Q4 基板の部品側にはんだボールが多発しています。フラックスが原因と思っていますが、他のメーカーのフラックスを検討すべきでしようか?

ANSWER

1.観察のポイント

まずアッセンブリを観察します。

①写真aに示したように、フラックスが基板の部品面に上がっている。

②はんだ上がりは良好。

③写真bに示したように飛散したはんだボールにはフラックスが付着していない。

④フラックスそのものの飛散は確認できない。

続いて未使用の基板を観察します。

①写真Cに示したように、スルーホールの内面は凹凸が著しい。

②しかし、内壁のはんだ表面の光沢は良好。

③基板の穴加工面は写真dに示したように凹凸があり、ガラスエポキシの白色粉が付着している。

2.発生のメカニズム

基板メーカーの穴あけ加工用工具が摩耗し、穴の内壁は凹凸が著しく、しかも基板樹脂粉が付着しています。この後基板のスルーホールに銅めっき工程に移行しますが、めっき液の中で穴のこの凹凸部にめっき液が浸透します。めっき処理後はんだレベラーの工程に入ります。はんだレベラーの工程ではフラックスを使用しますが、このフラックスのはんだ付け性は良好で、写真cに示したように内壁は滑らかなはんだの肌を見せていま予。以上の工程の中で、水分が侵入します。

実装ラインでは、この基板に部品が搭載され、基板にフラックスが塗布されて噴流はんだ装置に入ります。予熱ゾーンに基板が移動すると基板に吸着された水分は蒸発を開始しますが、短時間では蒸は完了できず、蒸気を放出しながら噴流はんだバスに基板が侵入します。そこで蒸気は一気に激しく噴出、スルーホール部品側からはんだを激しく音を立てて飛散させます。写真aに示すはんだボールとして確認されます。

フラックス中の水分が原因で飛散した場合は、基板の部品面にフラックスの飛散もありますが、実際には確認されていないので、はんだボールの飛故はフラックスとは関係ありません。したがって、仮にフラックスを変更しても基板を改善しない限り、はんだボールの飛散はなくなりません。

3.予想される不具合と信頼性試験

基板エッチング液、めっき液及びはんだコートで使用したフラックスが残留して、スルーホール内に閉じこめられているので、吸湿すれば腐食し、基板内の導通不良の原因になります。

40℃90%以上の湿度中少なくとも96時間加湿試験を行い、スルーホール内の腐食の有無を観察します。試験基板は実装前の生基板及び噴流はんだ付けしたアッセンブリ、アッセンブリは部品を搭載したものとしないもの2種類を実施します。

4.対 策

今回の原因は基板の穴あけ加工に起因しているので、基板メーカーに現状を説明し改善してもらうことが重要です。この際、信頼性試験結果を参照し、腐食による導通不良の原因になる恐れがあることを説明すると良いでしょう。

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