Q3 セラミック基板ではんだ割れが発生しました。どのような因子が作用したのでしよう か?

1.観察のポイント

①写真aに示したように部品の傾きは大きい。

②写真aに示したように、基板の隅に部品が配置されている。

③写真bに示したように、フィレット側のはんだ破断面が鋭い。

④写真bではリードの厚みの約1/2ははんだが濡れていない。

⑤写真bに示したようにリードの上にもはんだは上がっている。

⑥写真bに示したように、フィレットのかかとの部分の肌が粗れている。

⑦写真cではフィレットとリードの相対的位置関係からすると、リードは右にずれている。

2.原因と発生のメカニズム

セラミックは熱容量が大きいために温度が上がりにくく、温度が上がるとさめるのに時間がかかります。本はんだ付け部は基板の外側に位置しており、温度上昇は写真aに示したように右側のリードが早く、不具合を起こした側は遅れています。

写真bから分かることは、割れが発生する直前にはリードはすでに浮いている状態になっていたということです。

ここでセラミック基板の性質から、写真aの右側のリード側は先にはんだが溶けますが、普通のガラエポ基板のようにピーク温度領域に入って基板が急に温度が上がるのではなく、徐々に上がります。

そして、炉がピーク温度から冷却が開始されても、急激に温度が下がるのではなく徐々に下がるので、冷却過程に入ってもはんだの濡れは持続しています。そしてクリームの量は多く、当然フラックスの量も多かったので、はんだの濡れは持続することになります。

一方、写真aの左のリード側は温度上昇が遅れて到達温度も低くなるので、ピーク温度が過ぎると凝固の体勢に入ります。その時点では右側のリードはまだ濡れを続行しています。ここではピークゾーンを過ぎても、溶融はんだはリードの上部にさらに這い上がりながら、リードをパッド側に引きつけるので、部品は徐々に傾くようになります。反対側は凝固直後ですが、ほとんど強度はありません。

そして割れが発生したことになります。

この過程が分かったのは写真bのフィレットのかかとの部分が粗れていること、そして左側がこれほど派手に割れたにもかかわらず、右側のフィレットが何もない綺麗な肌をしていたことに気付いたからです。

左側のフィレット全体はリードの先端の温度が低く、かかとの部分が最後に固まっています。本来かかとの部分はフィレットの強度を確保すべき所でもあるのですが、凝固直後であったために強度がないことを証明しています。

最終的に右側のリードは凝固しますが、フィレットのはんだ量が多いことから、凝固時の体積変化で(収縮力で)、割れてからもさらに左側を持ち上げていることが想定できます。

3.対策

セラミック基板は熱容量が大きいために、温度上昇は遅れ、加熱時の温度差はガラエポ基板より顕著に出ます。それだけに均一加熱と均一冷却がより求められるから温度プロファイルを再検討しなければなりません。さらに治具を作って基板の外側の温度上昇を押さえます。例えば金属ブロックを配置することによって内側と同じ温度上昇にになるよう検討する、などです。

同時に、リードの酸化対策、クリームはんだの合金成分の見直しなど、1つひとつの因子を潰すことを実施しなければなりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

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