Q12 なぜ、この基板にだけ穴あきが多発したのでしょうか?

1.観察のポイント

①リードの大きさからしてランド穴が特に大きいということはない(写真a)。

②クリンチしたりードの背はフラックスの効果が薄れて滑らかな肌はしていない。

③矢印1の箇所はグリーンの色をしているが、これはこの部分のフィレットにレジストの色が反  射して写っているが、このはんだ表面は滑らかになっている。

④ランド面にははんだが良好に濡れている。

⑤矢印2の箇所はランドが突起してランド全体がめくれている。

2.発生のメカニズム

片面基板ではんだ付け前にすでにランドは現在の状態にめくれていました。参考として写真bに片面基板の金型打ち抜いた時のランドを示します。基板を金型で打ち抜く場合、打ち抜き頻度が多くなるとポンチが摩耗します。これは打ち抜き性が低下してほとんどのランド穴で写真cに示すめくれがが生じます。

 

この状態になると、打ち抜かれた穴の内壁は基板樹脂がザクザクの状態になっています。したがって、この基板の内壁は保管中に水分を吸着し、はんだ付け工程でさらにフラックスが塗布されるので、基板がはんだバスに入るとガスを多量に発生して、穴あきの原因の1つになります。

また、このようにランドがめくれていると、突起の状態になるので、はんだバスの中ではんだの流れは図aに示したように、ランドから遠ざかるように流れます。すなわち、内壁から発生するガスと溶融はんだの流れが変わることにより、穴あきが加速されます。

このランドのめくれは注意すると、肉眼でも気付くので容易に良否が判断できます。しかし、はんだレベラーがかかって、はんだがランドの表面にコートされていると、ランドのめくれが確認できにくくなります。写真cにははんだレペラーのランドを示しますが、凹凸は分かりにくくなっています。光源の角度を変化させて観察すると、ランドの穴の外周部でめくれているのが分かります。

溶融はんだ中ではこの突起部の銅の溶け込みが早く、基板ランドは銅で汚染されたはんだがコートされることになり、はんだ付け不良またははんだはじきの原因になります。

実体顕微鏡で観察すると、めくれ箇所は凸状になっているため、高さ調整で研磨した時に露出し銅の色が写真dで観察できます。

3.対 策

さっそく基板メーカーに改善してもらいます。金型のポンチの再研磨は基板メーカーが実施するのはまれで、普通金型屋さんが行います。基板メーカーはショツト数(打ち抜き枚数)と再研磨の関係を徹底させなければなりません。

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