Q14 部品に限定して穴あきが起きています。どのような原因でしょうか?

1.観察のポイント

①写真aの3本のリードはいずれも先端にはんだが濡れていない。

②穴あきの箇所を観察すると、片面基板であることが分かる。

③穴あきの箇所を観察すると、リードの表面めっきが消失し地肌が露出し、しかも露出部はランドの面と高さがほぼ一一致している。

④右端のフィレットでは、リードに対し矢印の半分で一一部はんだがはじいている。

⑤そのためフィレット裾野が正常な曲線を描いていない。

⑥ピントはずれているが、右上のフィレットは良好な裾野を描いている。

⑦穴あきの筒所はランド穴がリードと比較して極端に大きいということはなく、ランド全面にはんだが良く濡れている。

以上のポイントが挙げられます。

さて、①については、同じ傾向ではんだが濡れていません。このことからリード側にはんだ付け不良を起こす要因があったものと推定できます。

②について、片面基板では一般には金型プレスで打ち抜いてランド穴をあけます。加工精度が落ちてくると、穴の内面はザクザクとなり、吸湿しやすくなります。

③に付いて、リードは表面にめっきがかかっています。これには溶融はんだめっきと電気めっきとがあります。前者の場合、噴流はんだ付けではじいたとしても、はんだの色をしていなければなりません。本写真では地肌が見えているので、後者の電気めっきだったことが分かります。

④について、程度の差はあっでも、リードのめっき状態が悪かったと推定できます。

⑥について、右上のフィレットが良好であることから、使用したポストフラックは良好であったと推定できます。はんだ、フラックス、温度プロファイルなどは良好と言えるようです、

⑦について、基板のランドも正常と言えます。

2.発生のメカニズム

当該部品のリードはリン青銅で、これに下地銅めっきの錫系合金めっき(この項では以降すずめっき)がかけられていたいたものと推定できます。すずめっきの密着性が悪く、しかも、密着不良部のリン青銅の表面は銅の色はしていても、すでに変色してはんだとの濡れ性が悪い状態にありました。

アッセンブリにフラックスが塗布され、予熱ゾーンを経てはんだバスに侵入すると、溶融はんだ中で密着不良部からガスが発生します。このガスが溶融はんだ中でフラックスをリード部から離脱させ、すずめっきもリードから離脱しました。密着不良部は高さ的にランド面と同じレベルにあるので、はんだはリードに濡れることなく噴流はんだ付けは完了しました。

めっきの密着不良の例として写真b、c、dに示します。これはハイブリッドICの樹脂部を外したもので、写真bはセラミック基板側でリン青銅の地肌が露出し、写真cは樹脂側にめっきが剥がれた面を見せています。めっき不良の場合、写真c、dに示したように、はんだ付け時に簡単に剥れることがあります。これもめっき不良によるはんだ事故例です。部品は基仮に自動挿入されるので、実装ラインで気付くのは大変難しい状況にあります。

3.対 策

まず、未使用の部品に対してはんだウオッシャーを実施し、はんだ不濡れがあるかどうかの確認をとります。不濡れが確認できたら、部品メーカーに現物と写真を提示して改善させます。この場合、保管についての管理不備が指摘されることもあるので、日頃から部品の保管(保管環境と管理の記録)は徹底し、不備のないことを申し添えなければなりません。

不具合は数年後に発覚することがあるので、部品メーカーにあっても出荷製品の製造記録が必要になります。

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