カテゴリー別アーカイブ: 基板編Q1-3

Q3 基板の機械加工に欠陥があった場合、どのような不具合の原因になるのでしょうか?

1.観察のポイント 基板の機械加工で不具合として問題になるのが、ドリルによる穴あけ加工と金型プレスによる打ち抜き加工の精度です。いずれの場合も実体顕微鏡などによる穴の内壁の観察で、基板の良否の状態を把握することができます。 2.発生と原因 2.1  ドリルによる穴あけ加工 穴あけ後、両面スルーホール基板では無電解の銅めっきがかかります。写真aに示したようにドリルの刃が摩耗していると切れ味が劣り、めっき後は穴の内壁が凹凸になってガラス繊維がばらけます。 このような中にめっき液が浸透しますと、はんだ付け後浸透しためっき液で写真bに示したような腐食が発生します。 拡大した写真cではめっき夜の残留による腐食の激しさが分かります。 この断面の状態を写真dに示しますが、ばらけたガラス繊維の中に浸透しためっき液で、1本のガラス繊維の表面に銅がめっきされているのが分かります。 写真dの無電解銅めっきの厚さと写真bを比較すると分かりますが、写真dのスルーホール内はめっき厚が均一になっているので不具合にはならないでしょう。 2.2 金型プレス加工 せん断加工による破断切り口を図aに示します。 基板も同様の形態をとります。金型プレスで打ち抜いた場合、一見切断面は綺麗な状態と思いがちですが、実際には写真e、fのように切断面付近は著しい破壊跡が観察できます。     一般に間隙部は吸湿しやすく、乾燥しにくい箇所でもあるのて、吸湿により絶縁不良の原因にもなります。それだけに基板の良否は穴の観察が最優先になります。 写真gは、実体顕微鏡で普通に撮影したものです。なんの変哲もない穴ですが、光源を基板の下にして観察すると、写真hに示したクラックが観察できます。 このクラックは、レジストで発生しています。 穴あけによって発生したクラックが、仮に別々の導体に達していれば、穴を介して2つの導体間でリーク現象が起きることが考えられます。過去に恐らく、このようなクラックが原因の絶縁不良の事故は、あったものと推定します。このような現象を認識していませんと、原因不明で片づけられてしまいます。

カテゴリー: 基板編Q1-3 | コメントをどうぞ

Q2 基板の表面処理に欠陥があった場合、どのような不具合の原因になるのでしょう?

A 1.観察のポイント 基板の信頼性は機械加工の精度とイオン物質の残留が重要な因子になっています。イオン物質はエッチング後の洗浄不足及びめっき処理後の洗浄不足にり、基板のパッド面、レジストの下の素材面、スルーホール或いはバイアホールの中に存在します。金めっきの場合、イオン物質は下地のニッケルめっきの界面にも残留します。 基板の製造では洗浄作業が重要な工程になります.スルーホール或いはバイアホールのような箇所は特に洗浄性が悪い箇所になります。これらの穴の内部は新鮮な水が通過して初めて洗浄ができます。 確実に洗浄水を通過させることはかなりの技術が要求されます。 2.発生と原因 2.1.エッチング液の残留 写真aの左側はエッチンダ後の洗浄不足で銅の変色した基板を示します。これを5%の硝酸溶液で超音波洗浄を行ったものが右側の基板になります。エッチング~洗浄~乾燥の工程後、そのまま10日位放置すると変色として目に付くようになります。ところが、乾使後はプリフラックスがコートされ、防湿効果でイオン物質が残留していても変色として確認できなくなります。これが実装ラインでリフローした場合、1回目の加熱で頑固な化合物となって、2回目のリフローで不濡江の主な原因になります。エッチンダ液として塩化第二鉄を使用した場合、残留した塩化第二鉄は酸化して酸化鉄となり、これがはんだ付け不良の原因とされています。 エッチング液として塩化第二銅を使用した場合は、残留してもはんだ付け不良にはなりません。それはステンレスのはんだ付け用フラックスの原料として塩化第二銅が使用されているからです。はんだ付け性は問題ありませんが、絶縁不良の事故は多々あります。 2.2 めっき液の残留 めっきとはめっき液の中で金属が析出する現象です。したがって、微視的にはめっき金属が析出する過程でめっき液を取り込むことはさけられません。写真Cはゴミの上にめっきされたものです。不具合として持ち込まれた中でめっきのトラブルで特に多いのは金めっきです。金属の中でもとりわけ金は抜群の耐食性があるので、少々めっき液が残留しても腐食としてめっき表面に現われません。それだけに洗浄がおろそかになるようです。金めっきの洗浄不足を起こす工場は、洗浄に対する認識に欠けているためか、前工程のニッケルめっきでも同じように洗浄不足を起こしている場合があります。 それがはんだ付け時の剥がれとして事故に発展します。 金めっきのパッドにはんだ付けした時に、簡単に剥がれることがある場合は、洗浄不足か密着不良のいずれかです。剥離面は麦藁色、褐色、紫などさ様々な色をしています。写真d、eは剥離の状態を示したものですが、ニッケル面の変色が著しいことが分かります。 これを約1000倍に拡大したのが、写真fになります。化学的に腐食していることが分がります。EPMAで元素分析をすると、図a、bで示したようにP(リン)とCo(コバルト)が検出されています。                                     金めっき基板では基板の銅箔の上に無電解銅めっき、ニッケルめっき、金めっきの順に3回めっきされます。過去に銅箔と無電解銅めっき、銅めっきとニッケルめっき、ニッケルめっきと金めっきのそれぞれの界面で剥離する不具合を経験しています。 これらのめっき液がスルーホール或いはバイアホール内に残留したのが原因で腐食を起こした事例もあります。 事故が発生した場合、クリームはんだ或いはやに入りはんだのフラックスのバラツキと誤解されることも珍しくありません。 今後、高密度でさらに穴の距離が狭くなります。写真g、hに示したように穴が近接していると、 基板内に浸透したエッチング液或いはめっき液などが使用環境の温度変化で膨張収縮し、亀裂が2つのスルーホール間で発生し、やがて貫通して絶縁不良の事故に発展することもあります。 不具合の事例で最も多いのは基板の穴あけ加工が悪く、洗浄不足が重なった場合です。はんだ付け技術の重要性を認識していないメーカーの基板に多いのが特徴です。大手のメーカーであっても油断して事故を出すことはけして珍しくありません。それだけ基板の製造は大変難しいと言っても過言ではないのです。 こうことは実装現場においても、基板メーカー同様その重要性を認識しておかなければならないことになります。

カテゴリー: 基板編Q1-3 | コメントをどうぞ

Q1 基板樹脂の成分のバラツキがあった場合、どのような不具合になるのでしょうか?

ANSWER 1.観察のポイント 実装現場の立場から基板が原因の不具合を大別すると次の3項目に分類できます。 ①樹脂の組成のバラツキ ②基板の機械加工(ドリル加工、金型プレスによる打ち抜き加工) ③表面処理後の洗浄不足(エッチング、めっき) 実装現場では、プリント回路基板の樹脂分の組成が原因の不具合を事前に感知することはほとんど不可能な状態です。一般的な銅積層基板の欠陥には、基板の樹脂内部の組成のバラツキ、脱泡不備による気泡の残留、銅箔を素材樹脂板に張り合わせる時のエアーの巻き込み、異物の巻き込みなどがあります。   2.発生と原因 写真aは、パターン間隙が0.2mmのガラスエポキシくし形基板を電圧印加耐湿性試験を実施した時のマイグレーションです(条件は60℃、95%RH、DC50V、1000Hr)。 拡大写真を写真bに示します。また、CuKα像(銅の面分析)を写真cに示します。写真dはマイグレーションの断面を撮影したものです。この箇所の銅の面分析の結果を写真eに示します。くし形基板のパターン間隙で成長したマイグレーションの銅が明瞭に確認できます。 写真fはBr(臭素)の分布を観察したものですが、高濃度のBrがマイグレーションの下で確認できます。マイグレーションの発生がなかった筒所の断面のCuKα像を写真gに示しますが、銅箔の断面がよく分かります。 これに対して同じ箇所の臭素の面分析を写真hに示しましたが、高濃度のBrが基板内部に存在していることが分かります。この臭素の化合物が難燃材として基板のエポキシ樹脂に添加されたものです。均一にミキシングされなかったためにマイグレーションの発生の原因になりました。  

カテゴリー: 基板編Q1-3 | コメントをどうぞ