カテゴリー別アーカイブ: リフロー半田付け編Q11~

Q14 QFPのリードでブリッジはどのようなメカニズムで起こるのでしょうか。

1.1 オーバー加熱が原因の場合 マウント後アッセンブリがリフロー炉に入ると、QFPのはんだ付け箇所では図aに示したように、リードでは先端から温度が上昇します。はんだはリードの先端から順次パッケージ側に向かって溶融が進行し、ここにはんだに流れが生じます。 この流れの中でフィレットが正常に形成される時があります。この時、加熱が終了すればブリッジの発生は起きません。正常にフィレットが形成された後も、加熱を続行すると溶融はんだの流れは止まりません。金めっきリードあるいははんだめっきリードのように、はんだの濡れの良い金属に起こる現象ですが、この流れはあたかも木が根から水分を吸い上げるように、一度形成されたフィレット部に存在する溶融はんだを吸い上げます。この結果、溶融はんだ部は体積を増して膨れ、やがて隣のリードの膨れた溶融はんだと接触してブリッジとなります。 これがオーバー加熱によるブリッジ発生のメカニズムになります。観察のポイントはリフローソルダリング後フィレットを観察した時に、ブリッジしていないリードの先端と比較して、フィレットのはんだ量が少ないのが特徴になります。酸化物の除去性に優れ、濡れ性の良いフラックスに起きやすくなります。   1.2 印刷ミス、マウントミス、予熱のダレが原因のブリッジ クリームはんだが溶融する前の固体の状態でリード間でショートすれば温度プロファイルが適正であってもブリッジします。予熱のダレはクリーム自体の性質と印刷時の吸湿などが原因となります。 フラックス含有量が少なくなると、比重差(フラックス:はんだ=1:8.4)ではんだの絶対量が増え、ブリッジしやすくなります。 (完) ■以上で廃版となった「カラー図解マイクロソルダリング不良解析Q&A」の内容全てとなります。 現在日刊工業新聞社から販売されております「マイクロソルダリング不良解析」は好評発売中です。アマゾンからの購入や弊社HPからもお問合せいただければ購入は可能ですのでご検討いただければ幸いです。  

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Q13 チップ立ちはどのようにして起こるのでしょうか?

1.観察のポイント チップ立ちはマンハッタンあるいはツームストンと呼ばれるはんだ付け不良です。寝ている物が立つのですから、当然そこには力が作用します。部品浮きの延長線上にあるはんだ付け不良です。 1.1 作用する力 ①チップの自重。 ②印刷したクリームはんだが溶融すると1/2の高さになる時の落差。 ③電極とパッド間で濡れる力。 ④フラックスから発生するガスによる浮力。 ⑤フラックスの浮力。 1.2 加速する因子 ①パッドの温度上昇による時間差。(回路設計に起因) ②チップ部品の形状。 ③アッセンブリ搬送コンペアの振動。 ①リフロー炉内の気流の上昇。 ⑤温度プロファィル。 ⑦チップ部品の下の基板面の凸部。 ②チップ部品の下の基板の穴。 ⑤合金成分   2.原因と発生のメカニズム 図aの状態にチップがマウントされてリフロー炉に入ります。リフロー炉の熱源から均一な熱がアッセンブリに与えられますが、回路設計でAのパッドがBのパッドより先に温度上昇したものとします。 アッセンブリでは、基板より部品が先に温度が上がります。小さい部品ほど温度が早く上がります。チップ部品では上部がチップの下側より先に温度が上がります。 チップ部品の電極部では温度が高くなると、そこに接しているクリームはんだ中のフラックスが温度上昇し、その部分のフラックスの粘性は小さくなって流れやすくなります。液体は粘性の大きい方から小さい方に流れる性質があるので、温度の高い側である電極の上部に向かってフラックスは上がって行きます。 さらに、高温側にアッセンブリが移動すると、はんだはパッドに印刷された外側から溶融を開始します。溶融が始まると、印刷したクリームはんだの高さは1/2になり、ここでチップは、1/2の落差が生じ傾きます。同時に電極で濡れが開始されるので、パッド側は溶融はんだを引きつける作用が包ります。 このようにしてチップはAのパッドにずれ込みます。この時パッドBのクリームはんだ溶け出しますが、チップAのパッドにずれこんだために、Bのパッド側の電極は浮いた状態になっているので、溶融はんだは電極に接しません。 しかし、AB両パッド部のクリームはんだから流れ出たフラックスは2倍の量となって、チップの底面から浮きがらせる力として作用します。すなわち、傾きながらずれ込んだ時に、2倍の量のフラックスが下から突き上げてチップは立つ訳です。 以上の過程は時間を広げて説明しましたが、実際は短時間で完了します。実装ラインではいろいろな力が作用します。 わずかな力であっても、チップが小さくなるほど自重は軽くなるので、相対的に大きな力が作用したことになります。   3.対策 ガスが発生すればチップ立ちを加速します。温度プロファイルで急激な立ち上げをすると、クリームはんだが溶けるスピードが早くなります。早くなるほど力は速度に比例して大きくなるので、チップ立ちを加速することになります。 したがって、ピーク温度に突入する時に急激に加熱するのは禁物です。ゆっくりだらだら加熱する方がチップ立ちを防止します。このだらだら加熱する現象をはんだ側に機能させたのがBi入りのはんだです。これは凝固溶融範囲があるのでだらだら溶けることにより、完全溶融まではむしろ半溶融の状態になり、パッドに電板蔀を引きつける力が弱まります。それによりチップ立ちを押さえることになります。 要するに、A、Bいずれのパッドも同時に濡れて、同時にはんだが溶け終わればチップ立ちは起きません。 逆に図中B側の濡れ性を改善させれば効果的で、それには合金として喰い付きの良い銀入りはんだはチップ立ちに効果があります。 チップ立ちを防止する上で1つひとつの加速因子の作用を認識しなければなりませんが、これらの加速因子はA、Bいずれかのパッドのクリームはんだの溶融開始と溶融終了(あるいは濡れ開始と濡れ終了)のわずかな時間に攻めてくることは事実です。 多くの実装ラインでは使用しているマシンの癖は知っていないようです。マウンターの振動は結構強く、その振動を拾ってリフロー炉が振動していることもあります。リフロー炉が振動していると、部品のズレは顕著に出ることがあります。 コンベアを駆動するモータのベアリングの摩耗が原因で振動し、それが部品ズレのはんだ付け不良に至った事例があります。 コンペアが振動してアッセンブリがずれるか否かを調べるには、金属製の板に基板を起き、基板の四隅に印しを付けてリフロー炉に流します。基板がずれていればコンペアが振動していることになります。 次にティッシュペーパーを細く切ったものを基板に貼り、リフロー炉に流します。リフロー炉の出口から観察すると、ティッシュペーパーが激しく舞い上がる箇所があります。その位置が温度プロファイルのピーク温度領域ですと、クリームはんだが溶融しているゾーンになっているので、チップ立ちの危険性があります。 このようにしてチップ立ちにかかわる力の原因を解決しておくようにします。

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Q12 QFPの2箇所のリードが浮いてしまいます。もう一度リフロー炉を通すとなぜ直るのでしょうか?

QFPのリードとチップの両電極が図aに示したように配線されています。リフロー炉に入ると、チップはQFPより先に温度が上がります。したがって、この熱は導体を通ってQFPのリードのパッド部に供給する形を取るので、他のどのリードより先にクリームはんだは溶けます。そして、他のリードが溶ける時は、溶融はんだはパツドを広がるので、溶融はんだの高さは低くなります。 一方、他のリードはクリームはんだが溶融すると、広がるゆとりもなく凝固の体勢に入ります。この場合は溶融はんだの高さは、チップから熱供給を受けたパッドよりは当然高くなります。 では、なぜ2つのリードだけ浮くことになるのでしょうか。 それは表面実装のはんだ付け部では、パッドの上に溶融はんだがあって、凝固するまでの間は例えQFPであっても、舟のように実は浮かんでいるのです。浮かんでいる波の高さが違うのです。 ところが、凝固後再加熱をすると、その他大勢のはんだ付け部では、パッドを溶融はんだが広がることにより、その分フィレットの高さが低くなり、その上に浮いていたQFPは下がります。よって最初の加熱でリードが浮いていた所でも、QFPの高さが下がったことにより接触して濡れ、正常にフィレットが形成されます。 〈参考〉セルフアライメント効果 この効果は溶融はんだがパッドの上面で表面積を最小にしようとする力が働き、溶融はんだ自体移動するのです。 その上を部品が浮かんで波まかせということでしょうか、引きずられるのです。部品があっち向いたり、こっち向いたりするのは、先に濡れた所が舵取りをしているからです

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Q11 不具合ではありませんが、チップ部品が浮いたのはなぜでしょうか?

1.観察のポイント ①写真aで示したようにチップは右側にずれている。 ②チップの下の基板面にはシルク印刷がされている。 ③全体的にフィレットのはんだ量は少ない。 ④電極の表面は酸化されている。 ⑤写真bに示したように右側のパッドにつながる回路には、チップコンデンサとチップ抵抗が近距離で接続されている。 ⑥反対のパッドでは、少し離れてチップコンデンサが接続され、さらに導体は伸びている。 ⑦同パッド部の導体はさらに下に回路が走っている。 2.原因と発生のメカニズム チップ部品が右側にずれていることは、この場合、右側のパッドが先に温度が上昇し、先にクリームはんだが溶融したことになります。リフロー炉に入ると基板より先にチップ部品が温度が上がります。したがって、右側のパッドはチップコンデンサと抵抗から導体を通じて熱の供給を受けるようになります。これに対し、左側のパッドでは導体の長さが右のパッドより長く、しかも、さらにその下を導体が走っている関係で、むしろパッドの熱は奪われる状態にあります。この関係から右側のパッドのクリームはんだが先に溶融するようになりました。 ここで気になるのがチップの下のシルク印刷です。基板のパッド面を基準にとると、レジスト面はパッド表面より高く、その高いレジストに印刷されているので、引き寄せられると反対側は浮きやすくなります。当該チップが多少浮いているのはシルク印刷の影響はあります。 次にチップかすれている現象については、溶けている箇所に引き寄せられる点を考慮すると、チップ全体では右側にずれ、右側のパッドでは本写真では下側、すなわち手前が最も早く溶けた位置と解釈できます。 フィレットのはんだ量が少ないことは、印刷量が少ないことになります。少ないほど周辺の熱形響か出やすくなるので、回路的に温度上昇に差が生じる場合は、セルフアライメントの効果が出やすくなるはずです。 3.対策 ①チップを取り外して、フラックス及びはんだを取り除き、新しいチップをはんだ付けします。 ②コンベアスピードを遅くして条件出しをします。 ③クリームはんだの量を増やすことで条件出しをします。 ④パッド間距離が広すぎます。セルフアライメントで最大ずれても、電極部がパッドに充分載っ ているようにします。 〈参考〉小さな穴が部品を浮かす 部品の浮きは第一に力が関与しています。その力は些細なものでも、タイミングが合うとまるで倍の効果を出すことがあります。今回の解析内容もこんなに小さな箇所で温度差が生じることは信じられないかもしれません。しかし、チップ部品が小さくなれば、さらに些細な現象が不具合の全体を支配することになります。 写真cはパッド間に小さな穴があいています。この穴は裏面でレジストでクローズになっています。 リフロー炉の中でここに吸湿していた水分が蒸発して、チップ浮きの原因になったものです。吸湿で あっても汚れがあれば、蒸発は高温側にずれ込みます。水は100℃で蒸発します。だから100℃を通過すれば存在しないと思いがちですが、汚れは蒸発温度を高くする点を認識すれば、例え微小な穴であってもあなどれません。  

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