Q13 基板上、場所が限定して穴あきが発生しています。どのように観察したらよいでしょうか?

ANSWER

1.観察のポイント

①ランドの全面が良く濡れている。

②ランド穴径とリードの間隙は良好である。

③時計の20分方向にリードとランドにブリッジが発生している。

④同じ箇所に抵抗があり、③のブリッジの延長線上にこの抵抗のはんだ付け箇所が位置している。

⑤フラックス残渣の量は多い。

⑥左下に糸くずが存在している。

以上のポイントが挙げられます。

さて、①については、ランドの平面度は良好で、はんだの濡れの状態も良いことから、基板ランド面に穴あきの原因はありません。

②について、ランド穴が大きすぎると穴あきの原因になりますが、本の穴あきの箇所はむしろ良好と言えます。

③について、これは重要な観察ポイントになります。

④について、これも重要な観察ポイントとなります。前項の③との関係から、基板の流した方向は本写真の上から下になります。

⑤について、フラックス残渣の量が多いことは、はんだの切れが大変良いことになります。

⑥について、このゴミははんだ付け後に付着したものです。噴流はんだ槽の周辺の整理、整頓、清掃の基本管理にかけていることが想定できます。このようなことから、実装関係者の「はんだ付けの重要性」に対する認識が薄い、と判断される根拠となります。

観察のポイントに対しては以上になります。ここで穴あきの因子として、リードの表面状態が問題となります。本写真ではリード表面の状態は全く分かりません。ここで注意して検討すると、解析依頼のコメントとして、「場所が限定している」と言われている点です。このコメントは結論として、リードの表面状態は良好であったことを証明するものです。

それは、はんだ付けされる部品は最低リードが2本あるからです。リードの表面状態が悪いのが原因であるならば、もう一方のリード側でも穴あきが起こります。

その場合、依頼者は「場所に限定して」と言わず、「部品に限定して」とコメントするはずです。

実際には「場所に限定して」というコメントなので、観察ポイントの検証結果からし「配置に問題がある」ということがはっきりしてきます。「配置に問題がある」点を改めて見直すと、「ランドと抵抗のはんだ付け部が接近しすぎている」ことが分かります。穴あきはこの「接近しすぎている」のが、原因となっています。

2.発生のメカニズム

固形分の多いフラックスが基仮面に供給され、噴流はんだ付け装置に入りました。温度プロファイル、はんだ槽など全て正常です。予熱ゾーンからはんだバスに侵入し、ここでもはんだ付けは正常に進行しています。

まず、写真の上に位置している抵抗がはんだバスから抜け出ました。本写真のランドの上半分まで正常な進行状況です。ランドの右側の基板面はフラットで広い面積があるので、抵抗があるランド右側と比較してはんだの流れは速くなります。そのためランド右側では溶融はんだは動きが鈍くなってとどまりやすくなっています。

全体的にフラックスが多いために、ランド左側からはんだの切れが始まります。先に述べた「溶融はんだの流れが速く」、しかも「切れが良い」ことにより、はんだの流れをランド面上時計の20分方向に変える働きをします。この方向とランドと抵抗との位置閉係が一致しているので、時計の20分方向のはんだの流れは、抵抗のはんだ付け部に一層引き寄せられるようになります。引き寄せられながらはんだは移動しますが、多いフラックス分よってさらに切れが良くなり、これがランド上のはんだの流れを加速します。

このようにして抵抗の電極部にはんだが引き寄せられるようになりますが、この後、はんだバスから流れ落ちるはんだに引き寄せられ、ランドのフィレットになるはずのはんだは、はんだバスの中に流れ落ちてしまい穴あきになってしまいました。

3.対 策

基本的には回路設計のミスが原因しているので、部品のレイアウトを変更しない限り皆無にはなりません。

現状では次の点を検討します。

①基板の流す方向を変える。

②フラックスの塗布量、固形分を少なくする。

③二次噴流の落とすスピードを変える。

④回路設計者にフィードバックし、次同設計に役立てる。

残渣が多いことは、過去に部品或いは基板のはんだ付け部に欠陥があり、固形分の多いフラックスで解決したことが予想されます。

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