Monthly Archives: 11月 2013

Q1 はんだ付け後、基板面にカスが付着しています。原因と影響を教えて下さい

■ここからはディップはんだ付け編となります。 ANSWER 噴流はんだ付け後の基板表面を観察すると、はんだ以外の物質が付着しているのに気付きます。発生源は次の通りです。 ①基板表面に存在していた異物、はんだレベラーに多い。 ②部品のリードの酸化及びリードに付着していた物質。 ③はんだバスで発生した酸化物。 カスの付着の位置での見分け方。 ①の場合はフィレット脇の基板表面と一部フィレットに存在。 ②の場合はフィレット表面と一部フィレット脇の基板表面に存在。 ③の場合は基板表面の不確定な位置に存在。 1.観察のポイントと発生のメカニズム 写真aにはんだ付け前の基板表面の異物の付着の状態を示します。目視でも注意して見れば判別できます。これを噴流はんだ付けしたのが写真bになります。写真a位置と比較して、カスはほとんど移動していません。写真bでは部品リードの酸化により、はんだがはじいているのが確認できます。はんだ付け前の基板ランドの表面にカスが存在していたものをはんだ付けしますと、写真Cの状態になります。この写真ではカスの部分で不濡れが生じ、はんだボールが残留しています。 一般にはんだ付け部に汚れが存在すると、基板がはんだバスに入った時に、汚れの箇所から激しくガスが発生します。その箇所にはポストフラックス、カス、ガスの三者が存在し、フラックス分とカスとにより粘性が高くなり、はんだの流れが停滞するので、本来はんだバスに戻るべきはんだが、この箇所にひっかかり、ボールとして残留します。 写真cではこのフィレットに限定しているので、基板ランド表面に欠陥があったと判断できますが、はんだバスの管理が悪く、はんだバス表面に酸化物が大量に存在し、はんだバス内を酸化物が循環しているような場合は、cに似た形態の付着物を確認することがあります。     写真dは、はんだバスの管理が悪くて発生したものです。突発的に発生することがあります。部品のリードのはんだめっきが酸化されている場合は写真eのようになります。はんだ付け前のリ一ドの酸化が著しいことが分かります。両面基板だと、スルーホール内にこのカスがひっかかり、はんだ付け不良こなることがあります。 写真fはリード線に付着していた異物です。 写真gはリード線に付着していたコーティング材が、はんだ付け後フィレットに付着したものです。このような付着の仕方は、噴流はんだ付けより静止はんだバスの方が顕著に出るので、静止はんだバスで実装されている場合は、部品、基板、はんだバスの管理を徹底しなければなりません。   2.対 策 受入れ検査を徹底し、どのような表面状態になっでいるがを認識します。その結果によっではメーカーに改善をお願いします。そのためにも、社内の保管を徹底し、リードの信頼性を確保することが大切です。 なお、リードの変色(酸化などが原因)とはんだ付け性との関係をはんだウオッシヤー法で確認するとともに、拡大写真をとり限度見本を作成します。 この限度見本は、部品メーカーに対しできちんと対応できるようにするためと、作業者へのはんた付け性の持つ重要性を認識させるために必要です。 2.1 事前に行うリードのはんだ付け性の確認方法(はんだウオッシヤー法) アッセンブリのはんだ付けに使用する部品は、事前にはんだ付け性を確認しでおくことが生産性及び信頼性の面がらも大切になります。必要な装置として、①実体顕微鏡、②はんだポットとポストフラックス(噴流はんだ装置があれば使用)…噴流はんだ付けで使用する部品が対象、③IPA(プラックス残渣の洗浄用)、変色したりードにフラックスを塗布しで、ディップはんだ付けを行います、判断基準を写真hに示します。 2.2 限度見本の作成とはんだ付け作業者に知識の充実 はんだウオッシャー後、はんだでリード表面が濡れない箇所がある場合は、メーカーに改善要求をしなければなりませんので、はんだウオッシヤーしたものしないものについて、写真で記録を取る必要があります。これは現場のはんだ付け作業者に認識してもらわねばなりませんので、限度見本の写真の作成と、教育のために使用します。作業者に理解しでもらうには、次の事柄を説明します。 ①なぜこのような状態になったのが。②悪い状態のリードを使用する事によりどのようなはんだ付け不良が発生するのが。③修正でどれだけの手間暇がががるのが。④誤っで市場に出た場合どのような事故に発展するのか。

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はんだボール

写真は平成2年に購入したパソコンのマザーボードの修正はんだ付け部で発見したはんだボールです。使用環境によってはこのように8年経過した今日でも脱落していません。写真aはフラックス残渣がしっかりとはんだボールを固定していますが、写真bは基板の上にはんだボールが単に乗っているだけです。ちなみにハンディタイプのエアブローを使用しましたが飛びませんでした。

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Q18 クリンチしたはんだ付け部がモールド樹脂の中で導通不良になりました。何が原因となったのでしようか?

ANSWER 1.観察のポイント ①写真aに示したように、クリンチの付け根にはんだ割れが確認できる。 ②樹脂がリードの下で確認できる(写真a)。 ③フィレットは良好。 ④写真bに示したように、リードの表面状態は良好。 ⑤フィレットの状態も良好。 ⑥樹脂が存在している(基板上の部品は全数全体が樹脂の中に埋まっている)。 ⑦不具合品は全ピンで割れが発生(写真以外の情報)。 ⑧QFPは割れは発生していない(同上)。 2.原因と発生のメカニズム 当該不具合部品の手はんだ付けは大変良好です。部品リード部に欠陥はありません。スルーホールの状態の代表的な写真を写真cに示します。スルーホール内は外観で予想したとおりはんだ付け時の欠陥はなく良好です。 写真cの特徴はリード近辺に割れが発生していて、スルーホールの内壁の部分と比較すると結晶が大きく成長している点にあります。これは静荷重が作用した時に見られる結晶の粗大化現象です。 シリコン樹脂、エポキシ樹脂などでアッセンブリ全体を埋め込んだ(ポッティング)時に起きやすく、事例も比較的多い方です。ポッティングした樹脂が固まるときに収縮しますが、この時の力が部品を押さえ、その力がフィレット中のリードをずらします。はんだと接触しているリードの表面の摩擦熱が、はんだの組織を大きくします。 例えば、人差し指を反対の手で握ります。次に、強く握ったまま人差し指を抜こうとします。そうすると、人差し指の表面と手のひらの内側は次第に熱くなります。しがし、手の平は熱くなっても手の甲はけっして熱くなりません。フィレットに静荷重が作用した場合は、これと全く同じと考えることができます。 図aはポッティングした時の状態、図bはポッティング後硬化した状態を示します。仮に溶剤が 50%とした場合、斜線の部分の樹脂分が収縮して部品を押さえる力として作用します。 本件の場合、部品の下にも別の樹脂が付けられています。使用環境で温度サイクルがかかると、ここの樹脂により膨張収縮が起こります。さらにポッティング材の収縮の力も作用します。写真cに見られるように、膨張収縮の力で部品のリードが広がり、ポッティング材の収縮する力でリードが押し下げられてはんた割れにつながっています。 3.対策 ①ポッティングをコーティングに変更する。 ②部品を表面実装用とする。

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Q17 QFPの手はんだ付け及び修正での注意点を教えて下さい。

ANSWER 1.観察のポイシト QFP、SOPの流しはんだ付けはブリッジが多発しやすく、はんだ付けでは難しいクラスになります。 はんだ付け後の不良事故には、ポストフラックスを併用したために発生した絶縁不良があります。ポストフラックスを予め塗っておいてからはんだ付けを行うと、バックフィレットの形成も良く、はんだ付け不良は激減します。 反面、ポストフラックスの量を管理しないと、パッケージの下に入り込み、さらにリード間でまたがることがあると、IPAが残留して絶縁不良を招きます。 IPAの絶縁抵抗値は1×10の8乗Ωで、これはマイグレーションが発生する領域です。 IPAをガラス面に垂らして放置すると、液滴は広がりアルコール分が蒸発します。この時、気化熱がガラス板と直上の空気を冷やして結露します。これは肉眼でもはっきり観察できます。ポストフラックスとやに入りはんだのフラックスが混じると、活性剤の量は増加し、例えRMAのポストフラックスであっても残渣中のハロゲン含有量は増加することになります。 はんだ付け時はフラックスは高温となり、次に冷却が開始されると、吸湿しながら室温に戻ります。フィレットの表面にあったIPAは蒸発するが、蒸発は表面から起こるので、残留フラックスの表面は固形分の多い層になり、これがフラックス内部のIPAの蒸発を阻害してIPAと水分とが残留する状態になります。 この水分は徐々に活性剤を分解してイオン物質を作り始め、これが絶縁不良となって、時にはマイグレーションに発展することがあります。やに入りはんだのフラックスがRMAの特性であっても、ポストフラックス(RMA)の添加によりフラックス残渣がRAに化けてしまいます。はんだ付け後このような認識がないと、「無洗浄タイプのやに入りはんだとポストフラックスだから問題はない」と言う甘い考えになります。QFPが登場したころは事故が多発し、ポストフラックスの併用は少なくなりましたが、海外では併用していることがあります。 一般にRMAは無洗浄タイプ、RAは洗浄タイプです。 2.対策 2.1 後付け ①やむを得ず使用する場合は、ポストフラックスの塗布量と塗布位置を規定し、パッケージの下に廻らないようにする。筆ペンタイプで塗布すると量は安定する。 ②適したやに入りはんだを選定し、ポストフラックスは使用しない。 ポストフラックスを使用しない場合は、Cカットのコテを用いフラックス含有量が3%以上のやに入りはんだを採用します。はんだの供給量とこて先のクリーニングを管理することにより、0.25ピッチの流しはんだまでは可能です。普通、捨てランドを基板側に用意しますが、Cカット面が捨てランドの働きをして、余分なはんだを吸収してくれるので、ブリッジが発生しにくくなります。 2.2 ブリッジの修正 Cカットのコテの面をブリッジしている箇所に当てます。ブリッジのはんだが溶融するのを確認して、やに入りはんだをブリッジの上に差します。差し終かっとらすぐコテの面の後ろを上げて、ここに溶融はんだを呼び込みます(自然とこの空間に流れこみます)。そのままコテを抜くとCカット面にブリッジのはんだが吸い取られます。写真bのようなブリッジは右から1つずつブリッジを外します。

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Q16 黄銅のリードをスルーホールにはんだ付けしたのですが、なぜ導通不良を起こしたのでしょうか?

ANSWER 1.観察のポイント ①写真bの白色部ははんだの断面で、スルーホールの内壁には良くはんだが濡れている。 ②スルーホールの上万分け黒くなっており、黄銅のリード表面に濡れた形跡がある。 ③スルーホールの黒い部分には矢印の箇所にブローホールが確認できる。 ④スルーホールの中央下手分けはんだの表面が光沢がある。 ⑤スルーホールの中央上下を挟んで断層が確認できる。 ⑥フラックス残渣が確認できない。 2.原因と発生のメカニズム 黄銅は銅の約1/3の熱伝導率である点を注目すると、黄銅側の熱不足が十分理解できる状態の写真です。この写真bからも分かるように、黄銅側にはほとんどはんだが濡れていない状態です。 ここのはんだ付けではコテをランドとリードに当て、はんだを差しました。溶融はんだはスルーホールの銅の内壁を走るようにして流れています。ところが、黄銅に接した溶融はんだは熱を奪われて急激に温度を下げ、推定ですが黒色部の最下部は(写真bの断層部)、183℃にまで下がっているはずです。ここで溶融はんだは流れを停止し、はんだ付けが終わっています。 さらに加熱を続けていれば、写真の小さなブローホールが気泡としてブッブツと溶融フィレットから逃げ、次に写真中央部の断切部がブローホールになり、溶融しているフィレットから空気中に逃げているはずでしょう(写真b)。フラックスが存在しているとQ5の写真bの状態になります。 本写真ではフラックス残渣が確認できません。顕微鏡試料を研磨した後、超音波洗浄しますがこの時にフラックス残渣は除去されたためです。 3.対策 コテの容量を大きくして(20W→40W→60W)コテの温度降下を防止します。ワット数が小さいとコテの温度降下は避けられません。次に、コテはリードに優先的に当て少しはんだを供給します。熱不足ですと少量のはんだは固まります。熱不足かどうかのタイミングを計るために少量のはんだを差す訳です。はんだが固まらなければやに入りはんだを供給します。 最終的に部品側のリードにフィレットが形成されないと、スルーホールの内部では本不具合の写真断面の状態になってしまいます。フィレットの外観で判断する基準は図a、bに示したようになります。図aが良くて、図bが悪いのはこのような理由からです。この判断基準はやに入りはんだに限らず、すべてのはんだ付け作業に適用されます。 しかし、アッセンブリによっては、部品側のはんだ上がりが部品の下で観察できない場合があります。はんだ付けの良否が確認できないはんだ付け作業は、事前の調査で徹底的にはんだ付け条件を確立しておかなければなりません。 BGAのはんだ付けの評価は難しいとされていますが、BGAのはんだ付けが登場する以前から、見えない箇所のはんだ付けの実績はすでに行われていたのです。 図bの状態は熱不足のはかに、はんだ付け部の酸化、腐食、異物の付着でも発生します。そのつど幅広い観察で判断し、改善しなければなりません。

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Q15 社内ではんだ付け部で割れが発生し、原因が分からず現在も出ています。どのような方法で調査したらよいでしょうか?

ANSWER 1.観察のポイント 不良解析の中には独自に調査したにもかかわらず、原因が分からないで訪ねてくる場合があります。大変ご苦労されて解析調査を進められた様子が、レポートの厚さで分かるというものです。そして多くの場合、自ら調査した内容の説明から入ります。 ところがこちらとしては現物を見ていないので分かりません。誤った方向に打ち合わせが進む恐れがあり時間もムダになるのは言うまでもありません。不良解析は現物を観察することがすべてのスタートになります。 割れは簡単に考えれば隙間ができる現象、隙間を挟んで上が動いたか下が動いたか、あるいは右側が動いたか左側が動いたかのいずれかです、その力を探せばよい訳で、不良解析では比較的楽なタイプになります。 「割れの解析はその隙間の中を観察するのが鉄則」です。これまでの経験で解析のために実体顕微鏡を覗いていた時間は早くて3分、最も長いので7時間、平均30分位です。 実体顕微鏡で観察する時間を5分ほど戴いて別室に行き、3分位で出てきて、「原因が分かりました。はんだが固まらないうちに、作業者がはんだ付け部を動かしています」「作業者の癖ですからいますぐ確認をとったらいかがでしょうか」 10人中10人までがびっくりして、「自分たちは1ヶ月以上かけて訓査したが分からなかった。どうしてそんなに簡単に分かるのか」と言います。 では、なぜそんなに簡単に分かるのかを説明します。 ※図bはSnPb系はんだのデータで、SnAgCu合金の場合は違った温度、強度となります。 2.原因と結果 調査は観察から始まります。観察の中から発見と疑問が生じます。それを裏付けることになります。今回の件は割れの中にフラックスが入っていたからすぐ分かったのです。フラックスの温度による状態の変化は図aの通りです。温度によるはんだの強度の変化を図bに示します。 図a及び図bの関係を理解すれば、初期はんだ割れの原因を見つけるのはそれほど難しくありません。 ただ、肉眼では割れの中を確認できないだけに実体顕微鏡は必要になります。 蛇足ですが、初期はんだ割れが起きた温度が183℃でより高いか低いかの程度であれば、実体顕微鏡で判断できます。 183℃より高い温度でははんだはまだ液体なので、図cに示したようにフラックスの作用で破断した面は滑らかになっています。ところが183℃より低い温度では、はんだは凝固しているので、破断した面は図dに示したように引きちぎられた凹凸の形状をしています。したがって、ここに角度を微妙に変えて光を当てると、凹凸部で乱反射するので、白く見えます。 次に、図aからフラックスの性質ではんだ割れの判別の仕方がある程度分かります。 ①割れの中にフラックスが十分人っていれば、はんだ付け直後に発生。 ②割れの中にフラックスが少し入っでいれば(フラックスの軟化で少し侵入)、使用環境温度が80℃前後の温度の時に発生。ただし時聞かかかります。 ③割れの中にフラックスが全く入っていなければ、温度とは関係なしに機械的に割れが発生したことになります。 フラックス残渣は不良解析をする上では大変ありかたい存在です。例えば、はんだが割れる前に先にフラックス残渣に亀裂が入ります。このことについてはクリームはんだ付け編で説明します。 フラックス残渣が洗浄されますと、これらの観点から判断できなくなりますので、フラックス残渣は無洗浄の方がよろしいかと言えます。 洗浄しても割れが確認できれば、判断できないという訳ではありません。それは割れの中のフラックス残渣は洗浄が完璧とはならないので、少し残留しているからです。超音波で洗浄されるとお手上げで、観察に膨大な時間を要することになります。

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Q14 セラミック基板にはんだ付けする場合、どのような点に注意したらよいでしょうか?

              ANSWER 1.観察のポイント セラミック基板のAg-Pdのはんだ付けの問題点は3点あります。 ①熱容量が大きいため熱不足になる。 ②加熱オーバーでAg-Pdがはんだ喰われを起こす。 ③フッ素系活性剤でマイグレーションが起きやすくなる。 ①の場合、加熱を誤ると急激にコテの熱が奪われ、Ag-Pdとはんだとの界面で温度が低くなり、充分はんだが濡れなくなります。このため、やに付けのような状態になって簡単に剥がれることがあります。 ②は加熱オーバーになった場合、Ag-Pdにはんだの成分か浸透してアルミナとAg-Pdとの界面が熱劣化を受けることになります。この緋果、図aに示したようにアルミナの表面から剥がれが起きます。Ag-Pdの表面は先ずフラックスで酸化物が除去され、溶融はんだが直接接触します。はんだから主として錫がAg-Pdに拡散(むしろ浸透する表現が適切)し、Ag-Pd部は厚みを増します。ちょうどAg-Pdの初期の厚みの使近くなりますと、Ag-Pdの成分が溶融はんだに溶け出します。 ①の場合ははんだとAg-Pdの界面で、また、②の場合はAg-Pdとアルミナの界面で剥離を起こします。②の場合について説明を加えます。アルミナの表面が汚染されていた場合、Ag-Pdを印刷しますと、次工程の焼成の時に汚染面からガスが発生して、ブローホールを形成します。この場合ははんだ付け後Ag-Pdとアルミナの界面で剥離を起こすことがあります。判断基章はは断面の組織観察をして、Ag-Pdの厚みが倍近くなっていればオーバー加熱、溶融はんだの拡散が巡行していなければアルミナ表面の汚染が原因となります。図b参照 ③のマイグレーションはフッ素系とエタノールアミンの組み合わせの活性剤が使用されているやに入りはんだで顕著に発生します。早い場合ははんだ付げ直後、コテを抜いた時に銀のマイグレーシヨンが発生します。エタノールアミンの還元性とアルミナの触媒的作用が考えられます。 2.対策 ①及び②は温度管理を徹底し、常に一定の条件ではんだ付けをしなければなりません。生産性を高めるためには余熱を行うことが有利です。はんだ付け作業は一回のコテを当てただけで確実に酸化物を除去しはんだ付けを完了することが大切です。リワークする場合はAg-Pdの喰われが懸念されますので、断面観察でどの条件で作業するかを決定しておかなければなりません。リワーク後の錫の浸透の深さは初期のAg-Pdの厚みの2/3位でとどめておくべきです。 ③のマイグレーションについてはやに入りはんだの選定を誤らないことです。現在やに入りはんだ でアルミニウムに付く活性剤はフッ素入りの活性剤に限定されています。選定に際してはメーカにフ ッ素入りかを打診するのは当然ですが、家庭用のアルミホイルに直接はんだ付けして、アルミホイルにはんだが付くか否かをチェックすることをお勧めします。はんだが付けばフッ素系のやに入りはんだです。 事故の事例としては、Ag-Pdが使用されているはんだ付け部で、チップ抵抗、ハーメチック、圧電ブザー、アルミナ基板、などがあります。 フッ素はガラスを溶かしますので、ガラエボ基板のプレス打ち抜き部近くにはんだ付けパッドが整 列しているような箇所は注意しなけれななりません。ここにフラックスが浸透しますとガラスが侵さ れて、絶縁不良の恐れがあります。アッセンブリのはんだ付けには充分な検討の上で使用されることが望まれます。

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Q13 手付けしたQFPの断面写真を撮りました。観察のポイントを教えてください。

ANSWER 1.観察のポイント 研磨技術は大変優れています。写真aではガラエポ基板のガラス繊維の状態が鮮明に出ています。このように丁寧な研磨は、はんだ付け部の組織の状態を正しく表現してくれます。はんだ付けも良好  なフィレットを形成しているのが分かります。写真bでは一部ヘアクラック状の線が確認できます。これを拡大したのが写真cです。本来ならα相とβ相がはっきり組織としてでるのですが、金メッキのはんだ付け部なので、はんだに金が拡散して全体的には白く見えます。 顕微鏡断面組織のカラー写真では、画像そのものはどちらかというと表現力に欠ける場合があります。この点電子顕微鏡写真では鮮明な組織が表現されます。写真cをコピーしたのが写真dになり、組織がはっきりします。 図aは角度を変えて観察しているところを示します。観察の角度を変えますと組織は図bに示す絵が描けます。 この組織の違いについて説明しますと、Aの領域の組織はリードに熱が奪われて凝固した組織、Bの領域の組織は基板のパッドに熱が奪われて凝固した組織になります。この境の線ははんだが最後に固まった所で、このフィレットでは強度が弱い箇所になります。リードに力が作用するとリードのかかと部分から割れが発生しやすいのは、このような状態フィレットの組織がなっているからです。 このような状態は一般的ではんだ付け部不良とは言いません。本写真は研磨が優れていたことで正しい判断ができました。それだけにはんだ付け部の断面研磨技術は重要で、研磨に長けた方が定年退職したということで、その事業部の技術力が低下した逸話はあります。 2.断面組織の観察 ①α相/β相の全体的な面積の比率である程度の錫鉛の含有量が分かる。 ②今回の例のようにはんだの凝固の状態が分かる。 ③はんだ付け部に作用した力の状態が分かる。 ④めっきの厚さ、合金層(金属問化合物)の状態が分かる。 ⑤割れの状態が分かる。 ⑥ブローホールの発生の位置が分かる。   ■参考写真...力と組織 写真eは力が作用していないときの組織です。 写真f、gは引っ張りで破断したはんだ線と先端の破断組織です。 写真h、iは折り曲げて破断した線と先端の破断組織です。 写真j、kはカッターナイフの切り込みと先端の断面組織です。 写真|はニッパーで切断した時の断面組織です。 写真iは、何度も折り曲げられた先端部の状態ですが、微細化した組織になり、少し離れると伸びた組織が観察できます。写真lでは表面は組織が潰され、中心部は組織が伸びているのがわかります。このように、はんだは加えられた力によっていろいろな組織に変わります。逆にこのような状態の組織を理解しておくことにより、市場でどのような力が作用したのかが断面組織を見ただけで分かるようこなります。                              (研磨協力:㈱三啓)

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Q12 4層基板のDIPはんだ付けが上手にできません。何が間違っていたのでしょうか?

ANSWER 1.観察のポイント ①写真a、bにはんだ付け後の外観を示す。 ②フラックス残渣が多い。 ③残澄の色が全体的に同じ状態で濃い。 ④はんだクズも存在。 ⑤基板が写真cに示したように破損している。 ⑥ランドの銅が露出している。 ⑦フィレットの表面は光沢がある。 ⑧噴流はんだ付けのフィレットは正常に形成されている。 ⑨リードは良く濡れている。 2.原因と発生のメカニズム フラックス残渣の色はほぼ同じ色調をし、はんだクズは酸化されてなく綺麗な肌をしているから、コテ先温度は管理されています。フラックスの飛散はありますが、残渣の透明度からフラックスに異常は確認できません。基板の破損の状態からコテ先は最も一般的な形状が使用されていると推定できます。 コテを持ってはんだ付けすれば分かりますが、少々コテに力を入れて基板に当てると思ったより簡単に基板は破損するものです。 使用したはんだ、ランド、部品リードは、いずれも正常で問題点は見当たりません。4層基板になると熱容量が大きく、なかなか温度が上がりません。本基板のランド径は4層基板の割には小さく、コテの伝達面積が減少して熱効率が悪い状態になっています。 このように熱効率が悪い状態のはんだ付け部ではいかに確実に温度を上げるかが大切になります。温度が上がらなければフラックスがスルーホールに入るわけがありません。 ランドAに供給した熱はスルーホール内を伝わりランドBに伝達される。 ランドBの位置で130℃以上の温度に上かっていないとフラックスは流れない。 フラックスBはリードに熱が奪われ、いっそう温度が下がってしまう。このような状態になると、これ以上の量のフラックスはスルーホールに入れることはできない。 フラックス中のロジンが完全溶融して速やかに流れる温度は約130℃以上です。したがって、スル一ホ-ルの中をフラックスが通るには、スルーホールの出口である基板裏面のランドの温度がこの温度以上でなければならないのです。そして初めてフラックスがスルーホール内ではんだ付け性のために効力が発揮できることになります。はんだ付けはまずはんだ付け部に確実にフラックスを供給すること、次に、はんだが溶けて少なくとも流れやすくなる220℃の温度に、リードもスルーホールも速やかに上げることです。 220℃以上に速々かに温度が上がらないと、今度はフラックスが焦げ付いて粘性を高め、狭いスルーホールの中で溶融はんだの侵入を阻止することになります。 最初にやに入りはんだを供給した特にフラックスがスルーホールに入らないと、その後何度供給してもスルーホールにフラックスは入っていきません。この時基板を破損する結果となります。 ランドにはんだが十分まわらないのは、ランド径が小さすぎてコテ先が確実に当たらなかったためです。   3.対策 ①ランドにコテが確実に当たる形状のコテ先を選定する。 ②コテ先をクリーニングしたのを確認してからランドとピンにコテを当てる(子熱)。 ③やに入りはんだのフラックスがスルーホールに入りやすい角度ではんだを供給する。 ④設計変更をしてランド径を大きくする。 この時の温度、時間、はんだの供給角度などは事前に練習用基板でマスターしておかねばなりません。このように作業してもはんだ付け性はバラつくので、無洗浄タイプのポストフラックスをはんだ付け部に付けます。 IPAは蒸発させます。付近にチップ抵抗があると、アルミナから電極が剥離することがあるので、温風加熱によるIPAの蒸発には十分注意しなければなりません。 以上の作業は高度の技術と不具合に対する知識を理解した作業者でなければなりません。また、常に体調が良くなければ、難しい箇所のはんだ付けでは神経を集中し維持できません。これはうっかりミスにつながり、はんだ付け不良に気付かずに次工程にアッセンブリは移動してしまいます。   〈参考〉設計者の心得 設計とは理屈を並べれば頭の中でいくらでも物は作れます。頭と現場とに開きがあると、設計ミスは社内では生産性が劣って経費がかかる程度ですみます。しかし、市場で不具合が発生すると、製品の機能がなくなるばかりか、家が燃え、人身事故を招き、あるいは地域住民全体に迷惑をかけることにもなります。 多少はできますが、生産技術は無理難題を解決してくれる部署ではありません。それよりも作業者が楽に、しかも確実に作業ができよう配慮する心に設計者としての実力が伺えるものです。  

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Q11 フィレットの周辺に白色の粉が付着しています。どのような問題があるのでしようか?

ANSWER 1.観察のポイント やに入りはんだのフラックスは天然ロジンあるいは天然ロジンを加工した変性ロジンなどを主原料として使われています。 ロジンを普通に加熱すると、60℃~85℃で軟化し110℃位から液体となります。ところが高い温度で加熱すると、固体~軟化~夜体の過程を経ないで固体~液体にとなります。この変化はコテの温度が350℃位から顕著となり、この時の体積変化と発生ガスによりロジンの一部は固体の微細粉となって空中に放出します。これは、ひとつひとつはロジンの粒子ですが、状態としては白煙に見えます。はんだ付け時に基板、部品面に沈着して外観を損ねることになります(写真a、b)。 写真cは250℃のコテではんだを再溶融したものですが、はんだの周辺の白色物質が溶融したのが確認できます。実体顕微鏡で観察しながらコテを当てますと、白色物質が速やかに溶けるのが分かります。正常なやに入りはんだであれば、絶縁性を低下することはありません。

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Q10 基板にクリームはんだで予備はんだ付けしたあと、ロボットで流しはんだ付けをしています。なぜ、はんだ廻り不良、ブリッジが発生するのですか?

ANSWER 1.観察のポイント 写真aは0.4mmピッチの液晶タブにクリームはんだで予備はんだ付けをしたものです。ここにやに入りはんだで流しはんだ付けをしたのが、写真bになります。なぜはんだの廻りが悪くなり、ブリッジが発生するようになったのでしょう。それはクリームはんだの予備はんだ付けに原因があります。 ・原因-1クリームはんだのフラックス *フラックス残澄は融けるのに熱が必要。*フラックス残渣は再加熱をしても粘性か大きい。 *フラックス残流は熱伝導が悪い。*フラックス残渣はしたがってはんだの切れが悪い。 ・原因-2予備はんだ付けしたはんだ *はんだが溶けるためには熱が必要。 クリームはんだのはんだ付けと言うのは、印刷した箇所でクリームはんだが溶け、そこで固まります。これは静的はんだ付けになりますが、流しはんだ付けはコテも溶融はんだも移勤しながら行われるので、動的はんだ付けになります。したがって、静と動ではフラックスの作用は異なり、動の場合はフラックスの粘性が重要な因子となります。液体の粘性は温度が低いほど大きくなります。クリームはんだで予備はんだ付けした後にコテを与えますと、やに入りはんだを溶解するほかに、コテはクリームはんだのフラックス残流とその下のはんだを溶かすのに熱が奪われ温度が下がります。しかも、このように温度が下がった状態でやに入りはんだのフラックスが混じると、フラックスは粘性が大きくなります。この結果、流しはんだ付けでは、粘性の大きくなったフラックスに阻害されて、はんだの廻りが悪くなります。さらにはんだの切れが悪くなってブリッジの発生につながります。 よかれと言うことで、クリームはんだで予備はんだ付けをしたと思いますが、現象としては何1つ改善できないことになりました。クリームはんだの予備はんだ付けはやめ、直接流しはんだ付けを行ってはんだ付け条件を決定することが生産性の面で有利になります。

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Q9  チッフ部品のリベアに際してどのような点に注意したらよいでしょうか?

ANSWER 1.観察のポイント 不良解析の立場からの注意点の概略は次の通りです。チップ部品は写真aに示したように微細化し、表面状態を肉眼で観察して良否を判断するのは困難なレベルにあります。外観で判別できない状態なので、まして内部の欠陥を知るのは不可能になります。 1.1 チップの再使用禁止 チップ部品のリベアでは、使用したチップは二度と使用してはならないのが原則です。なぜ、使用してはならないのかは、写真b、cに見られる内部欠陥があるからです。 1.2 電極部の変色の確認 内部欠陥としての空洞部は、場合によってはニッケルめっき液が浸透していることがあり、はんだ付け時に蒸気爆発を起こすことがあります。作業者がこれに気付けばよいが、現実には分かりません。それだけに再使用しないのが原則となる訳です。新しく交換するチップは事前に観察し、電極部の表面状態の良否を知っておく必要があります。 写真dはチップ抵抗の上面電極部の腐食です。電極のAg-Pdを焼成した後、写真cのような空洞が生じていると、次工程でめっき液が浸透し、経時変化で腐食しはんだ付け不良を招きます。 1.3 はんだ付け技術の維持 チップのはんだ付けは一度のコテの加熱で付けるよう日頃の練習は必要です。必ず拡大鏡の中で作業します。温度調節の付いたコテを使用し、設定温度(300℃以下)を厳守します。 1.4 ピンセット及びコテ 使用するピンセットはチップ専用とし、バネの弱いのを使用します。バネが強いとつかみ間違いがあった場合、チップに強い力が作用するからです。コテは漏れ電流防止用を使用します。 〈参考〉微小部品の熱影響の考え方 ブンゼンバーナーに針を入れると針の先端がすぐ赤くなります。部品が小さくなればなるほど周囲の熱影響を受けやすくなります。それだけにチップのはんだ付けは細心の注意と、ペストの技術で対応しなければなりません。そのため微細部品になるほど、職場の環境作りと作業者の健康管理は大切な要因となります。

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Q8 はんだ不濡れを現場的にチェックするにはどのようにしたらよいのでしようか?

ANSWER 1.観察のポイント 写真aに示したはんだ付不良は基仮にニッケルめっきの端子をはんだ付けしたものです(フィレットに赤く写っているのは、隣にある赤いリード線が写っているためです)。原因は端子の衣面の汚れもありますが、不濡れ(はんだはじき)の外観とフラックス残渣の量及びその存在のあり方からして、はんだ付け作業に問題があります。この方法は基板にやに入りはんだで予備はんだ付けし、次に、ニッケルめっきの端子を置き、その上からコテを当て、フィレットの中に押し込んで終わらせています。 写真bはその方法ではんだ付けしたものです。このはんだ付けの良否はフィレット内部のはんだ付け状態になるので、次の手順でチェックを行います。 ①  アルコールではんだ付け部のフラックス残渣を洗浄除去する。 ②次にコテ先の表面をスポンジで綺麗に拭き取って、付着していたフラックスを除去する。 ③コテをはんだ付け部に当て、フィレットを加熱溶融する。 ④はんだが溶けたのを確認して、素早く端子を抜き取る。 ⑤さらに端子にコテを当て、溶けた瞬間ティッシュペーパではんだを拭き取る。 このようにして端子の表面が観察できるようになるので、実体顕微鏡を使用し間接光で観察します。写真cは写真bのはんだ付け表面の状態です。この場合は、フィレットの下でかなりの面積は濡れています。 しかし写真dを見ると、裏面はほとんどはんだが濡れていません。 尚、コテの表面のフラックス及びはんだ付け部の残渣をクリーニングしたのは、再加熱によりはんだ付けの濡れ面積が広くなってはならないからです。 このような方法のはんだ付けは基板アッセンブリの後付け、修正などでは普通行いません。しかし、はんだ付け部をビルエ事のように、積み上げる方式をやらなければならない場合は、常識のように行われているのも現状です。 このようなはんだ付けの方法は本来のはんだ付けの基本から逸脱しているだけに、作業者の熟達した技量と信頼性にかかわる知識が求められます。はんだ付け作業に際しては、はんだ付け部の表面の清浄性を確保し、設定温度を遵守しなければなりません。また、本方法ではんだ付け作業を行う場合、作業基準を作成して徹底させなければなりません。 はんだ付けの基本から逸脱したはんだ付け方法にはこのほか「取りはんだ付け」があります。この方法はコテにやに入りはんだを必要量だけすくってとり、そのままはんだ付け部に持って行き、はんだ付け部に押さえるようにして加熱して完了します。 この取りはんだ付けはフラックスが不足気味になり、さらにこての移動中にフラックスが炭化しやすくなります。やに入りはんだはフラックス含有量の多いものを使用するか、あるいは、はんだ付け部に予め少量のフラックスを塗布しておくと、生産性と信頼性は向上します。 〈参考〉海外生産の問題 やに入りはんだの手作業は人件費の絡みもあって、海外で生産する場合が多々あります。海外の生産工場を歴訪すると、十分な教育ができない状態で生産が行われていることがあります。すべての海外生産工場とは言えませんが、中には「はんだは付いて部品が落ちなく、電気が流れればよい」というような答えが返ってくることがあるほどです。 コストダウンのための「生産性の確保」が「信頼性の確保」より優先されているのが現状かと言えます。海外の現場作業者もセミナーでは理屈で分かり、確かにそうだと理解しても、ひとたびラインに戻ると世界ががらりと変わり、今まで通り1日の生産量に追われる毎日になっているようです。

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松ヤニ

松ヤニは生きている木から採取したものをガムロジン、死んだ木から採取したものをウッドロジン、松の木から取れる油を生成した時に得られた卜-ルオイルロジンがあります。オイルとしては戦時中車の燃料となった松根油は有名です。 主な産地はアメリカ、ブラジル、中国、ベトナム、ポルトガルで我が国では殆ど生産されていません。写真aに見られる大きな松ぼっくりはアメリカ産のものです。標準的日本産(写真は奈良公園産)と比較するといかに大きいかが分かります。アメリカ産を拡大すると写真bのように、松やにが分泌しています。天然物だけに産地により、また、天候にも左右されます。アメリカ産は植林して20年後に成木として採取するようになりますが、1本の木でWWロジンとして採取できる量は年間3Kgとわずかです。 松ヤニの主な用途は、ロジンを炭酸ナトリウムと反応させたロジン石けんで、サイズと言われ製紙工業で大量に使用されています。これはインクの惨み防止の働きがあります。次に、顔料として靴墨などの原料、三番目の用途にはんだ付け用のフラックスがあります。天然ロジンは絶縁性が安定しているのが特徴かと言えます。 チューインガムにも使用されることがあると言われます。写真bの松ヤニを口に含んで噛みますと、なるほどと思います。ロジンはこのほか殺菌作用があり、ハマチの養殖にはロジンをアミンと反応させたロジンアミンDが希釈されて散布することがあるそうです。結核の療養所が海辺の松林にあるのも理にかなっています。 樹液ではヒマラヤ杉が大変はんだ付け性が良好です。果物の樹液は殆どはんだ付け性がありません。それでは木に生きる生物はどうかと思い調べたところ、貝殻虫もはんだ付け性はありました。 初夏、多摩御陵の赤松にヤニが垂れているのを見つけ、はんだ付け性を試験しました。綺麗な艶のあるフィレットが形成されました。まろやかな広がりがとても印象的でした。  

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Q7 ヒーター電源スイッチのはんだ付け部で、はんだが燃えました。やに入りはんだの欠陥でしょうか?

ANSWER 1.観察のポイント ①写真aに示したように、スイッチのはんだ付け部でフラックスが激しく飛散している。 ②写真bに示したように、リード線は緑色に腐食している。 ③写真cに示しかように、はんだは燃えて黒くなり、より線の内部ははんだが濡れていない。 ④写真dに示したように、リード線の銅の肌は良好で腐食の形跡はない。 ⑤より線のスイッチ側は激しく燃えたにもかかわらず、反対の基板側のフィレットは正常である。 2.原因と発生のメカニズム スイッチの腐食の状態からすると、フラックスは主成分が活性剤で添加物がロジンのような状態だったことが想定できます。はんだ付けの際にパチパチという音よりむしろ「ジュー」という音に近かったはずです。写真cの状態はリード線の外側だけはんだが濡れて、内部ははんだが浸透していません。はんだ付け作業は一瞬のうちに終わっています。 はんだ付け後通電に支障はありませんが、活性剤が次第にはんだと銅線を腐食し始めました。はんだ付け時に接合面積が減少したこと、さらに、活性剤がより線内部を腐食して、一層接合面情が減少したことにより、電気抵抗は増加する状態にありました。はんだは銅の約1/10の電気伝導率ですから接合面積の減少は発熱の原因となります。抵抗熱が発生すると腐食を促進させ最終的に燃えてしまったものです。 ここで本当にフラックスの影響なのか。という問題をクリアしておかなければなりません。それは、塩ビ線白体が断線にまでは至りませんが、被覆内部の銅線を腐食させることがあるからです。 参考として写真fは塩ビ線の被覆材を除去した状態で、より線の錫めっきの長面か黒く腐食しているのが分かります。 この塩ビ線の問題があるかについては写真dでチェックしましたが、不具合の線の片方の端では同じし緑色の腐食生成物は確認できません。これにより使用していた塩ビ線は正常だったとことが分かります。本件とは閏係ありませんが、参考までにアッセンブリで顧認された銅の腐食の写真をg、h、iに示します。「自社製品ではこんなことあり件ない」と思われるかもしれませんが、使用環境では思いもよらぬ腐食が発生しているものです。これらはいずれも私達が生活をともにしている家庭電化製品です。 写真g及びhははんだ付け部で、写真iは基板から発生した腐食です。   3.対策 やに入りはんだはロジン分と活性剤分からできています。活性剤分か原因の不具合は本事例の通りです。しかし、正常なフラックスであっても写真jに示したように、はんだ付け時の熱不足ではんだが外側のリードにしか付いていない場合があります。より線内部はフラックスが充填されているだけですから、内部の導通は確保されません。このような状態のはんだ付け郎では、電気の伝達面積が減少し、さらにはんだは銅の1/10の電気伝導率ですから、抵抗が増加して発熱の原因になります。 より線のはんだ付けでは充分熱を与え、リード線の被覆材の脇の銅線の露出部ではんだが引くように濡れ、しかもフィレットが形成されなければなりません。(Q16の判定基準参照) 活性剤が多いやに入りはんだでは、はんだ付け性が良いため基本を疎かにして、作業時間の短縮だけを求めると、このような事故を招くことになります。 基本を忠実に守ってはんだ付けを行い、自ら検査員になり、付け終わったばかりのはんだ付け部をルーペでチェックすることが大切になります。また、このことは、やに入りはんだを使用する手はんだ付け作業の基本なので、ライン全体として対応することが望まれます。

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Q6 写真に見られるようにフィレットがランドから剥離しました。解析の手法を教えて下さい。

■ANSWER 1.観察のポイント 1.1 アッセンブリ全体を観察 写真aに示したように大型部品が搭載されています。このように人小の部品が搭載されていると噴流はんだ付けでは均一に子熱するのは大変邨しくなります。不具合は写真aの矢印で示した抵抗のはんだ付け部で起きています。 写真Cは基仮の反りを見たものです。反りは当該抵抗の所で大きく反っているのが分かります。 1.2 不具合部周辺の観察 写真dは抵抗の基板周辺を撮影したもので、基板加熱損傷で黒く変色しているが分かります。このことから、基板の反りの原因は抵抗とダイオード周辺の発熱により、この領域の基仮表面の熱膨張が原因であることが分かります。 写真eは、写真dのはんだ付け部周辺の状態になります。フラックス残渣の量から、はんだ付けはやに入りはんだの修正によるものと判断できます。この箇所のはんだ付け部は残渣が著しく変色しているのが分かります。これは発熱による変色と断定できます。全体的にポストフラックスの量は多く、不具合部周辺も正常にポストフラックスは存在しているので、噴流はんだ付けのポストフラックスに原因はなかったことは言えます。 1.3 抵抗の観察 抵抗は写真dを見ても分かるように、2本のリードのうち不具合部のリードは写真fに示したように短く、もう一方のリードは長く空中でUターンしてから基板に挿入されています(写真d)。したがって、抵抗が発熱すれば、短いリードのはんだ付け部は、長いリードのはんだ付け部より熱影響を受けます。抵抗は写真f、gから間違いなく発熱したことがわかります。右隣の電解コンデンサは液漏れがないので、発熱は2つの抵抗とダイオードであることが写真dからも分かります。 抵抗の左側のコンデンサが片面黒くなっているのは微粉のゴミが吸い寄せられたもので、針でこすると剥離します。不具合とは関係ありません。 1.4 抵抗周辺のはんだ付け部の観察 写真h、に示したように、コンデンサとダイオードのリード2本が同時挿入されたランドではんだはじきがあります。また、この周辺では実装ラインで修正のはんだ付けを行ったにもかかわらず、コンデンサ、ダイオード、抵抗で計6本のリードがはんだ付け部で不濡れを起こしています。不具合部もリードは不濡れを起こしています。リードの不濡れとはんだはじきからすると、この6本のランドでは穴あきもしくはそれに近い状態のはんだ付け不良が発生していたと推定できます。 不具合を起こした衣抵抗では写真iに示した状態のフィレットが観察できます。特徴はフィレットが奇麗であること、基板の表面が破損していることから、製品が家庭で故障したために修理に出したのですが、サービス店ではその原因が当該抵抗のはんだ付け部と診断して、修理のはんだ付けを行っています。 この時抵抗も新しく交換していれば再事故には至らなかったでしょう。しかし、フィレットを観察した限り、修正は残念ながら技術的に甚だ未熟で、はんだ付けについての認識もほとんどないくらい乏しかったようです。抵抗、ダイオードのように不濡れを嫌う部品のはんだ付け部が近くにあれば、不濡れがあるかどうかをチェックして修正していたでしょう。当然、6本のリード全部を修正されていたはずです。このことからも、修理した人のはんだ付けに対する認識はありません。 1.5 不具合フィレットの観察 不具合を起こした抵抗のフィレットではリードが不濡れを起こしています。不濡れを起こしていれば当然強度か弱いはずで、市場ではリードから抜けたことでしょう。しかし、実際にはそれ以上にランドのはんだ付け界面か弱かったので、ランドから剥がれてしまったことになります。それだけランドは予想以上に強度か弱かったことになります。 それでは実装ラインで修正したにもかかわらず、リードが不濡れのまま作業がなぜ終わったかです。それは修正しなければならないほど、ランド側にはんだ付け不良が発生していたことになります。もし、ランドが正常でリードがはんだ付不良であった場合、作業者なら誰でもリード不濡れを修正するために神経を集中しはんだ付けします。そうすればリードが不濡れのまま作業は終わらせる訳がありません。ランド側に明らかにはんだ付不良が確認できたので、作業者の神経はランドに集中し、リードには目が届かなかったことになります。したがって、使用前の基板ランド表面ははんだ不濡れを起こす状態になっていたことになります。 以上の観察で当該はんだ付け部では、リードとランドいずれも噴流はんだ付けで不濡れが発生しました。作業者はランド不濡れに神経が集中しリードまでには目が届いていません。抵抗、ダイオードで発熱が起こり、不濡れで接合面積が減少した分さらに抵抗熱が発生するようになりました。この結果抵抗は機能障害を起こすことになりました。 当該製品の保有者は抵抗が悪くなったことは知らず修理に出しています。この時、修理担当者は抵抗のはんだ付け部で異常を確認したので、修正のはんだ付けを行っています。おそらく「電気が流れれば良いい」程度の認識しかなかったことが推定できます。 この修理は完了しましたが、抵抗はすでに劣化して発熱していた関係で、抵抗のもう一方のりードは集中して熱影響を受けるようになりました。 抵抗の発熱が進行するに従い、短い側のりードのはんだ付け部で発熱することになります。そして修理した不濡れのフィレットの強度も低下しています。これに対して長い方のリードは冷却効果も手伝ってフィレットの強度は短い側と比較して大きく、この長いリードのフィレットが基板を固定し、もう一方のはんだ付け部に対して、力を作用させるようになりました。その結果、不濡れを起こしたフィレットはランド側で剥離を起こし、製品の機能は停止することになりました。 修理したフィレットの肌を観察しますと、はんだの表面は酸化された様相もなく、このことから修理後、比較的短い期間で事故は再発しています(なお、本具合品は外国製)。 3.対策 部品のリードの表面、リードの長さ、基板のランドの表面を見直し、さらに作業者のはんだ付けの知識と技術の教育、検査の充実、限度見本の作成、そして徹底させる組織作りなどを一から見直さなければなりません。わずかなミスと認識不足が予想外の事故に発展した例と言えます。 解析の手順は以上の通りで、直接不具合に関係はない箇所でも原因追求しておくことは大切です。

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Q5 銅スルーホールに黄銅のリードをロボットではんだ付けしたところ穴あきが発生しました。原因が分かりません。

Answer 1.観察のポイント ①導体の広い面積の銅箔にレジストをかけてランドとなっている。 ②ランドの形状は四角。 ③フィレットからレジスト表面に流れ出たフラックス残渣は広がっているが、フィレットの穴あき部に存在しているフラックス残渣は水飴が中から出てきたような状態をしている。 2.原因と発生のメカニズム 観察のポイントの中ではんだ付不良の原因は、③のフラックス残湾の形態によります。レジスト表面に存在しているフラックス残置は明らかにはんだ付け部から「流れ出た」と言う表現が正しいという状態です。これはランドの表面は適切な温度であったことを証明するものです。これに対し、フィレットの穴の中から出で来たフラックスは「さらっと」としてなく、まるで水飴のような状態です。これはスルーホール内の温度が低かっかことを証明するものです。天然ロジンであれば100℃をわずかに越えた温度かと言えます。 温度が下がった原因には3つの因子があります。まず、①のランドの熱容量が大きい点は温度が上がりにくい結果を招き、②のランド形状が四角であることはコテの当たる面積が狭く、コテの熱が伝わりにくい結果を招きます。これに加えてリードの材質が銅の1/3の熱伝導率を有する黄銅が使用されていた点はリードの温度が上がりにくいことを意味しています。温度が上がりにくい材質と言うことは熱をどんどん奪うことになります。 ロボットが起動してランドの上にコテが降りてくるのと同時に、やに入りはんだがコテに供給されます。コテの温度は十分高いため、フラックスは流れ出てレジスド面に移動します。さらにはんだが 供給されると、溶けたはんだは銅のランドとリードに触れて、急速に溶融したはんだから、熱を奪います。 溶融はんだはランド表面を濡らし、ついでスルーホールの中に入りますが、黄銅から熱を奪われてしまい、スルーホール内は溶融はんだの凝固体勢に入ります。はんだ付け時間が長ければコテからの熱が連続して供給されるので、再び溶融はんだは温度が上昇してフラックスはフィレットの外に溢れ出ます。本はんだ付けでは、その時間まで加熱が続けられなかったことにより、フラックスがまだ温度が低い状態でフィレットにとどまり、穴あきとなったものです。 3.対策 現状ではコテの当てる位置を変更します。それでも改善できない場合はコテの容量を大きくして、温度降下の防止をします。この2つの因子を基本として、温度とコテの移動速度を振って最適条件を決めます。 本はんだ付け部は基板の回路設計に問題があるから、設計を見直す場合、ランドの熱容量を大きくしないこと、熱の伝達面積をかせぐ上で、レジストの印刷を変更することが挙げられます。 ●不具合解析でのポイント‥簡単なことに気付く難しさ 本はんだ付不良の解析では、穴あき部のフラックスの状態がポイントになります。ここのフラックスが温度の低い状態だったことに気付くか否かで決まりました。低い状態であったことに気付いたから、スしーホール内の熱不足が原因と断定できたのです。熱というのは繊細であり魔物です。この箇所のはんだは僅か数ミリの送り量です。その中のフラックスは微々たるものです(はんだ使用量 0.015g、フラックス量 0.000525g)。その微々たる量でこれだけの温度差が生じるのです。 このフラックスの温度による状態の違いについては、はんだ付け作業者であれば誰でも知っていることです。その誰でも知っている現象に気付くかどうかで、今後の生産性が変わるのです。ネタを証せば「なんだぁ」というそれだけのことにすぎません。

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Q4 ロボットのはんだ付けでコテ先の汚れはどのような問題を起こすのでしょうか?

ANSWER 1.観察のポイント 写真aは、ICカードのコネクターのはんだ付けです。コテ先のクリーニングが悪いため、やに入りはんだがコテに送られて乱コテ先の酸化物が妨害してフラックスは逃げてしまい、その結果ブリッジが発生したものです。実際のはんだ付け温度は酸化物により熱の伝達に支障を来たします。コテ先の酸化は対物接触温度を70℃位下げることがあります。 80ピンのうち最初の10ピン位までは酸化物の影響が残り、酸化物が順次供給されるフラックスで脱落すると熱の伝達は回復して、残り70ピン位から安定した良好なはんだ付けが行われます。コテ先の酸化物は溶融はんだ及びフラックスの流れを変え、温度をバラつかせ、コテのはんだ保有量を不安定にさせます。 写真bは、フラックスの焦げ付きで発生したブリッジです。コテ先のフラックスの焦げ付きは流しはんだの最中に新しく供給されたフラックスと共に、はんだ付け部に脱落します。フラックスの焦げ付いたものは粘性が高く、フラックスの切れを悪くします。溶融はんだが各々のはんだ付け部に戻る場合、パッドのほぼ中央の位置で溶融はんだが戻りますが、たまたまその箇所に焦げ付いたフラックスがあると、粘性が高いためにはんだは戻りきれず、写真bのようなブリッジとなります。         写真Cは、焦げつきと問違えられますっこれはフッ素加活性剤に使用されているやに入りはんだに起こることがあります。フラックス中の活性剤がバラついて量が増えた場合、はんだ線の内壁で活性剤がはんだと反応して腐食します。活性剤が常時バラついていると、フッ素系のフラックスは製造装置のパイプの中を腐食し、これがやに入りはんだの中に入ることもあります。このように腐食した物質がやに入りはんだの中に入ったはんだではんだ付けすると、フラックス残澄中焦げ付きのようになって存在します。よく観察すると、小さなはんだボールが存在しているのが分かります。写真cではこの鼠色のカスの中にはんだボールが4個確認できます(判別法参照)。 2.対策 基本的にはどのような場合でも、はんだ付け前にコテには酸化及び焦げ付きはあってはなりません。 ①作業前にコテ先の表面のはんだを溶かして軽く拭い、コテの溶融はんだ面に焦げ付きの取れない部分があるか否かをチェックし、あった場合は丁寧に除去して新しいはんだを供給しておく。 ②こげ付きをエアーで飛ばす場合は、あらかじめ少量のやに入りはんだをコテに供給して、新しいフラックスでコテを潤うようにしてから、エアーで飛ばすと効果がある。 ③頑固な焦げ付きは機械的に除去し、新しいはんだを付けておく。 ④やに入りはんだを見直す。 3.判別法 このような鼠色のカスのチェック方法は、まずコテ先の酸化物及び焦げ付きを除去して綺麗にします。 次にやに入りはんだ線の表面をスチールウールで研磨して、はんだの表面の酸化物などを除去します。 したがって、カスがあるとすればやに入りはんだ線の中しかありません。これを基板の綺麗なランドに250℃ではんだ付けを行います(SnPbはんだの場合)。コテ先温度が高いと焦げ付きが発生し判断の妨げとなります。 約100ポイントはんだ付けを行って実体顕微鏡で観察し、存在していればはんだ線内部のフラックスに起因していると断定できます。やに入りはんだの製造管理不備によるので、フッ素系のフラックスではそのロットは即使用禁止措置をとります。 フッ素入りの活性剤であっても写真cに示すカスがなければ問題はありません。ただし、カスはなくても、フッ素入りフラックスで飛散、残渣の濁りなどが顕著に出た場合はこの限りではありません。

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Q3 QFPのロボットの流しはんだ付けで写真に見るツノがなぜ発生したのでしようか?

  ANSWER 1.観察のポイント ①ツノの部分は金属の色ではなく、酸化物の様相を呈している。 ②リードのはんだ付け面はブルーの色が出ている。 ③矢印1で指摘した箇所の基板面にはフラックス残流が少ない。 ④基板側もリード側もはんだは良く濡れている。 ⑤矢印2の箇所の色からリードの酸化が確認できる。 ⑥矢印3で示した箇所のはんだの色が褐色を呈している。 2.原因と発生のメカニズム 当該QFPのリードははんだめっきがされていて、酸化されているのが分かります。この酸化の色ぱツノの部分のほかに矢印2、3で確認できます(写真a、b)。 はんだめっきがリード表面にあるので、酸化がなければはんだ付け性は良好のはずです。コテをはんだ付け箇所に当て手流しはんだ付けを開始すると、コテの表面ははんだ付け開始の時は、綺麗な状態でしたが、何本かのリードを流しはんだ付けをしているうちに、フラックスがはんだ付け部から逃げてしまうことがあり、このような時にリードの表面酸化物がコテ先に転着すると、フラックス効果がなくなり、ツノあるいはブリッジになります。 基板表面のフラックスは写真からも少なく写っています。本写真では上側は少なく、下になるほどフラックスの量が多いことが分かります。基板パッドでは矢印3で示した箇所ではんだ表面が褐色になっています。ツノの部分と比較して光沢があります。ここにはリードの酸化物が移行し、その上にフラックスが供給されていたことになります。 はんだ付けはオーバー加熱気味でフラックスの粘性は下がり、動きやすい状態にありました。フラックス残漑の量が写真の下ほど多いことにより、やに入りはんだの供給位置が微妙にずれていたことが想定できます。よってフラックスが供給されにくい箇所でツノが発生したわけです。 参考にブリッジを起こしやすいQFPのリードの酸化の例を写真c、dに示します。 ●「流しはんだのフラックスの作用」について 流しはんだ付けの場合、はんだ付けはコテが移勤しながら連続して行われます。それだけに加熱及びはんだの供給(フラックスの供給)は確実でなければなりません。 一般に流しはんだ付けの場合やに入りはんだの供給は、コテが動く頭の方から供給します。この時のフラックスの作用はコテの前面と裏面とで2つあります。第1はコテの前面に供給されたフラックスは「はんだを付ける作用」があります。第2はコテの後ろに回ったフラックス「はんだを切る作用」があります。 流しはんだ付けでは第2の作用を確実に行わなければなりません。ロボット付けの因子はフラックス、コテ先の形状、はんだの供給の位置及び供給の角度などが挙げられます。やに入りはんだではメーカーによる違い、フラックス含有量などのバラツキなどが挙げられます。 流しはんだ付けの場合、コテの移動するスピードとはんだ付け面とコテの底部とのクリアランスも影響があります。溶融はんだはコテの移動後、おのおののはんだ付け部に戻りますが、コテのスピードが早くなると、熱の供給が不十分となり、溶融はんだが戻る前に固まってしまい、ブリッジになります。また、コテの底部とはんだ付け面との問にクリアランスがあると、溶融はんだはパッド間で帯状に横たわってしまい、「フラックスの切る作用」を拒絶することになります(図a)。 フラックスは横たわった溶融はんだの上下左右四方から攻めますが、大横綱が大の字に寝転がったのを子供が動かせないのと同しで、フラックスは切ることができません。このクリアランスの大きさは図aに示しかように横たわるはんだの量を変えます。供給はんだ量が多すぎればコントロールすることはできません。適量であってコテがパッド面軽く接する状態は横たわる溶融はんだ量を少なくするので、フラックスの切れを促進することになります。 手作業ではCカットのコテ先は図bに示したように有効です。 手作業では図bに示しかようにブリッジしやすいパッドの箇所をCカットが接して切ると有効です。 3.対 策 主に次の点について検討します。 ①はんだの供給位置とコテの当てる位置及び高さを変更する。 ②コテ先温度を調整してフラックスの粘性を高め、はんだ付け部からのフラックスの流出を少なくする。 ③酸化の少ないリードのQFPに変更する。 ④こて先の形状を変更する。

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Q2 はんだボールの発生のメカニズムと見分け方を教えて下さい.

ANSWER ●コテの引き上げるスピードが早いために発生したはんだボール 1.観察のポイントと発生の原因 特徴は比較的大きなはんだボールで表面に付着しているフラックス量は少なく,はんだ付け箇所の周辺に集中しています.手作業及びロボットいずれも共通しています(写真a,b,c,d,図a,b). はんだ付けはコテを引き抜くスピードが早いほど発生します.作業者の性格,仕事量が増えた,急に出荷しなければならなくなったような場合に多発します。普通のコテを用いた場合ははんだボールの着地位置も分かりやすく,右利きの人ははんだ付け箇所より右側に落ちます.左利きは左側になります. ピストル型のコテで発生する場合は,フラックス中のガス化及びコテの引き抜くスピードの影響はありますが、はんだ付け作業で基板を自由自在に動かしながら付けている場合は、はんだ付け部あるいはコテ先からの流れ落ちがはんだボールとなります。このようにして発生したはんだボールは行き先が定まりません。 ピストル型のコテ付けでは作業合の上及び足下を調べて、はんだボールが確認できたら、基板の部品間のどこかにはんだボールが引っかかっている危険性があります。速やかに作業の方法を見直さなければなりません。 2.発生のメカニズム 簡単な実験としてはんだボールの現象を説明します。水の入ったコップに割り箸を浸潰し、ゆっくり引き上げると箸に付着する水の量は少なく、早く引き上げると付着する水の量は多くなります。さらに箸を素早く引き上げると、コップの外に水滴が落ちます。これがはんだボールの発生の仕組みです。 次に、箸をゆっくり引き上げると、箸に付着する水の量は減少します。 コテを抜いた時に容融はんだが動かないものとすれば、コテがあった体積分の空洞ができるはずです。この空洞に溶融はんだが充填されるのに時間を必要となります。コテをゆっくり引き上げることによりはんだが空洞になる部分に廻り込むので、はんだボールにはなりません。ところが早くなると溶融はんだは回り込むことができず、コテと溶融はんだの界面で摩擦力が発生し、その力が溶融はんだを引き上げる働きをします。この力によって溶融はんだをフィレットの外に待ち出します。これがはんだボールです。 コテを抜く前に溶融はんだのフィレットの表面にはフラックスが皮膜として存在しています。このフラックスの量だけしかないので、発生したはんだボールの表面のフラックスは少なくなります。フラックスの動きが悪くなると、コテの抜けた跡の表面を覆うことができず、ツノになったり、糸引きになったりします。 はんだボールの発生はコテ先の形状、大きさ、引き抜く角度の影響もあります。 ●「フラックスの活性剤あるいはガスが原因のはんだボール」 1.観察のポイント 特徴としてはんだボールは小さく、その割にはフラックスの付着量が多く、肉眼では確認しにくい場合があります。はんだボールの飛距離はフラックスがパチパチ音を立てて発生する場合は5cm以上も飛距離を伸ばすことがあります。やに入りはんだ中のフラックスの構成物が加熱によりガス化か起こります。 ガスになると言うことは体積変化が増加するわけで、言い換えるとそれだけ圧力が高まることになります。ゆっくりガス化するのと、急激にガス化するのとでは圧力が違い、飛散も急激にガス化する方が多くなるのは当然です。 2.発生のメカニズム 溶融はんだとフラックスとの位置関係にもよります。溶融はんだの外側にフラックスがあった場合は、はんだボールの発生はありません。逆にフラックスの外側に溶融はんだがあれば、溶融はんだの内側にあるフラックスからガスが発生して、はんだボールの飛散になります。 図cの主因子はフラックスのガス化成分であり、図dの主因子はむしろやに入りはんだの押し込みになります。 この場合は、作業者の癖も関係してきます。いずれの場合もガス化が激しく起こるか否かではんだボールの発生が支配されます。

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