月別アーカイブ: 5月 2015

Q20 ICのはんだ付け部で割れが市場で発生しました。設計等に生かしたいと思いますのでポイントを教えて下さい。

ANSWER 1.観察のポイント ①基板の反り。 ②放熱板の基板への固定状態。 ③ビスによる放熱板への固定の状態。 ④ICの接着の状態。 ⑤ICのはんだ付け部のランドの大きさ。 以上のポイントが挙げられます。 はんだ付け前に放熱板とIC一式を基板のランド穴に挿入し、ボンドを介して写真aに示したようにICと放熱板を1本のビスで固定しています。放熱板にタップをたててねじを切り、そこに直接ビスで止めていますが、スプリングワッシャー、ナットは使用されておりません。時計回りの力により、ビスを境として右側の放熱板が強く基板面に押し付けられ、これが噴流はんだ付け時の熱で緩む原因となってしまいます。放熱板の基板への固定は、2つの端子を噴流はんだ付けで行なっていますが、写真aの左側の放熱板の端子は写真cに示したように大きく割れ、フィレットの高さも低く、はんだ量も少なくなっています。これに対し右側の端子は写真dに示したように、やに入りはんだで修正され、はんだの量も十分あってはんだ割れは確認できません。 ICのはんだ付け部は写真bに示したように13箇所あり、左側のフィレットほど割れは顕著なのが特徴です。割れは繰り返し荷重がかかった形跡はなく、時間をかけて割れた様相を呈しています。ICのはんだ割れを写真e、fに示します。フィレットの大きさからすると、写真eのフィレットより写真cのフィレットの方が大きく、それだけに写真cの端子のはんだ付け部は強度があるはずですが、実際にはcの割れ(割れという隙間)が最も大きい状態になっています。 2.発生のメカニズム 放熱板のビス止めの固定方法が適切でなかったために、噴流はんだ付けの熱影響で放熱板と基板とが緩むきっかけができてしまいました。噴流はんだ付け後、作業者はこの箇所のはんだ量が少ないことの持つ重要性を認識していなかったために、追いはんだを行う意識もありませんでした。これに対し写真dの端子は作業者の目から明らかに修正しなければならないはんだ付け不良が確認されたので、作業者は修正のため追いはんだを行っています。(やに入りはんだの修正ではんだ量が少ないと割れが起きます) 製品使用中にICが発熱し放熱板と基板の押さえ部が一層ゆるんで、左側の端子から割れが開始して、次にICのはんだ付け部に割れが転じ、さらに進行した訳です。 3.対 策 発熱する部品のはんだ付け部は強度低下の危険性を常にはらんでいます。この熱をいかに逃がすかは回路設計を含め重要になります。今回のはんだ割れは根本的には放熱板の固定の方法に欠陥があり、さらに作業者がはんだ付け性の持つ重要性を認識していなかった点にあります。 見直す点は以下の通りです。 (1)放熱板の大きさ、形状、底面の機械加工の精度(バリは厳禁)。 (2)基板への固定方法。 (3)放熱板へのICの固定方法。 (4)ランドの大きさとその導体巾(放熱効果) このような事故を未然に防ぐためには、作業者のはんだ付け作業の重要性の認識、技量、集中力が要求されます。 特にはんだ付けでは、やに入りはんだによる追いはんだを実行することで強度が確保されます。      

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Q19 電気めっきのはんだ付け部で、はんだはじきが発生しました。どのような原因なのか教えて下さい。

Answer 1.観察のポイント 写真aは、噴流はんだ付け後のはんだはじき(dewetting)を起こした外観です。さらに拡大したのが写真bで、この写真では小さな黒い斑点が無数観察できます。 写真cは未使用のめっき表面で、特に異常は確認できませんが、拡大すると写真dとなり、噴流はんだ付け後の顕微鏡写真と黒い斑点が一致します。 めっきの状態が悪いと写真eに示したようにガスが発生して界面に空洞を作ります。このような状態になっているめっき部を加熱すると、めっき部が溶融する前に写真fに示したように剥がれることがあります。 参考までに、噴流はんだ付けで発生したはんだはじきを写真gに示します。はんだはじきはパッド表面の酸化、汚染などにより発生したものです。 本はんだ付け部では、針状結晶が観察されています。この状態を写真hに示します。この針状結晶は、はんだバスの銅分の溶け込みが多くなると多発します。 2.予想される不具合 市場の温度サイクル、振動などによりはんだ剥がれが起きます。 3.原因と対策 はんだはじきはもともとめっきの状態が悪かったことに起因しています。これは一連のめっきの前工程の脱脂、酸洗い、洗浄などの不備、めっき工程では浴の老化が挙げられます。まれに素材の品質が悪い場合も起きることがあります。 実装ラインですずめっき、はんだ合金めっきの表面が白あるいは鼠色に変色している場合は、はんだはじきが予想されます。 4.めっき良否の判別法 抜き取りでリード線をめっき部にはんだ付けして引き剥がしてみます。簡単に剥がれた場合、同じ箇所を再度新しいリード線をはんだ付けして剥がしてみます。簡単に剥がれれば、めっき不良となります。剥がれなければ1回目のはんだ付け作業のミスとなります。 めっき不良の場合は地肌が出るまで砂消しゴムでこすって、その箇所にはんだ付けをします。室温に冷却した後、一般には引き剥がすのが困難になるほどしっかり付いています。これを判断基準とします。 めっき部の1回目のはんだ付けで、判断基準の強さが得られれば良い訳ですから、めっきメーカーに対して、この方法で満足しためっき品を納入していただくようにします。 この判別法は設備を必要とせず、手軽でしかも正しい判断ができます。電気めっき、無電解めっきに応用できます。 この方法で簡単にはんだ付け部が剥がれる場合は、市場においてもはんだ剥がれの事故が起きます。すずめっき、金めっき、はんだめっき、銀めっきに適用できます。  

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Q18 部品のリードの腐植とはんだ付け後のスルーホール内の挙動を教えてください。

            1.観察のポイント 写真aは、はんだ付け前の抵抗のリードを示したものです。よくリードの表面は部分的に腐食している場合があります。 噴流はんだ付けではフラックスが塗布されると、腐食部の水分とフラックス中の活性剤分とが結びつきます。 さらにこれが予熱ゾーンで加熱されるとこの結びつきは強固になります。 この状態ではんだバスに入るとこの箇所から盛んにガスを発生します。写真bでは、スルーホール内のリード線の周辺からガスが多数発生しているのが観察できます。さらに加熱が続くとガスは互いに融合して大きくなり、写真Cに示す大きなブローホールに発達することがあります。 2.予想される不具合 溶融はんだ中のブローホールははんだが凝固するとその容積は小さくなります。このことはブローホールがただの空間ではなく、圧縮された空気が詰まっていると考えることができます。したがって、この空間は膨張しようとする力を持っています。写真bのフィレットに存在する大きなブローホールは、使用環境の温度サイクルを受けて膨張収縮を繰り返すことにより、はんだ割れの原因となります。 3.対 策 日頃、実作業に従事している人なら、リードの汚れは目視で識別できます。正常品と比較して一瞬のうちに目に付くようなら、これは要注意です。メーカーに連絡することが第一優先となります。部品メーカーでは、リード線はメーカーから購入しているのがほとんどです。アッセンブリの現場から苦情が出たのであれば、部品メーカーは社内在庫品を確認した上でリード線メーカーに改善してもらわなければなりません。 リード線メーカーでは抵抗などに使用されるリード線は、最終線径まで線引すると鋼線をフラックスの中を通し、次に溶融はんだ(或いは溶融すず)中に自動浸漬し、はんだめっき線を作ります。無洗浄タイプのフラックスを使用しているので残流は普通洗浄しません。一般にはリード線の腐食は斑点状が特徴です。はんだめっきした時のフラックスがはねて付着し、それが吸湿した可能性があります。リード線のメーカでは、フラックス中の水分量とイオン物質の量を測定します。この結果によって、フラックスを交換するか否かを決めなければなりません

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Q17 SOPでブリッジが発生しています。原因と対策を教えてください。

ANSWER チップ混載のアッセンプリにはQFP、SOPのような表面実装部品が搭載されており、はんだ付け不良としてブリッジがよくみられます。原因にはいろいろな因子があって、どの因子が最も強く出たかは一つひとつ検証しなければなりません。本アッセンブリにおいては下記の理由によるものでした。               1.観察のポイント ①本SOPはフェノール基板の端に近い所に搭載され、しかもSOPが搭載している側では基板の厚み分の反りが発生し、基板の割る箇所ですでに基板割れが起きている(写真a)。 ②写真bに示すブリッジが基板を流す頭側で発生している。 ③写真Cに示したブリッジのないSOPは基板の中央に位置している。 ④写真bの側面のリード形状を写真dに、写真cのリード形状を写真eに示す。 ⑤基板上その他のフィレットでは、基板に対しほぼ真上にツノが発生している(写真f)。 ⑥ツノの多発は基板割れの周辺に集中している。 本SOPの基板搭載位置はコンベアの爪の付近にあり、その近くで基板の厚み分の反りが発生しています。アッセンブリ全体からみるとコンベアの爪が支えている基板の高さは正常ですが、基板割れを境として、反対側は基板の厚み分かはんだバスに深く浸漬したことになります。この基板割れは、写真gに示したようにケースの端子をひねって基板に固定したことにより発生したものです。 SOPのブリッジとその他の部品でのツノの発生に共通していることは、フィレットのはんだ切れに有効なフラックス量が減少している点です。                   2.発生のメカニズムと対策 基板にケースをひねって取り付ける時に、何らかのミスで基板に大きな応力をかけることになってしまった。フラックス塗布後アッセンブリは予熱ゾーンに入りますが、この時ケースが熱変形し、その力で基板を割っています。この割れによりコンペアの爪の位置を基準とするとヽはんだ付け面は基板の厚み分下がったことになります。 このまま噴流はんだバスに侵入したので、噴流する溶融はんだの基板面に対する当たりが強くなり、フラックスは洗い流され、さらに二次噴流でもフラックスは洗い流されてしまいました。この結果、フイレットを形成するのに必要なフラックスが減少し、ブリッジの発生に至っています。当該SOPのリードの形状は写真dに示したように、写真eと比較して外観が異なり、パッケージとの隙間も狭い状態にあるので、溶融はんだの通りが阻害されやすい傾向にあります。他のはんだ付け箇所でもフラックスは洗い流され、ツノが多発しています。ツノは基板面に対しほぼ垂直なので、コンベアスピードと噴流の落ちるスピードが良好な状態にあったことを裏付けています。 ここでは、ケースの基板への固定法について設計段階に戻り検討しなければなりません。このような固定の方法は、基板にストレスを与えるばかりでなく、振動を拾って緩むと、再び固定することはありません。はんだ割れ、導体破断などの事例もあります。作業者ははんだ付け部に目が行きがちですが、全体の状態を観察することで目視でも分かりますから、はんだ付け後の基板割れに注意されると良いでしょう。その他の条件は良好なので噴流はんだ付け条件をいじってはなりません。 〈参考〉 「ひねり」による固定方法のほかに、「かしめ」も同じように基板に与える影響はあります。いずれの固定方法も、一度ゆるむと二度と固定はできなくなるので、ゆるんだときに力がはんだ付け部にかからないような構造にしておかなければなりません。

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