Q4 ロボットのはんだ付けでコテ先の汚れはどのような問題を起こすのでしょうか?

ANSWER

1.観察のポイント

写真aは、ICカードのコネクターのはんだ付けです。コテ先のクリーニングが悪いため、やに入りはんだがコテに送られて乱コテ先の酸化物が妨害してフラックスは逃げてしまい、その結果ブリッジが発生したものです。実際のはんだ付け温度は酸化物により熱の伝達に支障を来たします。コテ先の酸化は対物接触温度を70℃位下げることがあります。 80ピンのうち最初の10ピン位までは酸化物の影響が残り、酸化物が順次供給されるフラックスで脱落すると熱の伝達は回復して、残り70ピン位から安定した良好なはんだ付けが行われます。コテ先の酸化物は溶融はんだ及びフラックスの流れを変え、温度をバラつかせ、コテのはんだ保有量を不安定にさせます。

写真bは、フラックスの焦げ付きで発生したブリッジです。コテ先のフラックスの焦げ付きは流しはんだの最中に新しく供給されたフラックスと共に、はんだ付け部に脱落します。フラックスの焦げ付いたものは粘性が高く、フラックスの切れを悪くします。溶融はんだが各々のはんだ付け部に戻る場合、パッドのほぼ中央の位置で溶融はんだが戻りますが、たまたまその箇所に焦げ付いたフラックスがあると、粘性が高いためにはんだは戻りきれず、写真bのようなブリッジとなります。

 

 

 

 

写真Cは、焦げつきと問違えられますっこれはフッ素加活性剤に使用されているやに入りはんだに起こることがあります。フラックス中の活性剤がバラついて量が増えた場合、はんだ線の内壁で活性剤がはんだと反応して腐食します。活性剤が常時バラついていると、フッ素系のフラックスは製造装置のパイプの中を腐食し、これがやに入りはんだの中に入ることもあります。このように腐食した物質がやに入りはんだの中に入ったはんだではんだ付けすると、フラックス残澄中焦げ付きのようになって存在します。よく観察すると、小さなはんだボールが存在しているのが分かります。写真cではこの鼠色のカスの中にはんだボールが4個確認できます(判別法参照)。

2.対策

基本的にはどのような場合でも、はんだ付け前にコテには酸化及び焦げ付きはあってはなりません。

①作業前にコテ先の表面のはんだを溶かして軽く拭い、コテの溶融はんだ面に焦げ付きの取れない部分があるか否かをチェックし、あった場合は丁寧に除去して新しいはんだを供給しておく。

②こげ付きをエアーで飛ばす場合は、あらかじめ少量のやに入りはんだをコテに供給して、新しいフラックスでコテを潤うようにしてから、エアーで飛ばすと効果がある。

③頑固な焦げ付きは機械的に除去し、新しいはんだを付けておく。

④やに入りはんだを見直す。

3.判別法

このような鼠色のカスのチェック方法は、まずコテ先の酸化物及び焦げ付きを除去して綺麗にします。 次にやに入りはんだ線の表面をスチールウールで研磨して、はんだの表面の酸化物などを除去します。 したがって、カスがあるとすればやに入りはんだ線の中しかありません。これを基板の綺麗なランドに250℃ではんだ付けを行います(SnPbはんだの場合)。コテ先温度が高いと焦げ付きが発生し判断の妨げとなります。

約100ポイントはんだ付けを行って実体顕微鏡で観察し、存在していればはんだ線内部のフラックスに起因していると断定できます。やに入りはんだの製造管理不備によるので、フッ素系のフラックスではそのロットは即使用禁止措置をとります。

フッ素入りの活性剤であっても写真cに示すカスがなければ問題はありません。ただし、カスはなくても、フッ素入りフラックスで飛散、残渣の濁りなどが顕著に出た場合はこの限りではありません。

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