Q8 なぜ、チューナの端子ではんだ割れが起きたのでしようか?

 

 

ANSWER

1.観察のポイント

①ランドに片側穴あきが生じ、はんだ量が少ない。

②ランド表面の濡れは良好だが、ランド外側のレジスト付近は銅が露出している。

③端子に腐食が確認できる。

④端子の腐食部以外ははんだが良く濡れている。

⑤この写真では右上の端子の順に赤錆が発生している。

2.原因と発生のメカニズム

使用しているポストフラックスははんだ付け性の良いのを使用しています。これは端子の腐食部以外の濡れが良いことと、ランド表面が滑らかな面を見せていることが理由です。実装ラインでは基板の表面状態及びリードの酸化或いは腐食などにより、はんだ不良が発生していたにもかかわらず、はんだ付け性の良いフラックスで対処してきたことに起因しています。

フラックスが塗布され子熱ゾーンを通り、はんだバスに侵入しますと、腐食部分から多量のガスが発生します。付き性の良いフラックスなので、腐食部の隙間を縫ってはんだが濡れています。端子の斜め左手分けはんだが付いてフイレットが形成されているので、この内部には腐食はないと推定できます。しかし斜め右半分は端子が腐食しているので、はんだバスに浸漬中この腐食部は溶融はんだで覆われていても盛んにガスを放出します。本端子部がはんだバスから抜ける特にガスを噴出していたため、ガスがはんだを押しのけ、さらに切れの良いフラックスを使用していたことにより、端子の正常な箇所の溶融はんだが引いた結果、写真に示す穴あきになってしまいました。

この結果、写真dに示したような導通不良が発生し、細部では写真eに示したようにはんたが再溶融した状態が確認できます。参考までに撮影の状態を写真fに示します。

ここで問題になるのが、フライバックトランスのはんた付け部です。この箇所にはハトメはされていません。写真g、hに示したように、フライバックトランスのはんた付け部では欠陥は確認できません。噴流はんた付けでははんだ量は少なくなっているので、フィレットの高さとはんた量を確保するために盛りはんだが行われ、現状のフィレットになっています。

市場に出てからチューナのプレス成形時の残留応力が徐々に開放され、写真に示される部位で割れに至ったものです。

3.対 策

①チューナの端子部は比較的大きいので、基板に挿入寸る際は必ず目視チェックします。

②腐食の発生しているチューナーが確認できた場行は、メーカに改善要求を出します。

③自社の部品保管の管理を強化します。

④噴流はんだ付けのフイレットのチェックを厳しくし、修正の際は拡大鏡の視野の中で、はんだを吸い取り、腐食部をカッターナイフで除去してから再はんだ付けを行います。

⑤基本としてU腐食部を除去しないで追いはんだをして、はんだをかぶせてはなりません。市場に出てから発熱し、フィレットが溶融したり、燃えたり、はんだ割れの原因になったりします。

⑤このような箇所は外観が正常であっても再度コテ付けを行うとフィレットの強度は向上します。

〈参考:端子腐食部がフィレット内に存在していた場合〉

腐食生成物には、水分、イオン物質が存在しています。はんだ付け時に腐食部にフラックスが来ますが除去できなくなると、フラックスは腐食部にとどまったままはんだが覆います。やがてフィレット内部でフラックス中の活性剤が腐食生成物と結びついて腐食を促進しガスも発生して徐々に腐食部が拡大します。このようにして接合部の面積が減少すると、電気抵抗は面積に反比例して大きくなるので、抵抗が大きくなった分ジュール熱でより発熱し再溶融、はんだ割れなどの事故に進展します。

この時、使用するやに入りはんだが活性の高いフラックスの場合は顕著に出やすくなります。

部品、基板のはんだ付け部を日頃から管理すれば、事故は未然に防ぐことができますが、管理を怠っていると、このように悪い方に結果が進行することになります。

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