Q6 フィレットが曇って光沢がないのはなぜでしょうか?

1.観察のポイント

フィレットの表面状態ははんだ付け性を判断する上でも、また、信頼性を判断する上でも重要な判断基準となります(写真a)。

〈クリームはんだの場合。〉

①部品リードの酸化物。

②合金組成で銀が添加されている場合。

〈噴流はんだ付けの場合。〉

①リードの酸化。

②基板のランドの異物の付着。

②はんだバスの酸化物の付着。

〈やに入りはんだ付けの場合。〉

①はんだ線の表面汚れ。

②写真bで示したコテの当てすぎによる酸化。

③溶融はんだの凝固直前にはんだ付け部を動かした。

④合金組成で銀が添加された場合。

はんだ付けされる金属の表面にはんだがコートされていて、この表面が酸化していた場合は、リフローソルダリング後のフィレットの表面で、写真aに示したような外観を見せます。

いま、図aに示す状態のチップの電極があったとします。リフロー炉内で加熱されると、フラックスが電極表面の酸化物と反応して、溶融したクリームはんだは、電極表面の酸化物の最も早く温度が上がる箇所で反応し、酸化膜の下のはんだと急速に溶け合います。電極表面の酸化膜が強固な場合はフラックスの反応にも限界があり、酸化膜は除去できなくなります。

電極の表面は一般には90Sn-10Pbのはんだめっきがされているので、共晶はんだより融点が高く、クリームはんだが先に溶融して電極を上がって行くことになります。この現象で電極の酸化膜の下のはんだ量は多くなり膨れます。外観上酸化被膜はフィレット表面に残るので、光沢のないフィレットが形成されます。はんだ量は増えて膨れましても酸化物はゴムのように膨れることはないので、写真aに示したように酸化被膜に亀裂が入ります。

2.原因と発生

チップ部品の電極或いはリードの表面の変色が問題になります。写真aの場合は絶縁特性に障害は与えませんが、めっき液が残留しているよう場合は、イオン化している物質が存在しているので、絶縁性に障害が出ることは考えられます。

めっき液の残留の場合、はんだ付け直後は不具合として検査で発見することはできず、経時変化によって徐々に劣化しますのでやっかいです。

一方、本件のように初期はんだ付け不良を起こした場合は実装ラインで確認できます。確実に修正しておかないと(修正で外観上フィレットが形成されたように見えても、はんだがかぶっている状態)

市場ではんだ割れ、はんだはがれの原因となります。

3.対策

部品の受入れの徹底と保管管理の徹底になります。はんだ付け性が劣ると確実にはんだ付けを行いたいために、活性力の強いフラックスを使用したくなりますが、これは誤った手段になります。

錫の酸化物であっても、有機酸は錫と反応して水を生成し、灰色の物質となります。これをホワイトヘイズと言います。ホワイトヘイズによる絶縁不良の事例は著者は経験していませんが、超微細部のパターン間げきでは事故も予想されます。

将来の技術を確保する上でも部品のはんだ付け部の清浄性は解決しておかなければなりません。

 

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