月別アーカイブ: 12月 2013

Q11 基板上のゴミ或いは噴流はんだ槽の異物がはんだ付け性に及ぼす影響を教えてください。

  ANSWER 1.観察のポイント はんだ付け時に存在するゴミの類は千差万物です。比較的多いのは次の通りです。 ①基板の樹脂粉(ガラス繊維、樹脂破片) ②繊維クズ。(手袋、衣類、帽子、ウエス) ③紙の繊維。(ティッシュペーパー、書類、段ボール、) ④毛(筆、毛髪) ⑤高温はんだでリードにはんだ上げした時に付着した酸化物。 ⑥被覆線の被覆材 写真aに示したようにはんだ付け時にリードに異物が引っかかって穴あきの原因になります。これは筆の毛ですが、この毛がリードから離脱していれば原因不明の穴あきになります。 緊急の電話が入って解析したのが写真bのリード抜けです。写真cに示したように手袋の繊維がリードに絡んではんだ付け不良になったものです。このように1本の繊維クズではんだ付け不良になる場合もありますが、写真dに示したようにフィレットに閉じこめられる場合があります。 写真eは、噴流はんだ槽で発生したドロスが固化したものが、リードに引っかかってフィレットの外観不良となっています。このドロスがさらに大きい場合は穴あきとなります。 2.生産性と信頼性に及ぼす影響 このように基板或いは部品に付着していたゴミの類、或いははんだバスに存在していた固形のゴミは初期はんだ付け不良となります。 フィレットの表面に付着しているだけでは、強度に対する不安はありませんが、フィレットの内部にも介在している場合は、はんだ割れの危険性をはらんでぃます。 3.対 策 基板表面にドロスの存在が確認でき、フィレットに小さな穴あきがあった場合は、スルーホールの内部にもドロスが残留してることもあるので、修正は噴流はんだのフィレットを溶融して吸い取り、異物を除去してから修正はんだ付けを行います。このように繊維クズの付着があった場合は、全て修正の対象となります。 写真fは、フッ素系活性剤のやに入りはんだの電圧印加耐湿性試験を実施した時、繊維クズで発生したマイグレーションです。 繊維には、化繊、植物繊維、羊毛などがありますが、植物性の繊維クズがパターン問にまたがっていた場合、絶縁不良の原因にもなります。それは植物繊維は全て水の通り道だからです。 外観では繊維クズが化繊なのか植物性なのかの判断はできません。判断できないものであれば日常の作業でゴミ撲滅を実施しなければなりません。少なくともゴミのレベルまで視野を広げて、整理、整頓、清掃の徹底が望まれます。噴流はんだ付けラインの清掃は汚れが確認された時点で実施します。 もちろん、コンベアが動いている時はゴミ、はんだクズ等があってはなりません。 参考までに、写真fの白色物質ははんだの腐食生成物です。

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Q10 チップ脇のはんだボールは、どのような悪さがあるのでしょうか?

ANSWER 1.観察のポイント 写真aは、チップ固定ボンドから発生したはんだボールを示します。チップの大きさと比較すると、大変小さいことが分かります。写真bは、ボンドから離れた位置に飛散したはんだボールを示します。 写真cは飛散したボールによって未はんだ部で濡れた写真です。写真dはこの写真の部分拡大ですが、はんだボールが発生した箇所を示します。 2.発生のメカニズム チップ固定のボンドの溶剤が予熱が終了しても残留したままはんだバスに侵入します。この時アッセンブリから多量のガスが発生し、当該パッド部はガスによりドーム状になっています。ボンドから発生したガスははんだを微細にはじけさせ、これがボールとなってドームの空洞部に侵入します。この空洞部の上面にはポストフラックスが基板面についているので、ここにはんだボールが付着し、空洞のままはんだバスから基板が離脱して、はんだ付け完了後の基板のレジスド面にボールとして存在することになります。 写真cの場合ははんだボールがレジストではなく、パッドに付着したものです。ここで濡れているということは、パッドの表面温度がはんだ付け温度に達していたことを証明するものです。したがって、この未はんだ部は熱不足が原因ではないことを裏付けるものです。このように発想を変えるとパッドのはんだの斑点は温度センサーの役割があるということに気付きます。 3.予想される不具合 チップ脇にこのようなはんだボールが発生するということは、ボンド中に溶剤が液体として残留していることになります。 市場の使用環境で温度サイクルを拾うと、溶剤は簡単にボンドから蒸発しない場合があり、これが液体~気体、気体~夜体を繰り返すごとになります。図aはこの状態を示します。この時の状態変化は体積変化となって、膨張収縮を繰り返しチップ電極部からはんだ割れを起こす原因になります。 チップ脇のはんだボールが確認できた場合、チップ部品の電極部が酸化されて、はんだの濡れ性が劣っている場合は、はんだ付け界面が不十分な接合になっているので、はんだ割れに影響が出やすく、要注意となります。 4.対策 はんだボール対策としては、チップ固定ボンドの硬化条件を見直します。また、基板のガス抜き穴を増やして、はんだバス中でガスが発生して部品間でドーム化(ガスによる空洞化)が起きないようにすることも大切です。    

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Q9 修正はんだ付けしたトランジスタのリードで導通不良が発生しました。原因とメカニズムを教えてください。

ANSWER 1.観察のポイント アッセンブリ全体の写真aを見ると、フライバックトランスの周辺で基板表面が発熱で色が濃くなっているのが分かります。濃くなっている面積は広くアッセンブリ全体が発熱状態になっていました。 噴流はんだ付けの状態をチェックすると、写真bに示したように、全体的にはんだ付け性は良好ですが、はんだ量が少ないのが特徴で、しかもクリンチとは関係なくはんだ量が少なくなっています。それが原因ではんだ割れの状態が確認できます。これははんだ付け性を優先し、活性力のあるフラックスを用いてはんだ付けしたことになります。この結果、はんだの切れが良くなりはんだ量が減少したものです。 写真cはトランジスタの放熱板ですが、この白い接着剤の跡を見ると接着剤の量も少ないのが分かります。これは放熱板とトランジスタとの接着不良で放熱効果が低下し、はんだ付け部が熱を持つことになります。はんだ付け部加熱を持つと、はんだ自体の強度は小さくなります。部品と放熱板が基板面にしっかり固定されていない場合は放熱板の重量も加算され、フィレットは重量に耐えられなくなり、亀裂が発生してさらに発熱し、はんだ付け部が溶融することになります。 この結果、写真dに示したような導通不良が発生し、細部では写真eに示したようにはんだが再溶融した状態が確認できます。参考までに撮影の状態を写真fに示します。 ここで問題になるのが、フライバックトランスのはんだ付け部です。この箇所にはハトメはされていません。写真g,hに示したように、フライバックトランスのはんだ付け部では欠陥は確認できません。噴流はんだ付けでははんだ量は少なくなっているので、フィレットの高さとはんだ量を確保するために盛りはんだが行われ、現状のフィレットになっています。             この点について、さらに写真eを観察すると、リードの光端は写真iに示したように、噴流はんだ付け時にはんだが濡れていたことが分かります さらにリードは確認できる側面全体が噴流はんだ付けで良く濡れています。これは、はんだ付けに対するリードの表面に欠陥が無かったことを断定するものです。 しかし、やに入りはんだのはんだ付けでは、リードの側面は先端から最下部の溶融箇所まではじいています。噴流はんだ付けのはんだが修正のはんだ付けで融合した形跡はありません。 2.発生のメカニズム したがって、なぜフライパックトランスでよくてトランジスタで悪かったのかですが、これには2つの問題点があります、使用したやに入りはんだにフッ素系の活性剤が入っていたことにより、初期はんだ付けが大変良好であったこと。次に、トランジスタのはんだ付け箇所はフライバックトランスと比較して熱容量が小さいため、コテにはんだを差した瞬間、はんだが溶融したこと、などが挙げられます。 フラックスは化学反応により酸化物を除去しますが、言葉で「化学反応」と言っても、この語句には温度と時間の因子が含まれています。これはトランジスタのはんだ付けでは化学反応の時間が足りなく、リードに熱が十分供給されなかったことになります。 一方、フライバックトランスのはんだ付けでは熱容量が大きいので、作業者はコテを当てている時間が長く、リードにも十分熱が供給され、その結果はんだ付けが確実に行われたことになります。 はんだ付けは、コテを当ててはんだが付けばよい、というのではなく、基本的な原理を理解して初めて信頼性の高い接合が得られます。本不具合は、生産性が信頼性を犠牲にした結果ということになります。 3.原 因 ①.トランジスタの放熱板の接着不備。 ②.作業者の認識不足による修正はんだ付け時の熱不足。 4.対 策 いずれの場合も作業基準を作成して徹底させることが大切です。今回の事故は、はんだ付け性が良すぎるやに入りはんだを使用し、その結果、熱不足を招いてはんだ付け不良に至っています。一般には考えられない事故ですが、作業者はこの点についての問題意識はありませんから、当然事故の発生件数は多くなります。 これは単に実装ライン作業者の認識不足によるものではなく、メーカーにおいてもはんだ付け性が良すぎれば当然起こり得る事故なので、メーカーが事前に注意の伝達をすべき内容と言えます。 実装ラインにおいては、このようなタイプのやに入りはんだを使用するに際し、実作業のあり方を見直し、作業のポイント、注意点さらに正常と不良の確認についての講習とはんだ付けの基本について再指導することが望まれます。

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Q8 なぜ、チューナの端子ではんだ割れが起きたのでしようか?

    ANSWER 1.観察のポイント ①ランドに片側穴あきが生じ、はんだ量が少ない。 ②ランド表面の濡れは良好だが、ランド外側のレジスト付近は銅が露出している。 ③端子に腐食が確認できる。 ④端子の腐食部以外ははんだが良く濡れている。 ⑤この写真では右上の端子の順に赤錆が発生している。 2.原因と発生のメカニズム 使用しているポストフラックスははんだ付け性の良いのを使用しています。これは端子の腐食部以外の濡れが良いことと、ランド表面が滑らかな面を見せていることが理由です。実装ラインでは基板の表面状態及びリードの酸化或いは腐食などにより、はんだ不良が発生していたにもかかわらず、はんだ付け性の良いフラックスで対処してきたことに起因しています。 フラックスが塗布され子熱ゾーンを通り、はんだバスに侵入しますと、腐食部分から多量のガスが発生します。付き性の良いフラックスなので、腐食部の隙間を縫ってはんだが濡れています。端子の斜め左手分けはんだが付いてフイレットが形成されているので、この内部には腐食はないと推定できます。しかし斜め右半分は端子が腐食しているので、はんだバスに浸漬中この腐食部は溶融はんだで覆われていても盛んにガスを放出します。本端子部がはんだバスから抜ける特にガスを噴出していたため、ガスがはんだを押しのけ、さらに切れの良いフラックスを使用していたことにより、端子の正常な箇所の溶融はんだが引いた結果、写真に示す穴あきになってしまいました。 この結果、写真dに示したような導通不良が発生し、細部では写真eに示したようにはんたが再溶融した状態が確認できます。参考までに撮影の状態を写真fに示します。 ここで問題になるのが、フライバックトランスのはんた付け部です。この箇所にはハトメはされていません。写真g、hに示したように、フライバックトランスのはんた付け部では欠陥は確認できません。噴流はんた付けでははんだ量は少なくなっているので、フィレットの高さとはんた量を確保するために盛りはんだが行われ、現状のフィレットになっています。 市場に出てからチューナのプレス成形時の残留応力が徐々に開放され、写真に示される部位で割れに至ったものです。 3.対 策 ①チューナの端子部は比較的大きいので、基板に挿入寸る際は必ず目視チェックします。 ②腐食の発生しているチューナーが確認できた場行は、メーカに改善要求を出します。 ③自社の部品保管の管理を強化します。 ④噴流はんだ付けのフイレットのチェックを厳しくし、修正の際は拡大鏡の視野の中で、はんだを吸い取り、腐食部をカッターナイフで除去してから再はんだ付けを行います。 ⑤基本としてU腐食部を除去しないで追いはんだをして、はんだをかぶせてはなりません。市場に出てから発熱し、フィレットが溶融したり、燃えたり、はんだ割れの原因になったりします。 ⑤このような箇所は外観が正常であっても再度コテ付けを行うとフィレットの強度は向上します。 〈参考:端子腐食部がフィレット内に存在していた場合〉 腐食生成物には、水分、イオン物質が存在しています。はんだ付け時に腐食部にフラックスが来ますが除去できなくなると、フラックスは腐食部にとどまったままはんだが覆います。やがてフィレット内部でフラックス中の活性剤が腐食生成物と結びついて腐食を促進しガスも発生して徐々に腐食部が拡大します。このようにして接合部の面積が減少すると、電気抵抗は面積に反比例して大きくなるので、抵抗が大きくなった分ジュール熱でより発熱し再溶融、はんだ割れなどの事故に進展します。 この時、使用するやに入りはんだが活性の高いフラックスの場合は顕著に出やすくなります。 部品、基板のはんだ付け部を日頃から管理すれば、事故は未然に防ぐことができますが、管理を怠っていると、このように悪い方に結果が進行することになります。

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Q7 はんだ付け前にリードを曲げていますが大丈夫でしょうか?

ANSWER 1.観察のポイント ①リード表面の色調及び傷。 ②フラックス残渣の位置。 ③フラックス残渣の色。 ④フラックス残渣の形状。 ⑤他の箇所のはんだ付けの状態 以上のポイントが挙げられます。 写真aは基板と部品のサイズが合わないため、リードを曲げて挿入した状態です。丁寧にしかも正確に曲げたことが伺えます。(リード表面に必要外の工具の当たり傷はない) 写真bははんだ割れを起こしたフィレットの外観です。写真cは曲げた部分の拡大ですが、ここにポストフラックスの残渣が確認できます。基仮面のフラックス残渣とリードに付着しているフラックス残渣は、位置関係からもともと一体だったことは容易に想像できます。それがリード側と基板側とに分かれたことになります。 普通熱形響かありますと、フラックス残直は色が濃くなり褐色を呈してきます。本フラックス残渣の色調では使用環境の熱影響を受けた形跡はありません。 基板側のフラックス残渣の破面を見ますと、割れた時のままの状態を保っています。このことはポストフラックス中のIPAが蒸発していたことになります。 IPAが残留していればこのような鋭い破面は見られず、フラックス残渣の破断箇所はだれてしまいます。 写真cではリード線に付着しているフラックス残直にはっきりした亀裂が確認できません。フラックスが付いている部分を急激に曲げますとフラックス残渣に亀裂が入ります。それがないことはゆっくり時間をかけて力が作用したことになります。フラックス残渣が基板側とリード側に分断されていることは、はんだ付け直後はフラックスは一体だったはずです。この隙間だけリードが動いたことになります。このフラックスの亀裂はとりもなおさず、はんだ付け後当該部品のリードで力が作用したことを証明するものです。 リードの表面ははんだ付け性に支障を来すほど酸化はされていません。写真ではリードの上部に褐色系統の斑点が見えますが、これは部品表面の塗料の色が写っているためです。 噴流はんだ付けの状態は写真dに示したようにランドの外周で不濡れを起こしはんだはじきも確認できます。この点を考慮すると、基板保管の問題も懸念されますが、基板の作りは少々雑であることが分かります。このように不濡れとはんだはじきがあったにもかかわらず、はんだ割れやはんだ剥がれがこのフィレットで発生しなかったのは、基板、はんだ、フラックス、装置、保管等の因子はなかったと判断できます。 使用環境の因子が原因ですと、はんだ量の少ないフィレットに集中することが想定できます。本アッセンブリでは、ほかのフィレットにも同様のはんだはじきが発生していますが、割れは起きておりません。 写真では分かりにくいですが写真dの中央のレジスト部表面のフラックス残渣に黒い微小異物が確認できます。これは発泡槽の管理不備によるものです。 写真eにランド外周部の不濡れを示します。写真fのフィレットに赤い色の異物が確認できます。 これははんだ付け前の部品のリードに赤い色の異物が付着していたことによります。同様に写真eのりードにも緑色の異物が付着していました。 実装ラインで部品を入れているケースの中に部品といっしょにこれらの異物が混入していたことが推定できます。 不具合と直接関係はありませんが、前出の発泡槽の汚れ及びフィレット上の異物の状況を検討しますと、本不具合アッセンブリを生産した当時の静止はんだバスのラインの管理は必ずしも良いとは言えません。 2.発生のメカニズム 実装ラインでは手慣れた作業でリード線を曲げて(或いはすでに曲げてある)基板に挿入し、普通通り作業を行っております。噴流はんだ付けも異常なく完了しました。 市場で徐々にリードの曲げ部の残留応力が開放して、割れに至っております。 3.対 策 基板に示したようには面積的にゆとりがありますので、部品の配置変更を行ってリードを曲げないで基板に挿入できるようにしなければなりません。 また、止む得ず曲げなければならない場合は、当該リードのような直角に曲げるのではなく、緩やかに曲げて残留応力を押さえるようにします。噴流はんだ付け後はやに入りはんだで再はんだ付けを行って強度を確保します。 〈参考〉「写真の構図について」 写真fはフィレットが斜めに写っています。このような写し方は悪い例です。写真撮影を行う場合、構図が悪いと見る人によっては写真から引き出すたくさんの情報を見落とすことにもなりかねません。見やすい写真を撮るには画面の中央に観察する箇所が写るように配置します。 次に、写真が出来上がった時に基板面が水平になるようにカメラのアングルを決めます。そのことにより、例えばリードが曲がって挿入されたかどうかが分かるというものです。

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Q6 チップのはんだ付け部で未はんだが発生しました。原因と対策を教えて下さい。

1.観察のポイント 1.1 熱不足について 未はんだは、溶融はんだがパッド(ランド)に接触しない現象です。写真aに示したように、未はんだ箇所を上から観察すると、パッドの銅が露出してはんだは付いていません。チップ固定のボンドがはみ出てパッドにかぶっています。 ボンドからは、溶剤がガス化して出ます。 リード先端にはフラックスが残留しているのが確認できます。写真bに示したように、側面から観察すると一部はんだがリード上部に付いています。 矢印の箇所には、気泡が確認できます。 1.2 基板に対するはんだの当たりが弱い 写真cに示した未はんだは基板搬送コンベアの爪の付近に搭載され、周辺には部品が存在していません。野原の一軒家のような配置にあるので、部品配列にかかわる問題はなく、ガスがたまりやすいこともなく、大きな部品の影でもありません。 写真dに示したようにこの未はんだの箇所ではリードがわずかに浮いて、フラックス残渣が多く存在しています。リードにははんだは濡れていません。基板に噴流はんだが接触していれば、フラックスは押しのけられているはずですし、当然リードには一部でもはんだが濡れているべきです。このことから、噴流はんだが接触しにくい状態にあったことが推定できます。 2.発生のメカニズム ポストフラックスは固形分(一般にはロジン)と溶剤分(IPA)で構成されています。ロジン分は活性剤と比較し熱伝導が悪い性質があります。溶剤は蒸発しますが、蒸発は沸点以下の湿度では表面から起こり、沸点以上の温度で初めて内部から蒸発が起こります。 アッセンブリが予熱ゾーンに侵入すると、フラックスは表面から蒸発が起こるので、表面層は固形分が多くなって、熱を遮断する作用があります。フラックス中のIPAが蒸発しきれずに、はんだバスに侵入すると、一気にガス化か起こり、多量のガスが空間を作って溶融はんだのパッドヘの接触を阻害し、熱の伝達も阻害します。 IPAは沸点83℃で約160カロリーの気化熱を必要とします。熱伝達の悪い状態の中、さらにIPAの蒸発でパッドから熱を奪い、フラックスが多くなると一層熱不足になります。 IPAの冷却についての例ですが、病院で注射を打った後、看護婦さんからIPAを含んだ脱脂綿を渡されて揉みます(IPAは殺菌作用がある)。この時、スーつとして冷やされるのを誰もが体験しています。実は同じ現象が基板のパッド部でも起き、はんだ付け部の温度を下げる結果になります。 本アッセンブリ全体を見ると、はとんど支障なくはんだ付けされています。未はんだはこの周辺に限定して4点確認されている点を考慮すると、熱不足と噴流はんだの接触不十分の相乗作用で未はんだに至ったことが推定できます。 基板に対するはんだの当たりが弱かった点については、実装ラインで次の点をチェックしなければなりません。 ①噴流の高さが低い。(一次噴流のノズルのつまり)一次噴流は予熱作用があります。 ②搬送の爪が高くセットされていたかどうか。 ③搬送爪に異物が付着していたために、基板が上がる状態になっていなかったか。 ④部品の配列により溶融はんだがパッド面に到達しない。 3.原 因 考えられる原因としては次の事柄が挙げられます。 ①熱不足。 ②はんだの当たりがが弱い。(発生ガスによる空洞化、基板の傾き、基板の反りなど) ③前記①②の総合作用 4.対 策 噴流はんだ付けで注意することは多量のガスが発生するということです。主な発生源はフラックス中のIPA、固形分、チップ固定のボンド、基板スルーホール、基板の打ち抜き穴、基板表面、はんだ寸け部の酸化、及び汚れなどが挙げられます。 そこで、はんだバスに入るまでいかにガス分を抜くことができるかがポイントになりますが、発生ガスを皆無にすることはできません。 対策としては回路設計、フラックス、噴流装置の管理の徹底、とに分けられます。まず、回路設計の見直しは、部品の大きさ、高さ、部品間スペースなどがあり、部品の密集箇所でのガス抜き穴の検討など、実装現場の設計に対するフィードバックは大切になります。 管理の見直しは、チップ固定ボンドを打つ位置、量、とそれらのバラツキ、予熱(コンベア速度、設定温度)条件の検討、一次噴流の高さの見直し、同ノズルの穴の掃除の徹底などが挙げられます。 はんだの基板への当たりは次のようにチェックします。 2次噴流の落とすスピードを速くします。基板面と噴流面とに傾きがなければ、基板面全体からフラックスが洗い流されて噴流面から落ちます。 一方、噴流面に対して基板が傾いて搬送されると、浮いている側の基板面からはフラックスは流れ落ちないか、流れ落ちても、少ないかのいずれかです。この場合、全面からフラックスが流れ落ちるように、基板搬送コンベアの爪の高さを調整します。

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Q5 ハトメした箇所のはんだ付けは、割れに強いのでしょうか?

1.観察のポイント 写真a、bに示したように、ハトメはフライバックトランスのように発熱し強度も要求される箇所に使用されます。 ハトメを行えば、はんだ割れは起きないという保証はありません。 写真c、dはハトメ部ではんだ割れを起こした状態を示します。使用環境は家庭内で静置状態で使用され、特に落下あるいは強い衝撃はありません。それでもはんだ付け部で割れは確認できます。 割れの状態も、写真dではハトメ金属に添って亀裂が横に走り、写真eに示したようにフイレットの矢印の箇所から放射線上に少なくとも4つの割れが確認できます。 2.原 因 ハトメのはんだ付け部の割れの原因は、ハトメ工程で発生した残留応力の開放によります。いずれの写真の割れでは導通不良には至っていません。 しかし、仮にハトメ金属の表面が酸化及び腐食があったにもかかわらず、作業者が気付かなければ、はんだ付け時に侵入したフラックスが酸化物に付着残留し不具合に至らないとも限りません。 3.対 策 一般に市場でのはんだ割れをみると、噴流はんだ付けが最も多く、次にリフローソルダリングで、やに入りはんだによるコテ付けは少ない接合方法です。前二者はアッセンブリが全体加熱で、溶融はんだが凝固するまで徐冷されるため、フイレットの組織が脆弱になるのに対し、コテ付けはほとんど瞬間的に凝固するために組織が緻密になっているからです。はんだ付け経験者であれば、噴流はんだ付けより100℃以上高い温度で作業をしても、コテを抜いたと同じくらいにはんだが凝固するのを経験しています。 はんだ付けの基本を習得し、噴流はんだ付け後さらに盛りはんだを行って、フイレットの高さと量を確保すれば強度は十分得られます。ただし、回路設計でランド面積が小さな場合はこの限りでありません。 残留応力については、ハトメ後で噴流はんだ付けする前に、残留応力を除去する熱処理を行えば(旧MIL-F-28809)起きませんが、実際にはどこも行っていません。それははんだ割れが起きていても導通不良には至らないからと.思われます。 確実にハトメ部をはんだ付けするのであれば、噴流はんだ付け後やに入りはんだで再度はんだ付けを行えば信頼性は高くなります。 ハトメにより金属破片が発生することがあるので、基板面に限らず作業場の整理、整頓、清掃は常に心掛けねばなりません。

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Q4 基板の部品側にはんだボールが多発しています。フラックスが原因と思っていますが、他のメーカーのフラックスを検討すべきでしようか?

ANSWER 1.観察のポイント まずアッセンブリを観察します。 ①写真aに示したように、フラックスが基板の部品面に上がっている。 ②はんだ上がりは良好。 ③写真bに示したように飛散したはんだボールにはフラックスが付着していない。 ④フラックスそのものの飛散は確認できない。 続いて未使用の基板を観察します。 ①写真Cに示したように、スルーホールの内面は凹凸が著しい。 ②しかし、内壁のはんだ表面の光沢は良好。 ③基板の穴加工面は写真dに示したように凹凸があり、ガラスエポキシの白色粉が付着している。 2.発生のメカニズム 基板メーカーの穴あけ加工用工具が摩耗し、穴の内壁は凹凸が著しく、しかも基板樹脂粉が付着しています。この後基板のスルーホールに銅めっき工程に移行しますが、めっき液の中で穴のこの凹凸部にめっき液が浸透します。めっき処理後はんだレベラーの工程に入ります。はんだレベラーの工程ではフラックスを使用しますが、このフラックスのはんだ付け性は良好で、写真cに示したように内壁は滑らかなはんだの肌を見せていま予。以上の工程の中で、水分が侵入します。 実装ラインでは、この基板に部品が搭載され、基板にフラックスが塗布されて噴流はんだ装置に入ります。予熱ゾーンに基板が移動すると基板に吸着された水分は蒸発を開始しますが、短時間では蒸は完了できず、蒸気を放出しながら噴流はんだバスに基板が侵入します。そこで蒸気は一気に激しく噴出、スルーホール部品側からはんだを激しく音を立てて飛散させます。写真aに示すはんだボールとして確認されます。 フラックス中の水分が原因で飛散した場合は、基板の部品面にフラックスの飛散もありますが、実際には確認されていないので、はんだボールの飛故はフラックスとは関係ありません。したがって、仮にフラックスを変更しても基板を改善しない限り、はんだボールの飛散はなくなりません。 3.予想される不具合と信頼性試験 基板エッチング液、めっき液及びはんだコートで使用したフラックスが残留して、スルーホール内に閉じこめられているので、吸湿すれば腐食し、基板内の導通不良の原因になります。 40℃90%以上の湿度中少なくとも96時間加湿試験を行い、スルーホール内の腐食の有無を観察します。試験基板は実装前の生基板及び噴流はんだ付けしたアッセンブリ、アッセンブリは部品を搭載したものとしないもの2種類を実施します。 4.対 策 今回の原因は基板の穴あけ加工に起因しているので、基板メーカーに現状を説明し改善してもらうことが重要です。この際、信頼性試験結果を参照し、腐食による導通不良の原因になる恐れがあることを説明すると良いでしょう。

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Q3 フラックス残渣で噴流はんだ付けの温度が適正か、どうかが分かるのでしようか?

ANSWER 全てのフラックスに適用できるとは限りませんが、写真a、b2枚の写真を比較すれば目安として分かります。 1.観察のポイントと発生のメカニズム 適正な抜態では、フィレットの失言に残渣が油滴状に残留しています。例えは、はんだバスから基板が抜ける時に溶融はんだは左右のフィレットに分かれますが、この時、フィレットになる部分の溶融はんだはフラックスがなければ大気に露出しますが、レジスト面或いは部品面にあったフラックスが速やかに移動して、溶融はんだを切りながらフィレットの表面を覆って大気を遮断します。このフラックスが皮膜状或いは油滴状になって表面に付着し、次に溶融はんだが接近してもはねのける作用をするのです。 ところがフラックスの量が少ない場合(もともと少なかったか、適正量あったが温度が高くて噴流 面から逃げてしまったかのいずれか)フラックスの動きは悪くなり、接動する溶融はんだに突き破られ、フラックスのないはんだ面が露出してブリッジになります。 写真bの左側では、状態は流動性のあるフラックスとしての働きが失われる段階になっています。フリッジはなくてもこの状態はフラックスの表面が青くなって油状のフラックスの状子は見当たらなくなります。この青色の箇所はIPAで拭くと綺麗なはんだ面が現れるので、はんだの腐食、変色ではありません。 アッセンブリでは部分的にこの色が出ます。その箇所は部分的に温度が高くなっていたか、或いは 部分的にフラックスの量が少なかったかのいずれかになります。 捨てランドのように大きなフィレットを形成する特に、近接するフィレットと溶融はんだの引き合いをします。 もともと、一定の厚みのフラックスであっても、その下の溶融はんだが各々のランドに戻る時、フラックスも一緒に引き寄せます。中間的存在だったフラックスは、その量を減らし青い色に変わります。

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Q2 大きなランドの脇の小さなランドで、はんだ量が少なくなるのはなぜでしようか?

ANSWER ■  1.観察のポイント 写真aは大きなランドと小さなランドがちようど綱引きをしている状態です。大きなフィレットには噴流はんだ槽で発生した酸化物が挟まっていて(写真b、c)、フィレット表面のフラックス残置は少ないのが特徴です(不良解析ではこのような問題個所で異物が確認された場合、基板の前面をくまなく探すことが大切です。どこかしらに必ずと言ってよいほど存在しているものです)。 この箇所はフラックスが多ければはんだは切れて、フィレットの異物も存在していなかったことが予想されます。図に描いたように2つのフィレットは、はんだバスから出る瞬間は1つのフィレットの形態をとっています。さらにはんだバスから出ると、2つのフィレットの間に存在しているはんだは、両方のフィレットから引っ張られることになりますが、当然大きなフィレットの方が強い力で引きます。そして、次にはんだバスから最後に離れる箇所、すなわちリードの先端から余分なはんだははんだバスに戻ります。この時、フラックスの量が少なくなるとツノが発生します。このようにして、写真dの小さなフィレットのはんだが少なくなります。 写真eの場合、クリンチ側で穴あきが発生しています。この箇所はほぼ同じ大きさなので引く力のバランスは保たれています。フラックス残渣も少なくありません。では、なぜ力の均衡が崩れたのでしょうか。 2.発生のメカニズム 写真fは、クリンチしているランド穴の内部を観察したものです。穴の内部にフラックス残渣が多量に残留しているのが確認できます。このフラックスははんだ付け時にガスを噴出していました。この力でランドの上にある溶融はんだは穴から押し出される状態になっています。 しかも、クリンチしたりードの先端は、捨てランドの方向に向いているので、はんだは捨てランド側に移動しやすくなっています。はんだバスからアッセンブリが出る時に、捨てランドは溶融はんだを引く状態になっています。この時、穴の内壁のフラックスがガスを多量に噴出し、はんだを外に押しやります。すなわち、捨てランドが溶融はんだを引き、クリンチの後方からガスがはんだを押し出して穴あきとなりました。 本来ならブリッジが発生してもおかしくないのですが、この周辺はフラックスが多かったことにより、はんだの切れが良くブリッジに至りませんでした。写真eも大きなフィレットに引かれてはんだ量が少なくなったものです。 大きなランドが小さなランドのはんだを引き寄せる力を応用したのが「捨てランド」になります。 捨てランドはSOPやQFPの噴流はんだ付けに限らず、やに入りはんだの流しはんだ(引きずりはんだ)にも広く採用されています。しかしせっかくの捨てランドも以上のような認識がありませんと、写真gのように効果がなくブリッジが発生することになります。

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