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Q10 リードの濡れ不良がなぜ発生したのでしょうか。

1.観察のポイント ①写真aに示しかように、はんだ量が少なくフラックス残渣がない。 ②写真aのリードの表面が酸化し、はんだが濡れた形跡がない。 ③写真aでフィレットの肌がブツブツになっていて、はんだボールが3個確認できる。 ④写真aでははんだ不濡れのままフィレットにリードが載っている。 ⑤平行部がないリードの形状している。 ⑥写真bは別の不濡れであるが、同じ基板の同じメーカの部品で、フィレットに過剰 と言うくらいはんだが付いている。 ⑦写真bの表面はリードの酸化物が転着している。 ⑧写真cのリードとフィレットの境に少し隙間がある。             2.原因と発生のメカニズム フラックス残渣が洗浄されて存在しないために、はんだ付け時のフラックス挙動が読めない状況にあります。はんだ量を比較するとリード浮きをしている箇所のフィレットでは明らかに少ないことが分かります。 少なくなったのは印刷のミスとはんだボールで消失した場合が考えられます。 ③で記したようにフィレットの手前壁面にはんだボールが確認できることから、当該リード浮きのはんだ量の減少ははんだボールとなってフィレットから逃げたことが想定できます。 しかも、フィレットの表面はブッブツした肌を見せており、正常なフィレットではこのような状態が確認できないことから、はんだが逃げた原因はアッセンブリの搬送コンベアの振動ではなく、クリームはんだの溶融時に要因があったことになります。 次にリードがフィレットの上に載っていることは、リードが浮いていることになります。浮いてはいても正常なはんだ量のフィレットをもとに検討すると、仮に浮いたとしてもこの程度の浮きであれば、多少なりともリードはフィレットの中に入り込んでいなければなりません。しかし、現実にはそのはんだがないのです。リード先端の形状と正常なはんだ量をもとに考察すると、クリームはんだの印刷後マウント状態では、全リードは図aに示したように、印刷したクリームはんだの中に突き刺さっていたことが想定できます。 それではリフロー炉に入って、ここで一体何か起きたかということです。       それを解く鍵は熱の伝達にあります。リフロー炉に入ると、図aのリードの先端は最も早く温度が上がり、クリームはんだはこの箇所から溶け始めます。他のリードが先に濡れると、溶融はんだはリードに這い上がりながらリードをパッドに引きつけます。この時、当該リードは反動で上にはねるようになり、この動きが、リード先端部のはんだを外にはじき出してしまい、多量のはんだがフィレットから失われた訳です。この段階ではフィレットの上部とリードの低面とは接触していますが、フィレットが凝固したことで収縮しわずかながら隙間ができたことになります。 以上の現象は不具合リードでは丁度はんだが溶け始めた時点で起きているから、リードにはんだが濡れる時間のゆとりもありませんでした。それでリードは全くはんだが濡れていないのです。また、はんだは溶け終わった時に凝固を開始しているから、表面がブツブツになっているわけです。 3.対策 部品の受け入れに注意を払うとともに保管管理の徹底を図ります。  

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