作成者別アーカイブ: admin

Q3 基板の機械加工に欠陥があった場合、どのような不具合の原因になるのでしょうか?

1.観察のポイント 基板の機械加工で不具合として問題になるのが、ドリルによる穴あけ加工と金型プレスによる打ち抜き加工の精度です。いずれの場合も実体顕微鏡などによる穴の内壁の観察で、基板の良否の状態を把握することができます。 2.発生と原因 2.1  ドリルによる穴あけ加工 穴あけ後、両面スルーホール基板では無電解の銅めっきがかかります。写真aに示したようにドリルの刃が摩耗していると切れ味が劣り、めっき後は穴の内壁が凹凸になってガラス繊維がばらけます。 このような中にめっき液が浸透しますと、はんだ付け後浸透しためっき液で写真bに示したような腐食が発生します。 拡大した写真cではめっき夜の残留による腐食の激しさが分かります。 この断面の状態を写真dに示しますが、ばらけたガラス繊維の中に浸透しためっき液で、1本のガラス繊維の表面に銅がめっきされているのが分かります。 写真dの無電解銅めっきの厚さと写真bを比較すると分かりますが、写真dのスルーホール内はめっき厚が均一になっているので不具合にはならないでしょう。 2.2 金型プレス加工 せん断加工による破断切り口を図aに示します。 基板も同様の形態をとります。金型プレスで打ち抜いた場合、一見切断面は綺麗な状態と思いがちですが、実際には写真e、fのように切断面付近は著しい破壊跡が観察できます。     一般に間隙部は吸湿しやすく、乾燥しにくい箇所でもあるのて、吸湿により絶縁不良の原因にもなります。それだけに基板の良否は穴の観察が最優先になります。 写真gは、実体顕微鏡で普通に撮影したものです。なんの変哲もない穴ですが、光源を基板の下にして観察すると、写真hに示したクラックが観察できます。 このクラックは、レジストで発生しています。 穴あけによって発生したクラックが、仮に別々の導体に達していれば、穴を介して2つの導体間でリーク現象が起きることが考えられます。過去に恐らく、このようなクラックが原因の絶縁不良の事故は、あったものと推定します。このような現象を認識していませんと、原因不明で片づけられてしまいます。

カテゴリー: 基板編Q1-3 | コメントをどうぞ

Q18 部品のリードの腐植とはんだ付け後のスルーホール内の挙動を教えてください。

            1.観察のポイント 写真aは、はんだ付け前の抵抗のリードを示したものです。よくリードの表面は部分的に腐食している場合があります。 噴流はんだ付けではフラックスが塗布されると、腐食部の水分とフラックス中の活性剤分とが結びつきます。 さらにこれが予熱ゾーンで加熱されるとこの結びつきは強固になります。 この状態ではんだバスに入るとこの箇所から盛んにガスを発生します。写真bでは、スルーホール内のリード線の周辺からガスが多数発生しているのが観察できます。さらに加熱が続くとガスは互いに融合して大きくなり、写真Cに示す大きなブローホールに発達することがあります。 2.予想される不具合 溶融はんだ中のブローホールははんだが凝固するとその容積は小さくなります。このことはブローホールがただの空間ではなく、圧縮された空気が詰まっていると考えることができます。したがって、この空間は膨張しようとする力を持っています。写真bのフィレットに存在する大きなブローホールは、使用環境の温度サイクルを受けて膨張収縮を繰り返すことにより、はんだ割れの原因となります。 3.対 策 日頃、実作業に従事している人なら、リードの汚れは目視で識別できます。正常品と比較して一瞬のうちに目に付くようなら、これは要注意です。メーカーに連絡することが第一優先となります。部品メーカーでは、リード線はメーカーから購入しているのがほとんどです。アッセンブリの現場から苦情が出たのであれば、部品メーカーは社内在庫品を確認した上でリード線メーカーに改善してもらわなければなりません。 リード線メーカーでは抵抗などに使用されるリード線は、最終線径まで線引すると鋼線をフラックスの中を通し、次に溶融はんだ(或いは溶融すず)中に自動浸漬し、はんだめっき線を作ります。無洗浄タイプのフラックスを使用しているので残流は普通洗浄しません。一般にはリード線の腐食は斑点状が特徴です。はんだめっきした時のフラックスがはねて付着し、それが吸湿した可能性があります。リード線のメーカでは、フラックス中の水分量とイオン物質の量を測定します。この結果によって、フラックスを交換するか否かを決めなければなりません

カテゴリー: ディップはんだ付け編Q16-20 | コメントをどうぞ

Q17 SOPでブリッジが発生しています。原因と対策を教えてください。

ANSWER チップ混載のアッセンプリにはQFP、SOPのような表面実装部品が搭載されており、はんだ付け不良としてブリッジがよくみられます。原因にはいろいろな因子があって、どの因子が最も強く出たかは一つひとつ検証しなければなりません。本アッセンブリにおいては下記の理由によるものでした。               1.観察のポイント ①本SOPはフェノール基板の端に近い所に搭載され、しかもSOPが搭載している側では基板の厚み分の反りが発生し、基板の割る箇所ですでに基板割れが起きている(写真a)。 ②写真bに示すブリッジが基板を流す頭側で発生している。 ③写真Cに示したブリッジのないSOPは基板の中央に位置している。 ④写真bの側面のリード形状を写真dに、写真cのリード形状を写真eに示す。 ⑤基板上その他のフィレットでは、基板に対しほぼ真上にツノが発生している(写真f)。 ⑥ツノの多発は基板割れの周辺に集中している。 本SOPの基板搭載位置はコンベアの爪の付近にあり、その近くで基板の厚み分の反りが発生しています。アッセンブリ全体からみるとコンベアの爪が支えている基板の高さは正常ですが、基板割れを境として、反対側は基板の厚み分かはんだバスに深く浸漬したことになります。この基板割れは、写真gに示したようにケースの端子をひねって基板に固定したことにより発生したものです。 SOPのブリッジとその他の部品でのツノの発生に共通していることは、フィレットのはんだ切れに有効なフラックス量が減少している点です。                   2.発生のメカニズムと対策 基板にケースをひねって取り付ける時に、何らかのミスで基板に大きな応力をかけることになってしまった。フラックス塗布後アッセンブリは予熱ゾーンに入りますが、この時ケースが熱変形し、その力で基板を割っています。この割れによりコンペアの爪の位置を基準とするとヽはんだ付け面は基板の厚み分下がったことになります。 このまま噴流はんだバスに侵入したので、噴流する溶融はんだの基板面に対する当たりが強くなり、フラックスは洗い流され、さらに二次噴流でもフラックスは洗い流されてしまいました。この結果、フイレットを形成するのに必要なフラックスが減少し、ブリッジの発生に至っています。当該SOPのリードの形状は写真dに示したように、写真eと比較して外観が異なり、パッケージとの隙間も狭い状態にあるので、溶融はんだの通りが阻害されやすい傾向にあります。他のはんだ付け箇所でもフラックスは洗い流され、ツノが多発しています。ツノは基板面に対しほぼ垂直なので、コンベアスピードと噴流の落ちるスピードが良好な状態にあったことを裏付けています。 ここでは、ケースの基板への固定法について設計段階に戻り検討しなければなりません。このような固定の方法は、基板にストレスを与えるばかりでなく、振動を拾って緩むと、再び固定することはありません。はんだ割れ、導体破断などの事例もあります。作業者ははんだ付け部に目が行きがちですが、全体の状態を観察することで目視でも分かりますから、はんだ付け後の基板割れに注意されると良いでしょう。その他の条件は良好なので噴流はんだ付け条件をいじってはなりません。 〈参考〉 「ひねり」による固定方法のほかに、「かしめ」も同じように基板に与える影響はあります。いずれの固定方法も、一度ゆるむと二度と固定はできなくなるので、ゆるんだときに力がはんだ付け部にかからないような構造にしておかなければなりません。

カテゴリー: ディップはんだ付け編Q16-20 | コメントをどうぞ

Q16 穴あきと、はんだボールとは関係があるのでしょうか?

ANSWER 1. 観察のポイントと発生のメカニズム 穴あきの原因にはいろいろな因子によるが因果関係があります。片面基板及び両面基板いずれの場合もあります。写真aは片面基板で上のフィレットからはんだボールが発生しています。はんだボールはランドの穴の中でも確認できます。この写真の穴あきは、むしろランド穴に対してリードが細すぎ、さらにクリンチしているのも原囚に挙げられます。この穴の内部に水分が存在していると、予熟ゾーンを過ぎても水分は蒸発しきれず、はんだバスの中で一気にガス化して、穴あきとなっています。 写真bは中央のフィレットから発生したはんだボ-ルです。これは穴あきではありません。写真cはこれを側面から撮影したもので、フィレットの中腹部にこれからまさに飛敗しかかった半球状の突起が4点確認できます(対策の項を参照)。フィレットは自らの噴 出で光沢がないのが特徴です。 一般には正常なフィレットは肌が滑らかであるのに対し、写真cのフィレットでは表面が滑らかではなく、がさついた状態となっています。これはアッセンブリが二次噴流面から離脱する時にも、穴の内壁から水蒸気が出て爆発し、フィレットになる溶融はんだを吹き飛ばした、その勢いで基板面にはんだボールとして付着したものです。 スルーホール内部から発生したガスはさまざまな創造物となり目を楽しませてくれます、写真dはドームとなった屋根部が欠損した姿、写真eは太鼓状にふくらんだ姿、写真fは風船がつぶれた姿を見せてます。基板の反対側がレジストで閉ざされていると起きやすくなります。 2.予想される不具合 水分がスルーホール内に存在していたことが原因になります。基板スルーホールの中は水分単独ではなく、洗浄不足による基板エッチング液の残留あるいはめっき液の残留があります。噴流はんだ付けで水分が一時的に蒸発することはありますが、スルーホール内に残留しているイオン物質がやがて吸湿すると、両面基板あるいは多層基板では、スルーホールの壁面を腐食し、導通不良の事故へ進展することがあります。 3.対 策 同じロットの基板の同じ穴径のスルーホールにやに入りはんだでコテ付けしてみます。この時、実体顕微鏡で観察しながらはんだ付けをします(できればビデオで撮影しますと良く分かります)。はんだが付いてもしばらくコテを当てた状態で観察すると、火山の噴火のようにガスが出て来るのが確認できます。このガスがはんだボールの発生の引き金となります。さっそく基板メーカーに改善を要求することになります。

カテゴリー: ディップはんだ付け編Q16-20 | コメントをどうぞ

Q15 部品をクリンチしていますが、問題点を教えて下さい。

ANSWER クリンチは部品を基板に固定することにより,はんだ付け時の部品のブレ防止と接合部の強度補強の目的で行われます。普通片面基板が主流ですが、両面基板でも噴流はんだ付け時のブレ防止のために行われます。部品配置ミスあるいは基板の流す方向を誤ると、写真aに示したように、ブリッジの発生原因になることがあります。写真bは同じ箇所を側面から見た状態で、溶融はんだは手前から奥へ向かって流れます。写真a、bの状態から溶融はんだの流れはクリンチ部で乱れ、フラックスの効果が半減するようです。この部分に限定してブリッジを防止するのであれば、フラックスの塗布量を増やせば改善できますが、写真cに示したように他の箇所で穴あきの原因になります。 写真cの場合の穴あきはランド穴が大き過ぎるのも原因ですが、基板の流す方向も原因に挙げられます。 写真では右から左へ流していますが、逆方向から流せばブリッジの発生確率は減少し、フィレットは形成しますが、写真dに示したようにフィレットのはんだ量が減少して割れの原因にもなります。 外観では分かりにくいのですが、断面図で検討した場合、クリンチしたりードが基板面から離れていると、図aに示したようには部品を支える箇所のはんだ量が少なくなり、使用環境の振動、ピートサイクルなどにより割れに敏感となります。           クリンチの時の力が強すぎると、はんだバスには入ってからの熱衝撃で、クリンチ下の導体破断が起きることがあるので、十分検討した上でクリンチ時の力を決定すべきです

カテゴリー: ディップはんだ付け編Q11-15 | コメントをどうぞ

Q14 部品に限定して穴あきが起きています。どのような原因でしょうか?

1.観察のポイント ①写真aの3本のリードはいずれも先端にはんだが濡れていない。 ②穴あきの箇所を観察すると、片面基板であることが分かる。 ③穴あきの箇所を観察すると、リードの表面めっきが消失し地肌が露出し、しかも露出部はランドの面と高さがほぼ一一致している。 ④右端のフィレットでは、リードに対し矢印の半分で一一部はんだがはじいている。 ⑤そのためフィレット裾野が正常な曲線を描いていない。 ⑥ピントはずれているが、右上のフィレットは良好な裾野を描いている。 ⑦穴あきの筒所はランド穴がリードと比較して極端に大きいということはなく、ランド全面にはんだが良く濡れている。 以上のポイントが挙げられます。 さて、①については、同じ傾向ではんだが濡れていません。このことからリード側にはんだ付け不良を起こす要因があったものと推定できます。 ②について、片面基板では一般には金型プレスで打ち抜いてランド穴をあけます。加工精度が落ちてくると、穴の内面はザクザクとなり、吸湿しやすくなります。 ③に付いて、リードは表面にめっきがかかっています。これには溶融はんだめっきと電気めっきとがあります。前者の場合、噴流はんだ付けではじいたとしても、はんだの色をしていなければなりません。本写真では地肌が見えているので、後者の電気めっきだったことが分かります。 ④について、程度の差はあっでも、リードのめっき状態が悪かったと推定できます。 ⑥について、右上のフィレットが良好であることから、使用したポストフラックは良好であったと推定できます。はんだ、フラックス、温度プロファイルなどは良好と言えるようです、 ⑦について、基板のランドも正常と言えます。 2.発生のメカニズム 当該部品のリードはリン青銅で、これに下地銅めっきの錫系合金めっき(この項では以降すずめっき)がかけられていたいたものと推定できます。すずめっきの密着性が悪く、しかも、密着不良部のリン青銅の表面は銅の色はしていても、すでに変色してはんだとの濡れ性が悪い状態にありました。 アッセンブリにフラックスが塗布され、予熱ゾーンを経てはんだバスに侵入すると、溶融はんだ中で密着不良部からガスが発生します。このガスが溶融はんだ中でフラックスをリード部から離脱させ、すずめっきもリードから離脱しました。密着不良部は高さ的にランド面と同じレベルにあるので、はんだはリードに濡れることなく噴流はんだ付けは完了しました。 めっきの密着不良の例として写真b、c、dに示します。これはハイブリッドICの樹脂部を外したもので、写真bはセラミック基板側でリン青銅の地肌が露出し、写真cは樹脂側にめっきが剥がれた面を見せています。めっき不良の場合、写真c、dに示したように、はんだ付け時に簡単に剥れることがあります。これもめっき不良によるはんだ事故例です。部品は基仮に自動挿入されるので、実装ラインで気付くのは大変難しい状況にあります。 3.対 策 まず、未使用の部品に対してはんだウオッシャーを実施し、はんだ不濡れがあるかどうかの確認をとります。不濡れが確認できたら、部品メーカーに現物と写真を提示して改善させます。この場合、保管についての管理不備が指摘されることもあるので、日頃から部品の保管(保管環境と管理の記録)は徹底し、不備のないことを申し添えなければなりません。 不具合は数年後に発覚することがあるので、部品メーカーにあっても出荷製品の製造記録が必要になります。

カテゴリー: ディップはんだ付け編Q11-15 | コメントをどうぞ

Q13 基板上、場所が限定して穴あきが発生しています。どのように観察したらよいでしょうか?

ANSWER 1.観察のポイント ①ランドの全面が良く濡れている。 ②ランド穴径とリードの間隙は良好である。 ③時計の20分方向にリードとランドにブリッジが発生している。 ④同じ箇所に抵抗があり、③のブリッジの延長線上にこの抵抗のはんだ付け箇所が位置している。 ⑤フラックス残渣の量は多い。 ⑥左下に糸くずが存在している。 以上のポイントが挙げられます。 さて、①については、ランドの平面度は良好で、はんだの濡れの状態も良いことから、基板ランド面に穴あきの原因はありません。 ②について、ランド穴が大きすぎると穴あきの原因になりますが、本の穴あきの箇所はむしろ良好と言えます。 ③について、これは重要な観察ポイントになります。 ④について、これも重要な観察ポイントとなります。前項の③との関係から、基板の流した方向は本写真の上から下になります。 ⑤について、フラックス残渣の量が多いことは、はんだの切れが大変良いことになります。 ⑥について、このゴミははんだ付け後に付着したものです。噴流はんだ槽の周辺の整理、整頓、清掃の基本管理にかけていることが想定できます。このようなことから、実装関係者の「はんだ付けの重要性」に対する認識が薄い、と判断される根拠となります。 観察のポイントに対しては以上になります。ここで穴あきの因子として、リードの表面状態が問題となります。本写真ではリード表面の状態は全く分かりません。ここで注意して検討すると、解析依頼のコメントとして、「場所が限定している」と言われている点です。このコメントは結論として、リードの表面状態は良好であったことを証明するものです。 それは、はんだ付けされる部品は最低リードが2本あるからです。リードの表面状態が悪いのが原因であるならば、もう一方のリード側でも穴あきが起こります。 その場合、依頼者は「場所に限定して」と言わず、「部品に限定して」とコメントするはずです。 実際には「場所に限定して」というコメントなので、観察ポイントの検証結果からし「配置に問題がある」ということがはっきりしてきます。「配置に問題がある」点を改めて見直すと、「ランドと抵抗のはんだ付け部が接近しすぎている」ことが分かります。穴あきはこの「接近しすぎている」のが、原因となっています。 2.発生のメカニズム 固形分の多いフラックスが基仮面に供給され、噴流はんだ付け装置に入りました。温度プロファイル、はんだ槽など全て正常です。予熱ゾーンからはんだバスに侵入し、ここでもはんだ付けは正常に進行しています。 まず、写真の上に位置している抵抗がはんだバスから抜け出ました。本写真のランドの上半分まで正常な進行状況です。ランドの右側の基板面はフラットで広い面積があるので、抵抗があるランド右側と比較してはんだの流れは速くなります。そのためランド右側では溶融はんだは動きが鈍くなってとどまりやすくなっています。 全体的にフラックスが多いために、ランド左側からはんだの切れが始まります。先に述べた「溶融はんだの流れが速く」、しかも「切れが良い」ことにより、はんだの流れをランド面上時計の20分方向に変える働きをします。この方向とランドと抵抗との位置閉係が一致しているので、時計の20分方向のはんだの流れは、抵抗のはんだ付け部に一層引き寄せられるようになります。引き寄せられながらはんだは移動しますが、多いフラックス分よってさらに切れが良くなり、これがランド上のはんだの流れを加速します。 このようにして抵抗の電極部にはんだが引き寄せられるようになりますが、この後、はんだバスから流れ落ちるはんだに引き寄せられ、ランドのフィレットになるはずのはんだは、はんだバスの中に流れ落ちてしまい穴あきになってしまいました。 3.対 策 基本的には回路設計のミスが原因しているので、部品のレイアウトを変更しない限り皆無にはなりません。 現状では次の点を検討します。 ①基板の流す方向を変える。 ②フラックスの塗布量、固形分を少なくする。 ③二次噴流の落とすスピードを変える。 ④回路設計者にフィードバックし、次同設計に役立てる。 残渣が多いことは、過去に部品或いは基板のはんだ付け部に欠陥があり、固形分の多いフラックスで解決したことが予想されます。

カテゴリー: ディップはんだ付け編Q11-15 | コメントをどうぞ

Q12 なぜ、この基板にだけ穴あきが多発したのでしょうか?

1.観察のポイント ①リードの大きさからしてランド穴が特に大きいということはない(写真a)。 ②クリンチしたりードの背はフラックスの効果が薄れて滑らかな肌はしていない。 ③矢印1の箇所はグリーンの色をしているが、これはこの部分のフィレットにレジストの色が反  射して写っているが、このはんだ表面は滑らかになっている。 ④ランド面にははんだが良好に濡れている。 ⑤矢印2の箇所はランドが突起してランド全体がめくれている。 2.発生のメカニズム 片面基板ではんだ付け前にすでにランドは現在の状態にめくれていました。参考として写真bに片面基板の金型打ち抜いた時のランドを示します。基板を金型で打ち抜く場合、打ち抜き頻度が多くなるとポンチが摩耗します。これは打ち抜き性が低下してほとんどのランド穴で写真cに示すめくれがが生じます。   この状態になると、打ち抜かれた穴の内壁は基板樹脂がザクザクの状態になっています。したがって、この基板の内壁は保管中に水分を吸着し、はんだ付け工程でさらにフラックスが塗布されるので、基板がはんだバスに入るとガスを多量に発生して、穴あきの原因の1つになります。 また、このようにランドがめくれていると、突起の状態になるので、はんだバスの中ではんだの流れは図aに示したように、ランドから遠ざかるように流れます。すなわち、内壁から発生するガスと溶融はんだの流れが変わることにより、穴あきが加速されます。 このランドのめくれは注意すると、肉眼でも気付くので容易に良否が判断できます。しかし、はんだレベラーがかかって、はんだがランドの表面にコートされていると、ランドのめくれが確認できにくくなります。写真cにははんだレペラーのランドを示しますが、凹凸は分かりにくくなっています。光源の角度を変化させて観察すると、ランドの穴の外周部でめくれているのが分かります。 溶融はんだ中ではこの突起部の銅の溶け込みが早く、基板ランドは銅で汚染されたはんだがコートされることになり、はんだ付け不良またははんだはじきの原因になります。 実体顕微鏡で観察すると、めくれ箇所は凸状になっているため、高さ調整で研磨した時に露出し銅の色が写真dで観察できます。 3.対 策 さっそく基板メーカーに改善してもらいます。金型のポンチの再研磨は基板メーカーが実施するのはまれで、普通金型屋さんが行います。基板メーカーはショツト数(打ち抜き枚数)と再研磨の関係を徹底させなければなりません。

カテゴリー: ディップはんだ付け編Q11-15 | コメントをどうぞ

Q11 基板上のゴミ或いは噴流はんだ槽の異物がはんだ付け性に及ぼす影響を教えてください。

  ANSWER 1.観察のポイント はんだ付け時に存在するゴミの類は千差万物です。比較的多いのは次の通りです。 ①基板の樹脂粉(ガラス繊維、樹脂破片) ②繊維クズ。(手袋、衣類、帽子、ウエス) ③紙の繊維。(ティッシュペーパー、書類、段ボール、) ④毛(筆、毛髪) ⑤高温はんだでリードにはんだ上げした時に付着した酸化物。 ⑥被覆線の被覆材 写真aに示したようにはんだ付け時にリードに異物が引っかかって穴あきの原因になります。これは筆の毛ですが、この毛がリードから離脱していれば原因不明の穴あきになります。 緊急の電話が入って解析したのが写真bのリード抜けです。写真cに示したように手袋の繊維がリードに絡んではんだ付け不良になったものです。このように1本の繊維クズではんだ付け不良になる場合もありますが、写真dに示したようにフィレットに閉じこめられる場合があります。 写真eは、噴流はんだ槽で発生したドロスが固化したものが、リードに引っかかってフィレットの外観不良となっています。このドロスがさらに大きい場合は穴あきとなります。 2.生産性と信頼性に及ぼす影響 このように基板或いは部品に付着していたゴミの類、或いははんだバスに存在していた固形のゴミは初期はんだ付け不良となります。 フィレットの表面に付着しているだけでは、強度に対する不安はありませんが、フィレットの内部にも介在している場合は、はんだ割れの危険性をはらんでぃます。 3.対 策 基板表面にドロスの存在が確認でき、フィレットに小さな穴あきがあった場合は、スルーホールの内部にもドロスが残留してることもあるので、修正は噴流はんだのフィレットを溶融して吸い取り、異物を除去してから修正はんだ付けを行います。このように繊維クズの付着があった場合は、全て修正の対象となります。 写真fは、フッ素系活性剤のやに入りはんだの電圧印加耐湿性試験を実施した時、繊維クズで発生したマイグレーションです。 繊維には、化繊、植物繊維、羊毛などがありますが、植物性の繊維クズがパターン問にまたがっていた場合、絶縁不良の原因にもなります。それは植物繊維は全て水の通り道だからです。 外観では繊維クズが化繊なのか植物性なのかの判断はできません。判断できないものであれば日常の作業でゴミ撲滅を実施しなければなりません。少なくともゴミのレベルまで視野を広げて、整理、整頓、清掃の徹底が望まれます。噴流はんだ付けラインの清掃は汚れが確認された時点で実施します。 もちろん、コンベアが動いている時はゴミ、はんだクズ等があってはなりません。 参考までに、写真fの白色物質ははんだの腐食生成物です。

カテゴリー: ディップはんだ付け編Q11-15 | コメントをどうぞ

Q10 チップ脇のはんだボールは、どのような悪さがあるのでしょうか?

ANSWER 1.観察のポイント 写真aは、チップ固定ボンドから発生したはんだボールを示します。チップの大きさと比較すると、大変小さいことが分かります。写真bは、ボンドから離れた位置に飛散したはんだボールを示します。 写真cは飛散したボールによって未はんだ部で濡れた写真です。写真dはこの写真の部分拡大ですが、はんだボールが発生した箇所を示します。 2.発生のメカニズム チップ固定のボンドの溶剤が予熱が終了しても残留したままはんだバスに侵入します。この時アッセンブリから多量のガスが発生し、当該パッド部はガスによりドーム状になっています。ボンドから発生したガスははんだを微細にはじけさせ、これがボールとなってドームの空洞部に侵入します。この空洞部の上面にはポストフラックスが基板面についているので、ここにはんだボールが付着し、空洞のままはんだバスから基板が離脱して、はんだ付け完了後の基板のレジスド面にボールとして存在することになります。 写真cの場合ははんだボールがレジストではなく、パッドに付着したものです。ここで濡れているということは、パッドの表面温度がはんだ付け温度に達していたことを証明するものです。したがって、この未はんだ部は熱不足が原因ではないことを裏付けるものです。このように発想を変えるとパッドのはんだの斑点は温度センサーの役割があるということに気付きます。 3.予想される不具合 チップ脇にこのようなはんだボールが発生するということは、ボンド中に溶剤が液体として残留していることになります。 市場の使用環境で温度サイクルを拾うと、溶剤は簡単にボンドから蒸発しない場合があり、これが液体~気体、気体~夜体を繰り返すごとになります。図aはこの状態を示します。この時の状態変化は体積変化となって、膨張収縮を繰り返しチップ電極部からはんだ割れを起こす原因になります。 チップ脇のはんだボールが確認できた場合、チップ部品の電極部が酸化されて、はんだの濡れ性が劣っている場合は、はんだ付け界面が不十分な接合になっているので、はんだ割れに影響が出やすく、要注意となります。 4.対策 はんだボール対策としては、チップ固定ボンドの硬化条件を見直します。また、基板のガス抜き穴を増やして、はんだバス中でガスが発生して部品間でドーム化(ガスによる空洞化)が起きないようにすることも大切です。    

カテゴリー: ディップはんだ付け編Q6-10 | コメントをどうぞ