施しなければなりません。                

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Q2 はんだ付け後の外観で温度を知ることはできるのでしょうか?

写真aは、携帯電話に搭載されていたQFPのリード表面です。本リードには90Sn-10Pbが表面にめっきされています。この組成のはんだの凝固混度は183℃になります。写真bの矢印1で示した箇所は綺麗な肌をしています。これはフラックス作用を受けた時のはんだの溶融状態になります。したがって、ここは183℃よりは高い湿度です。 これに対して、矢印2で示した箇所は酸化物の下であっても、溶融した跡が確認できます。合金組成からここが183℃になります。   同様に写真cはチップ部品の電極部の状態です。これもはっきりと温度を見ることができます。このような現象はSn-Pb合金にのみに限定されます。微小部分の温度測定は、熱電対の線をセットしただけで、加熱時には熱が奪われ犬変難しいと言えます。 願わくば、表面実装部品のはんだ付け部はすべてSn-Pb系の表面にしてほしいものです。 (※1998年初版発行の文章をそのまま掲載しております)  

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Q1 はんだ付け後の外観ではんだ割れの危険性のある個所を予測できないでしょうか?

  1.観察のポイント フラックス残渣は力に対してはんだより敏感に反応します。フィレットのはんだは金属ですが、粘土のような性質があるので、力が作用して少々伸びても変形は観察できません。ところがこれに密着したフラックス残渣は軟化温度より低温ではほとんど伸びません。 したがって、はんだのわずかな伸びに対して追従することができず、簡単にクラックの発生につながります。 写真aはQFPのはんだ付け部で発生したフラックス残渣のクラックで、右から2番目のリードに顕著に出ています。この箇所を側面から観察したのが写真bになりますが、リードが浮いた状態が確認できます。 写真cはQFPのリードの端の近辺です。この写真の右端と4番目とを比較すると、右端ほどフラックス残渣のクラックの程度はきつくなっています。フラックス残渣のクラックの発生の位置は3番目と4番目に興味ある現象が顕著に出ています。それはリードのかかと部のクラックが著しいという点です。これはリードのはんだ付け部ではフィレットのかかとから力が作用し、この部分で変形を来しているという事実です。       2.原因と発生 では、なぜここでこのような力が作用するかになります。 QFPの樹脂に内在した力がリフロー炉の中で開放し、それが市場でさらに長い期間を経て開放したことによります。 これを解析するには中性子ラジオグラフィーの手法で、QFPの製造時の金型に侵入して行く樹脂の挙動を解析しなければ分かりません。 TSOPのリードのはんだ割れが多いのは、金型の薄い空間を樹脂が圧入される時の挙動(金型と樹脂の界面で発生する摩擦)がQFPより一層不確定なためと考えます。 参考までに写真dはポリエステル樹脂の内部空洞で、この組織からしても空洞部周辺の樹脂が収縮した状態を示しています。したがって、圧力で成形された樹脂及びその中の密閉空間は、膨張しようとする力をもっていることが容易に分かります。圧力の高い樹脂の一部或いは空間がリフロー炉で膨張してもおかしくありません。薄い空間に粘性の高い樹脂をきちんと入れる場合、他のどこよりも角の部分は強い力が必要となります。このような理由でパッケージの角は暴れやすく動きやすい状態にあるので、この箇所がはんだ割れに敏感になります。 写真eはパッケージ内部の空洞です。 写真fもパッケージ内部で発生したクラックです。 写真9は電解コンデンサの底部の樹脂のクラック群です。 写真hは微小ですが、矢印に示した箇所で気泡跡が確認できます。 このように、パッケージ樹脂の内部に欠陥があると、はんだ付け部に作用してはんだ割れの原因となります。写真i、jはパッケージ樹脂が原因で発生した割れです。 3.対策 はんだ量が少ないのもはんだ割れを加速したことになります。リフローソルダリング後は写真i、jで示した箇所のはんだ付け部は、これらの箇所を重点的に検査しはんだ量が少ない場合は追いはんだをして補強します。また、設計に際してはパッドの面積を大きく取ってはんだ量を増し、強度を確保しなければなりません。

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Q3 基板の機械加工に欠陥があった場合、どのような不具合の原因になるのでしょうか?

1.観察のポイント 基板の機械加工で不具合として問題になるのが、ドリルによる穴あけ加工と金型プレスによる打ち抜き加工の精度です。いずれの場合も実体顕微鏡などによる穴の内壁の観察で、基板の良否の状態を把握することができます。 2.発生と原因 2.1  ドリルによる穴あけ加工 穴あけ後、両面スルーホール基板では無電解の銅めっきがかかります。写真aに示したようにドリルの刃が摩耗していると切れ味が劣り、めっき後は穴の内壁が凹凸になってガラス繊維がばらけます。 このような中にめっき液が浸透しますと、はんだ付け後浸透しためっき液で写真bに示したような腐食が発生します。 拡大した写真cではめっき夜の残留による腐食の激しさが分かります。 この断面の状態を写真dに示しますが、ばらけたガラス繊維の中に浸透しためっき液で、1本のガラス繊維の表面に銅がめっきされているのが分かります。 写真dの無電解銅めっきの厚さと写真bを比較すると分かりますが、写真dのスルーホール内はめっき厚が均一になっているので不具合にはならないでしょう。 2.2 金型プレス加工 せん断加工による破断切り口を図aに示します。 基板も同様の形態をとります。金型プレスで打ち抜いた場合、一見切断面は綺麗な状態と思いがちですが、実際には写真e、fのように切断面付近は著しい破壊跡が観察できます。     一般に間隙部は吸湿しやすく、乾燥しにくい箇所でもあるのて、吸湿により絶縁不良の原因にもなります。それだけに基板の良否は穴の観察が最優先になります。 写真gは、実体顕微鏡で普通に撮影したものです。なんの変哲もない穴ですが、光源を基板の下にして観察すると、写真hに示したクラックが観察できます。 このクラックは、レジストで発生しています。 穴あけによって発生したクラックが、仮に別々の導体に達していれば、穴を介して2つの導体間でリーク現象が起きることが考えられます。過去に恐らく、このようなクラックが原因の絶縁不良の事故は、あったものと推定します。このような現象を認識していませんと、原因不明で片づけられてしまいます。

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Q18 部品のリードの腐植とはんだ付け後のスルーホール内の挙動を教えてください。

            1.観察のポイント 写真aは、はんだ付け前の抵抗のリードを示したものです。よくリードの表面は部分的に腐食している場合があります。 噴流はんだ付けではフラックスが塗布されると、腐食部の水分とフラックス中の活性剤分とが結びつきます。 さらにこれが予熱ゾーンで加熱されるとこの結びつきは強固になります。 この状態ではんだバスに入るとこの箇所から盛んにガスを発生します。写真bでは、スルーホール内のリード線の周辺からガスが多数発生しているのが観察できます。さらに加熱が続くとガスは互いに融合して大きくなり、写真Cに示す大きなブローホールに発達することがあります。 2.予想される不具合 溶融はんだ中のブローホールははんだが凝固するとその容積は小さくなります。このことはブローホールがただの空間ではなく、圧縮された空気が詰まっていると考えることができます。したがって、この空間は膨張しようとする力を持っています。写真bのフィレットに存在する大きなブローホールは、使用環境の温度サイクルを受けて膨張収縮を繰り返すことにより、はんだ割れの原因となります。 3.対 策 日頃、実作業に従事している人なら、リードの汚れは目視で識別できます。正常品と比較して一瞬のうちに目に付くようなら、これは要注意です。メーカーに連絡することが第一優先となります。部品メーカーでは、リード線はメーカーから購入しているのがほとんどです。アッセンブリの現場から苦情が出たのであれば、部品メーカーは社内在庫品を確認した上でリード線メーカーに改善してもらわなければなりません。 リード線メーカーでは抵抗などに使用されるリード線は、最終線径まで線引すると鋼線をフラックスの中を通し、次に溶融はんだ(或いは溶融すず)中に自動浸漬し、はんだめっき線を作ります。無洗浄タイプのフラックスを使用しているので残流は普通洗浄しません。一般にはリード線の腐食は斑点状が特徴です。はんだめっきした時のフラックスがはねて付着し、それが吸湿した可能性があります。リード線のメーカでは、フラックス中の水分量とイオン物質の量を測定します。この結果によって、フラックスを交換するか否かを決めなければなりません

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Q17 SOPでブリッジが発生しています。原因と対策を教えてください。

ANSWER チップ混載のアッセンプリにはQFP、SOPのような表面実装部品が搭載されており、はんだ付け不良としてブリッジがよくみられます。原因にはいろいろな因子があって、どの因子が最も強く出たかは一つひとつ検証しなければなりません。本アッセンブリにおいては下記の理由によるものでした。               1.観察のポイント ①本SOPはフェノール基板の端に近い所に搭載され、しかもSOPが搭載している側では基板の厚み分の反りが発生し、基板の割る箇所ですでに基板割れが起きている(写真a)。 ②写真bに示すブリッジが基板を流す頭側で発生している。 ③写真Cに示したブリッジのないSOPは基板の中央に位置している。 ④写真bの側面のリード形状を写真dに、写真cのリード形状を写真eに示す。 ⑤基板上その他のフィレットでは、基板に対しほぼ真上にツノが発生している(写真f)。 ⑥ツノの多発は基板割れの周辺に集中している。 本SOPの基板搭載位置はコンベアの爪の付近にあり、その近くで基板の厚み分の反りが発生しています。アッセンブリ全体からみるとコンベアの爪が支えている基板の高さは正常ですが、基板割れを境として、反対側は基板の厚み分かはんだバスに深く浸漬したことになります。この基板割れは、写真gに示したようにケースの端子をひねって基板に固定したことにより発生したものです。 SOPのブリッジとその他の部品でのツノの発生に共通していることは、フィレットのはんだ切れに有効なフラックス量が減少している点です。                   2.発生のメカニズムと対策 基板にケースをひねって取り付ける時に、何らかのミスで基板に大きな応力をかけることになってしまった。フラックス塗布後アッセンブリは予熱ゾーンに入りますが、この時ケースが熱変形し、その力で基板を割っています。この割れによりコンペアの爪の位置を基準とするとヽはんだ付け面は基板の厚み分下がったことになります。 このまま噴流はんだバスに侵入したので、噴流する溶融はんだの基板面に対する当たりが強くなり、フラックスは洗い流され、さらに二次噴流でもフラックスは洗い流されてしまいました。この結果、フイレットを形成するのに必要なフラックスが減少し、ブリッジの発生に至っています。当該SOPのリードの形状は写真dに示したように、写真eと比較して外観が異なり、パッケージとの隙間も狭い状態にあるので、溶融はんだの通りが阻害されやすい傾向にあります。他のはんだ付け箇所でもフラックスは洗い流され、ツノが多発しています。ツノは基板面に対しほぼ垂直なので、コンベアスピードと噴流の落ちるスピードが良好な状態にあったことを裏付けています。 ここでは、ケースの基板への固定法について設計段階に戻り検討しなければなりません。このような固定の方法は、基板にストレスを与えるばかりでなく、振動を拾って緩むと、再び固定することはありません。はんだ割れ、導体破断などの事例もあります。作業者ははんだ付け部に目が行きがちですが、全体の状態を観察することで目視でも分かりますから、はんだ付け後の基板割れに注意されると良いでしょう。その他の条件は良好なので噴流はんだ付け条件をいじってはなりません。 〈参考〉 「ひねり」による固定方法のほかに、「かしめ」も同じように基板に与える影響はあります。いずれの固定方法も、一度ゆるむと二度と固定はできなくなるので、ゆるんだときに力がはんだ付け部にかからないような構造にしておかなければなりません。

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Q16 穴あきと、はんだボールとは関係があるのでしょうか?

ANSWER 1. 観察のポイントと発生のメカニズム 穴あきの原因にはいろいろな因子によるが因果関係があります。片面基板及び両面基板いずれの場合もあります。写真aは片面基板で上のフィレットからはんだボールが発生しています。はんだボールはランドの穴の中でも確認できます。この写真の穴あきは、むしろランド穴に対してリードが細すぎ、さらにクリンチしているのも原囚に挙げられます。この穴の内部に水分が存在していると、予熟ゾーンを過ぎても水分は蒸発しきれず、はんだバスの中で一気にガス化して、穴あきとなっています。 写真bは中央のフィレットから発生したはんだボ-ルです。これは穴あきではありません。写真cはこれを側面から撮影したもので、フィレットの中腹部にこれからまさに飛敗しかかった半球状の突起が4点確認できます(対策の項を参照)。フィレットは自らの噴 出で光沢がないのが特徴です。 一般には正常なフィレットは肌が滑らかであるのに対し、写真cのフィレットでは表面が滑らかではなく、がさついた状態となっています。これはアッセンブリが二次噴流面から離脱する時にも、穴の内壁から水蒸気が出て爆発し、フィレットになる溶融はんだを吹き飛ばした、その勢いで基板面にはんだボールとして付着したものです。 スルーホール内部から発生したガスはさまざまな創造物となり目を楽しませてくれます、写真dはドームとなった屋根部が欠損した姿、写真eは太鼓状にふくらんだ姿、写真fは風船がつぶれた姿を見せてます。基板の反対側がレジストで閉ざされていると起きやすくなります。 2.予想される不具合 水分がスルーホール内に存在していたことが原因になります。基板スルーホールの中は水分単独ではなく、洗浄不足による基板エッチング液の残留あるいはめっき液の残留があります。噴流はんだ付けで水分が一時的に蒸発することはありますが、スルーホール内に残留しているイオン物質がやがて吸湿すると、両面基板あるいは多層基板では、スルーホールの壁面を腐食し、導通不良の事故へ進展することがあります。 3.対 策 同じロットの基板の同じ穴径のスルーホールにやに入りはんだでコテ付けしてみます。この時、実体顕微鏡で観察しながらはんだ付けをします(できればビデオで撮影しますと良く分かります)。はんだが付いてもしばらくコテを当てた状態で観察すると、火山の噴火のようにガスが出て来るのが確認できます。このガスがはんだボールの発生の引き金となります。さっそく基板メーカーに改善を要求することになります。

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Q15 部品をクリンチしていますが、問題点を教えて下さい。

ANSWER クリンチは部品を基板に固定することにより,はんだ付け時の部品のブレ防止と接合部の強度補強の目的で行われます。普通片面基板が主流ですが、両面基板でも噴流はんだ付け時のブレ防止のために行われます。部品配置ミスあるいは基板の流す方向を誤ると、写真aに示したように、ブリッジの発生原因になることがあります。写真bは同じ箇所を側面から見た状態で、溶融はんだは手前から奥へ向かって流れます。写真a、bの状態から溶融はんだの流れはクリンチ部で乱れ、フラックスの効果が半減するようです。この部分に限定してブリッジを防止するのであれば、フラックスの塗布量を増やせば改善できますが、写真cに示したように他の箇所で穴あきの原因になります。 写真cの場合の穴あきはランド穴が大き過ぎるのも原因ですが、基板の流す方向も原因に挙げられます。 写真では右から左へ流していますが、逆方向から流せばブリッジの発生確率は減少し、フィレットは形成しますが、写真dに示したようにフィレットのはんだ量が減少して割れの原因にもなります。 外観では分かりにくいのですが、断面図で検討した場合、クリンチしたりードが基板面から離れていると、図aに示したようには部品を支える箇所のはんだ量が少なくなり、使用環境の振動、ピートサイクルなどにより割れに敏感となります。           クリンチの時の力が強すぎると、はんだバスには入ってからの熱衝撃で、クリンチ下の導体破断が起きることがあるので、十分検討した上でクリンチ時の力を決定すべきです

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Q14 部品に限定して穴あきが起きています。どのような原因でしょうか?

1.観察のポイント ①写真aの3本のリードはいずれも先端にはんだが濡れていない。 ②穴あきの箇所を観察すると、片面基板であることが分かる。 ③穴あきの箇所を観察すると、リードの表面めっきが消失し地肌が露出し、しかも露出部はランドの面と高さがほぼ一一致している。 ④右端のフィレットでは、リードに対し矢印の半分で一一部はんだがはじいている。 ⑤そのためフィレット裾野が正常な曲線を描いていない。 ⑥ピントはずれているが、右上のフィレットは良好な裾野を描いている。 ⑦穴あきの筒所はランド穴がリードと比較して極端に大きいということはなく、ランド全面にはんだが良く濡れている。 以上のポイントが挙げられます。 さて、①については、同じ傾向ではんだが濡れていません。このことからリード側にはんだ付け不良を起こす要因があったものと推定できます。 ②について、片面基板では一般には金型プレスで打ち抜いてランド穴をあけます。加工精度が落ちてくると、穴の内面はザクザクとなり、吸湿しやすくなります。 ③に付いて、リードは表面にめっきがかかっています。これには溶融はんだめっきと電気めっきとがあります。前者の場合、噴流はんだ付けではじいたとしても、はんだの色をしていなければなりません。本写真では地肌が見えているので、後者の電気めっきだったことが分かります。 ④について、程度の差はあっでも、リードのめっき状態が悪かったと推定できます。 ⑥について、右上のフィレットが良好であることから、使用したポストフラックは良好であったと推定できます。はんだ、フラックス、温度プロファイルなどは良好と言えるようです、 ⑦について、基板のランドも正常と言えます。 2.発生のメカニズム 当該部品のリードはリン青銅で、これに下地銅めっきの錫系合金めっき(この項では以降すずめっき)がかけられていたいたものと推定できます。すずめっきの密着性が悪く、しかも、密着不良部のリン青銅の表面は銅の色はしていても、すでに変色してはんだとの濡れ性が悪い状態にありました。 アッセンブリにフラックスが塗布され、予熱ゾーンを経てはんだバスに侵入すると、溶融はんだ中で密着不良部からガスが発生します。このガスが溶融はんだ中でフラックスをリード部から離脱させ、すずめっきもリードから離脱しました。密着不良部は高さ的にランド面と同じレベルにあるので、はんだはリードに濡れることなく噴流はんだ付けは完了しました。 めっきの密着不良の例として写真b、c、dに示します。これはハイブリッドICの樹脂部を外したもので、写真bはセラミック基板側でリン青銅の地肌が露出し、写真cは樹脂側にめっきが剥がれた面を見せています。めっき不良の場合、写真c、dに示したように、はんだ付け時に簡単に剥れることがあります。これもめっき不良によるはんだ事故例です。部品は基仮に自動挿入されるので、実装ラインで気付くのは大変難しい状況にあります。 3.対 策 まず、未使用の部品に対してはんだウオッシャーを実施し、はんだ不濡れがあるかどうかの確認をとります。不濡れが確認できたら、部品メーカーに現物と写真を提示して改善させます。この場合、保管についての管理不備が指摘されることもあるので、日頃から部品の保管(保管環境と管理の記録)は徹底し、不備のないことを申し添えなければなりません。 不具合は数年後に発覚することがあるので、部品メーカーにあっても出荷製品の製造記録が必要になります。

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