Q19 電気めっきのはんだ付け部で、はんだはじきが発生しました。どのような原因なのか教えて下さい。

Answer

1.観察のポイント

写真aは、噴流はんだ付け後のはんだはじき(dewetting)を起こした外観です。さらに拡大したのが写真bで、この写真では小さな黒い斑点が無数観察できます。

写真cは未使用のめっき表面で、特に異常は確認できませんが、拡大すると写真dとなり、噴流はんだ付け後の顕微鏡写真と黒い斑点が一致します。

めっきの状態が悪いと写真eに示したようにガスが発生して界面に空洞を作ります。このような状態になっているめっき部を加熱すると、めっき部が溶融する前に写真fに示したように剥がれることがあります。

参考までに、噴流はんだ付けで発生したはんだはじきを写真gに示します。はんだはじきはパッド表面の酸化、汚染などにより発生したものです。

本はんだ付け部では、針状結晶が観察されています。この状態を写真hに示します。この針状結晶は、はんだバスの銅分の溶け込みが多くなると多発します。

2.予想される不具合

市場の温度サイクル、振動などによりはんだ剥がれが起きます。

3.原因と対策

はんだはじきはもともとめっきの状態が悪かったことに起因しています。これは一連のめっきの前工程の脱脂、酸洗い、洗浄などの不備、めっき工程では浴の老化が挙げられます。まれに素材の品質が悪い場合も起きることがあります。

実装ラインですずめっき、はんだ合金めっきの表面が白あるいは鼠色に変色している場合は、はんだはじきが予想されます。

4.めっき良否の判別法

抜き取りでリード線をめっき部にはんだ付けして引き剥がしてみます。簡単に剥がれた場合、同じ箇所を再度新しいリード線をはんだ付けして剥がしてみます。簡単に剥がれれば、めっき不良となります。剥がれなければ1回目のはんだ付け作業のミスとなります。

めっき不良の場合は地肌が出るまで砂消しゴムでこすって、その箇所にはんだ付けをします。室温に冷却した後、一般には引き剥がすのが困難になるほどしっかり付いています。これを判断基準とします。

めっき部の1回目のはんだ付けで、判断基準の強さが得られれば良い訳ですから、めっきメーカーに対して、この方法で満足しためっき品を納入していただくようにします。

この判別法は設備を必要とせず、手軽でしかも正しい判断ができます。電気めっき、無電解めっきに応用できます。

この方法で簡単にはんだ付け部が剥がれる場合は、市場においてもはんだ剥がれの事故が起きます。すずめっき、金めっき、はんだめっき、銀めっきに適用できます。

 

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