Q13 手付けしたQFPの断面写真を撮りました。観察のポイントを教えてください。

ANSWER

1.観察のポイント

研磨技術は大変優れています。写真aではガラエポ基板のガラス繊維の状態が鮮明に出ています。このように丁寧な研磨は、はんだ付け部の組織の状態を正しく表現してくれます。はんだ付けも良好  なフィレットを形成しているのが分かります。写真bでは一部ヘアクラック状の線が確認できます。これを拡大したのが写真cです。本来ならα相とβ相がはっきり組織としてでるのですが、金メッキのはんだ付け部なので、はんだに金が拡散して全体的には白く見えます。

顕微鏡断面組織のカラー写真では、画像そのものはどちらかというと表現力に欠ける場合があります。この点電子顕微鏡写真では鮮明な組織が表現されます。写真cをコピーしたのが写真dになり、組織がはっきりします。

図aは角度を変えて観察しているところを示します。観察の角度を変えますと組織は図bに示す絵が描けます。

この組織の違いについて説明しますと、Aの領域の組織はリードに熱が奪われて凝固した組織、Bの領域の組織は基板のパッドに熱が奪われて凝固した組織になります。この境の線ははんだが最後に固まった所で、このフィレットでは強度が弱い箇所になります。リードに力が作用するとリードのかかと部分から割れが発生しやすいのは、このような状態フィレットの組織がなっているからです。

このような状態は一般的ではんだ付け部不良とは言いません。本写真は研磨が優れていたことで正しい判断ができました。それだけにはんだ付け部の断面研磨技術は重要で、研磨に長けた方が定年退職したということで、その事業部の技術力が低下した逸話はあります。

2.断面組織の観察

①α相/β相の全体的な面積の比率である程度の錫鉛の含有量が分かる。

②今回の例のようにはんだの凝固の状態が分かる。

③はんだ付け部に作用した力の状態が分かる。

④めっきの厚さ、合金層(金属問化合物)の状態が分かる。

⑤割れの状態が分かる。

⑥ブローホールの発生の位置が分かる。

 

■参考写真...力と組織

写真eは力が作用していないときの組織です。

写真f、gは引っ張りで破断したはんだ線と先端の破断組織です。

写真h、iは折り曲げて破断した線と先端の破断組織です。

写真j、kはカッターナイフの切り込みと先端の断面組織です。

写真|はニッパーで切断した時の断面組織です。

写真iは、何度も折り曲げられた先端部の状態ですが、微細化した組織になり、少し離れると伸びた組織が観察できます。写真lでは表面は組織が潰され、中心部は組織が伸びているのがわかります。このように、はんだは加えられた力によっていろいろな組織に変わります。逆にこのような状態の組織を理解しておくことにより、市場でどのような力が作用したのかが断面組織を見ただけで分かるようこなります。                              (研磨協力:㈱三啓)

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