Q10 チップ脇のはんだボールは、どのような悪さがあるのでしょうか?

ANSWER

1.観察のポイント

写真aは、チップ固定ボンドから発生したはんだボールを示します。チップの大きさと比較すると、大変小さいことが分かります。写真bは、ボンドから離れた位置に飛散したはんだボールを示します。

写真cは飛散したボールによって未はんだ部で濡れた写真です。写真dはこの写真の部分拡大ですが、はんだボールが発生した箇所を示します。

2.発生のメカニズム

チップ固定のボンドの溶剤が予熱が終了しても残留したままはんだバスに侵入します。この時アッセンブリから多量のガスが発生し、当該パッド部はガスによりドーム状になっています。ボンドから発生したガスははんだを微細にはじけさせ、これがボールとなってドームの空洞部に侵入します。この空洞部の上面にはポストフラックスが基板面についているので、ここにはんだボールが付着し、空洞のままはんだバスから基板が離脱して、はんだ付け完了後の基板のレジスド面にボールとして存在することになります。

写真cの場合ははんだボールがレジストではなく、パッドに付着したものです。ここで濡れているということは、パッドの表面温度がはんだ付け温度に達していたことを証明するものです。したがって、この未はんだ部は熱不足が原因ではないことを裏付けるものです。このように発想を変えるとパッドのはんだの斑点は温度センサーの役割があるということに気付きます。

3.予想される不具合

チップ脇にこのようなはんだボールが発生するということは、ボンド中に溶剤が液体として残留していることになります。

市場の使用環境で温度サイクルを拾うと、溶剤は簡単にボンドから蒸発しない場合があり、これが液体~気体、気体~夜体を繰り返すごとになります。図aはこの状態を示します。この時の状態変化は体積変化となって、膨張収縮を繰り返しチップ電極部からはんだ割れを起こす原因になります。

チップ脇のはんだボールが確認できた場合、チップ部品の電極部が酸化されて、はんだの濡れ性が劣っている場合は、はんだ付け界面が不十分な接合になっているので、はんだ割れに影響が出やすく、要注意となります。

4.対策

はんだボール対策としては、チップ固定ボンドの硬化条件を見直します。また、基板のガス抜き穴を増やして、はんだバス中でガスが発生して部品間でドーム化(ガスによる空洞化)が起きないようにすることも大切です。

 

 

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